香ばしい香り『ほうじ茶』の効能は?毎日飲んで健康・美容に役立てよう
ほうじ茶は日本茶の中でもよく知られた存在で、香ばしい香りが人気ですが、実はさまざまな健康効果があることをご存知でしたか?今回は、ほうじ茶の成分や効能についてご紹介します。ほうじ茶の持つ魅力をたくさん知って、美味しく健康的な生活を目指しましょう。
2017年10月03日更新
記事の目次
[1]ほうじ茶とは?
ほうじ茶=緑茶を焙じたもの
ほうじ茶は、その香ばしい香りと茶色い色が特徴的な日本茶です。煎茶が茶葉を煎じて(加熱により水分を飛ばすこと)作られるのに対し、ほうじ茶は煎茶や番茶を焙じて(煎茶と手法は似ていますが、より焦がし気味に加熱すること)作られています。煎茶よりは番茶(成長した茶葉)を原料に用いることが多く、比較的安価で味も飲みやすいため、多くの人に親しまれています。
緑茶よりカフェインが少なめ
ほうじ茶は、製造過程で茶葉をしっかり焙じるため、緑茶よりも少なくなる成分があります。カフェインもその一つです。カフェインには脳を覚醒状態にして眠気を覚ます効果や、利尿作用によってむくみを解消するなどの効果がありますが、依存性があり、摂りすぎるとかえって頭痛・身体の冷え・疲労感やうつ症状などの副作用を招いてしまいます。
その点において、ほうじ茶は緑茶に比べてカフェインの量が半分程度(150mlあたり10~20mg)なので、小さいお子さまや妊婦の方でも比較的安心して飲むことができます。
[2]ほうじ茶にはどんな効能がある?
身体を温めて冷え症対策
ほうじ茶ならではの香ばしい香りには「ピラジン」という成分が含まれています。緑茶にはみられないこの成分には、血管を広げて血行を促進し、身体を温めてくれる効果があります。
さらに、ほうじ茶には血管を収縮させるカフェインが少ないので、より身体が温まりやすいのです。冷たいほうじ茶では効果が表れにくいので、できるだけホットで飲むようにしましょう。
香ばしい香りでリラックス
ほうじ茶最大の特徴は、香ばしく豊かな香りです。焙じる過程で茶葉がしっかりと加熱され、閉じ込められていた300種類以上の香り成分が放出されるため、香りを楽しむだけでアロマのようなリラックス効果が得られると考えられています。
特にピラジンには鎮静作用があり、興奮を抑えて精神を安定させる効果があります。カテキン・タンニンなどの苦み・渋味成分が少なく、飲みやすいのでホッと一息つきたいときに最適なお茶といえるでしょう。
脂肪分解効果でダイエットにも
加熱により減少してはいるものの、ほうじ茶にはカテキンが豊富に含まれています。このカテキンには、体脂肪の蓄積を抑える、体脂肪の分解を助けるなどのダイエット効果が認められています。さらにほうじ茶にはリラックス効果もあるため、ストレスによる食べすぎを防ぐこともできると考えられています。
「ほうじ茶を飲めば痩せる」というほどの強烈な効果はありませんが、自然なダイエットを目指したい方は一度試してみるのもよいでしょう。毎日続けて飲むことがポイントで、食事や運動前に飲用するとより効果的です。
殺菌効果で風邪・インフルエンザ予防
こちらも緑茶ほどではありませんが、カテキンには強い殺菌効果があるため、風邪やインフルエンザの予防にも役立ってくれます。お茶でうがいをすると菌やウイルスの侵入を防ぐことが知られており、特にほうじ茶は刺激が少なく喉にも優しいため、子どもでも安心して使用できます。
うがいをした後は、そのまま飲んでしまっても構いません。消臭効果のあるクロロフィルも含まれており、お口の中が清潔に保たれるので、虫歯や口臭の予防にも役立ちます。
水分補給で便秘解消
便秘に直接的な効果があるわけではありませんが、ほうじ茶を飲むとおだやかに便秘が解消すると言われています。ほうじ茶にはビタミンCが豊富に含まれており、腸内の善玉菌の働きを活発にしてくれる働きがあります。
また食物繊維が含まれていることや、飲みやすくて水分補給がしやすいこと、香りでリラックスして腸の動きが良くなることなどが便秘の解消につながると考えられています。症状が軽い方や、強い薬に頼りたくない方は一度試してみるのもよいでしょう。
ビタミンCが豊富で美容にも
ほうじ茶にはビタミンCが豊富に含まれており、その量はレモンの5倍とも言われています。このビタミンCは熱に強く、ホット飲んでも成分が失われないのが特徴です。
便秘解消効果やダイエット効果もあることから、肌の調子が気になる方や美容効果を期待する方にも注目されています。最近では豆乳などと合わせて、ほうじ茶ラテとして飲まれることも増えてきています。
がん、生活習慣病予防などの健康維持に
ほうじ茶にはカテキン・ビタミンE・βカロチンなどのさまざま成分が含まれています。これらの成分には身体の酸化を防いで細胞の健康を保ってくれる効果があり、若々しさを保つだけでなく、がんや生活習慣病を予防する効果も期待されています。さらに血液をサラサラにして血栓ができるのを防ぐため、心筋梗塞や脳梗塞の予防として飲用するのもよいでしょう。
ただし、ほうじ茶はあくまでもお茶であり、薬のような強い効果があるわけではありません。あくまでも、日々の健康維持に役立てるという感覚で楽しみましょう。記事によっては、焙じる際にアクリルアミドという発がん性物質が増えるというデータもありますが、普段の飲用で神経質になるほどの影響はないと考えられています。
どんな飲料・食料品にもメリット・デメリットは存在しますので、特定の成分だけに注目せず、バランスの良い食習慣を心がけましょう。
[3]どれくらい飲めば効果がある?
一度に大量に飲むより、毎日飲み続けよう
ほうじ茶には頼もしい効能がいくつもありますが、あくまでも嗜好品の一種であり「一日当たりこれだけ飲めば健康になる」という明確な指標はありません。毎日少しづつでも継続して飲むことで、日々の健康維持に役立ってくれるという程度のものだと考えましょう。
健康効果があるといっても、ほうじ茶だけに偏ったり、一度に大量に飲んだりするような極端なやり方はかえって身体に負担をかけてしまうのでやめましょう。
カフェインが気になる…妊娠中はどれくらい飲んでもよい?
カフェインには興奮作用があり、胎盤を通して赤ちゃんにも影響するため、耐性のない赤ちゃんに負担をかけてしまいます。また利尿作用によって母体が鉄分・カルシウム不足になったり、血管が収縮するため赤ちゃんが酸素不足になったりなどの弊害があると考えられています。1日のカフェイン摂取量が200mgを超えると、流産の確率が2倍になると言われています。
ほうじ茶ならばカフェインは少なめですが、ゼロではないのでがぶ飲みするのは避けましょう。過剰摂取が気になる方は、1日カップ2~3杯程度を目安にしてください。授乳中の飲用や、小さなお子さまに飲ませるときも同様です。
[4]ほうじ茶を毎日飲んで、健康な身体をめざそう
いかがでしたか?ほうじ茶にはさまざまな効能がありますが、最大の特徴はやはり飲みやすさと香ばしい香りです。普段ほうじ茶をあまり飲まないという人は、まずお茶を楽しむという感覚で始めてみましょう。日々の飲み物の選択肢にほうじ茶を入れて、リラックスしたい時や冷えが気になる時に飲むと無理なく続けられます。ぜひ美味しくほうじ茶を飲んで、心身ともに健康な日々を目指してくださいね。