ベルガモット精油の効能とは?効果的な使い方やおすすめブレンドをご紹介
ベルガモットは、なんとなく気分が落ち込んだり、憂鬱な気持ちになったりしたときに効果があるといわれるアロマ。しかしそもそも「ベルガモットってどんなもの?」という方も多いのではないでしょうか。そこでこちらでは、ベルガモットがどのようなものなのか、詳しい効果・効能やおすすめの使い方について紹介します。
2022年09月26日更新
記事の目次
[1]ベルガモットとは?基本情報
ベルガモットは数あるアロマの中でも人気が高い香りです。アロマテラピーにあまり馴染みのない方でもどこかで嗅いだことがあるのではないでしょうか。
シトラス調のオーデコロンには必ずと言ってよいほどブレンドされています。まずはベルガモットの基本的な情報を確認してみましょう。
ベルガモットの基本情報
・主産地:イタリア南部カラブリア州
・学名:Citrus bergamia(シトラス ベルガミア)
・科・属名:ミカン科・ミカン属
イタリア原産のオレンジの仲間
ベルガモットは主にイタリア南部で生産されている柑橘系の果物です。はっきりとは分かっていませんがビターオレンジとマンダリンオレンジを掛け合わせて誕生したと言われています。
名前の由来は諸説ありますが、イタリアの北部にあるベルガモ、またはスペインのベルガという場所が原産地となったことから、ベルガモットと呼ばれるようになったと言われています。日本では高知県でも栽培が始められています。
果実の大きさはレモンと同じ程度。皮はゆずの果実のように少しぼこぼこしています。果実には苦み成分であるフラボノイド配糖体が多く、その量はグレープフルーツと比べても、1.5倍ほど。数値に表れている通り、味が苦いため、そのまま食べられることはあまりありません。
ベルガモットの香りは「上品」
エッセンシャルオイルなどに使われているベルガモットの香り成分は、少し苦みのある華やかな香りです。
柑橘系のみずみずしい香りと、フローラル系の香りが合わさったような上品な香りが特徴です。
紅茶やお酒の香り付けとしても
ベルガモットは華やかな香りから>紅茶やお酒の香り付けとしても使用されます。特に有名なのは紅茶のアールグレイではないでしょうか。
アールグレイのように香り付けしたお茶のことをフレーバーティと呼びますが、ベルガモットの華やかな香りで、数あるフレーバーティの中でも定番人気となっています。
特にアイスティーにすると爽やかな香りでぴったりですね。
繊細な香りの秘密は「非加熱のオイル抽出」
ベルガモットの香り成分は、ベルガモット果実の皮を絞る圧搾法抽出法でおこないます。
通常エッセンシャルオイルは香り成分を抽出するために熱を加える必要がありますが、ベルガモットなどの柑橘類には熱を使いません。そのため香り成分を損なうことなく抽出できます。
ハーブのベルガモットは別モノ!
紅茶に香りを付ける柑橘とは別に「ベルガモット」という名のハーブも存在します。もちろん、同じ名前なので今回紹介しているベルガモットを使ったハーブティーだと思いますよね。
ハーブティーや料理に使われているこちらのベルガモットは、柑橘ではなくシソ科の仲間で、背丈が1メートルほどある多年草です。赤い花を咲かせることから、「タイマツ(松明)花」という和名が付いています。
なぜ同じ名前がついているかというと、シソ科のベルガモットの若い葉が柑橘系ベルガモットの香りと似ているためなのだそうです。
ちなみにこの2つを区別するために、柑橘系のベルガモットは”ベルガモット・オレンジ”と呼ばれることもあります。
[2] ベルガモットの効果・効能
爽やかで華やかな香りが特徴のベルガモットですが、香りが良いだけでなくさまざまな効果や効能が期待できるのをご存知でしたか?
ベルガモットの効能は健康効果の面においてもよい評判が見られます。その効果について詳しく紹介していきます。
ベルガモットの効能一覧
心や精神への作用 | 抗うつ効果、不安感の緩和、ストレスケア、安眠効果 |
消化器官への作用 | 消化器系の働きをサポート、神経性の胃腸トラブルのケア |
肌や頭髪への作用 | 殺菌・消毒作用、皮脂過多の抑制 |
1.心や精神への作用
ベルガモットの香りはリラックス作用が高く、ストレスや精神疲労を和らげる効果に期待できます。
心を鎮静させつつ高揚させる効果も期待できるため、落ち込んだ心を癒しながら明るく前向きな気持ちへと導くと言われる香りです。
柑橘系の甘い香りによって気持ちをリラックスさせ、深い眠りへと導く安眠効果にも期待できます。
2.消化器官への作用
ベルガモットに含まれるリモネンという成分は胃腸の働きを整えるといわれています。これにより消化が促進されて、消化器系の不調が改善されるのだそう。
ベルガモットは抗ストレス作用も高いため、ストレスによる食欲不振などの消化器系トラブルにもおすすめです。
利尿作用の効果もあり、むくみ対策にも効果が期待できます。
3.肌や頭髪への作用
ベルガモットには抗菌作用もあります。そのため、肌や頭皮のにきび・肌荒れ対策にもぴったり。
ストレスにアプローチすることで、心因的な肌トラブルにも効果が期待できるので、気分が落ち込んで肌が荒れがちな方におすすめです。
頭髪のべたつき対策にも効果があると言われています。
[3]ベルガモットの効果的な使い方
さまざまな効能があるベルガモットの香り。ベルガモットの香りが持つ効能を利用するためにはエッセンシャルオイルを利用する方法が一般的です。
ここではエッセンシャルオイルの効果的な使い方をご紹介します。
エッセンシャルオイル・アロマオイル・香水、どれを選ぶべき?
植物の香りがついたアロマオイルや香水は、配合される成分や加工の方法によって呼び名や使用用途が異なります。
特に混同されやすいのがエッセンシャルオイルやアロマオイルです。ベルガモットの香りを取り入れた香水もさまざま。どれを選べばいいか迷ってしまいますよね。
そこでまずは、エッセンシャルオイル・アロマオイル・香水の違いや使い分けを紹介します。
■エッセンシャルオイル(精油)
エッセンシャルオイル(精油)は100パーセント天然由来でできたオイルを指します。
他の物質を混ぜている場合はエッセンシャルオイル・精油とは名乗る事ができません。
植物から抽出した香り成分のみでできているので採れる量が少なく、価格も高い傾向にあります。
■アロマオイル
アロマオイルは上記のエッセンシャルオイルや、合成香料を、アルコールやしキャリアオイル(植物油)、鉱物油で希釈した製品を指します。
そのため定義が広く、天然の香料を希釈したオイルも、100パーセント化学物質を使ったオイルもアロマオイルに含まれます。
希釈した製品であるため、低価格で販売できるという利点もあります。またアロマオイルはポプリオイル、フレグランスオイルと呼ばれることもあります。
■香水
「香りを楽しむ」という点で、香水は精油やアロマオイルと同様と思われるかもしれませんが、大きな違いがあります。
そもそも香水は合成香料を使って作られたものです。化粧品に分類されるアイテムで、香りが強く比較的長く残る特徴があります。
そのため香水は、精油で得られるような効能をそのまま得られるわけではありません。
■エッセンシャルオイル・アロマオイル・香水の使い分け
主な目的が香りを楽しむことであればなら、アルコールなどが含まれたアロマオイルや香水でも問題ありません。
アロマオイルは手頃な価格の物が多いので、香りを気軽に楽しむことができます。
香水も香りそのものを楽しむアイテムです。時間の経過による香りの変化やファッションとしての香りを楽しむときは香水を使ってはいかがでしょうか。
香りによる効果効能を得るには、100パーセント天然由来のエッセンシャルオイルがおすすめです。
スキンケアやヘアケア、バスタイムなど、ある程度の量を直接肌へ塗布するときもエッセンシャルオイルを使ってください。
ベルガモット精油でアロマバス
夜、疲れているのになかなか寝付けないときはありませんか。寝る前のPCや携帯電話でのネットサーフィンや仕事などは、脳が活性化してしまうため体が疲れていても眠れないのです。そんなときはアロマバスがおすすめです。
ベルガモットのオイル3滴と希釈用のキャリアオイル(アーモンドやホホバオイルなど)小さじ1杯を混ぜた物をお風呂に混ぜて入浴してみてください。
ベルガモットは緊張緩和による安眠効果があるので、緊張がほぐれてぐっすりと眠れるはずです。お湯の温度をぬるめにして半身浴にするとよりリラックスできますよ。
ニキビ肌やオイリー肌、マッサージにも
ベルガモットには皮脂抑制効果があります。エッセンシャルオイルをクリームや乳液などに混ぜて使ってみてください。過剰な皮脂を抑えるためオイリー肌の方におすすめです。
また殺菌効果もあるためニキビ肌の方にも効果があります。
使用する際は必ず0.5%以下(30mlにエッセンシャルオイル3滴以下)に希釈して、よく混ぜてから使用しましょう。
キャリアオイル(アーモンドやホホバオイルなど)にブレンドしたベルガモット精油はマッサージにもぴったりです。リラックスするルーティンとして、お風呂上がりにトライしてみてはいかがでしょうか。
ベルガモットのアロマスプレーでリフレッシュ
ストレスや緊張感を解消する効果のあるベルガモットは、仕事中や勉強中の気分転換にぴったり。
エッセンシャルオイルがあれば簡単にアロマスプレーを手作りできます。小さいボトルに入れれば持ち歩きにも便利ですね。
▼用意するもの(60mlの場合)
・スプレーボトル
・エッセンシャルオイル(精油)24滴
(肌につけるなら6滴~12滴、皮膚刺激が強いので敏感肌の人は注意すること)
・無水エタノール 20ml
・精製水 40ml
▼アロマスプレーの作り方
エッセンシャルオイルと無水エタノールをスプレーボトルに入れてよく混ぜ合わせた後に、精製水で希釈します。たったこれだけで完成です。
オイルが分離しやすいので、毎回よく振って混ぜてから使ってください。また、雑菌の繁殖を防ぐためにも1ヵ月以内には使い切るようにしましょう。
4%希釈はオイルの濃度が高いので、使う場合は肌に直接付けないように気をつけましょう。
ベルガモットと一緒に他のエッセンシャルオイルをブレンドすれば、お好みの香りでアロマスプレーを作れます。
同じ柑橘類のレモンやスイートオレンジはもちろんのこと、ラベンダーやジャスミンなどのフローラル系、メリッサやクラリセージなどのハーブ系の香りとも相性がよく、おすすめです。
紅茶で気軽に気分転換♪
エッセンシャルオイルが無いけどリフレッシュしたい!そんなときはアールグレイティーでひと息入れましょう
ベルガモットオイルで香り付けしてあるため、アールグレイの香りを嗅ぐだけでリフレッシュ効果があります。
また、ベルガモットの殺菌効果により、口内炎やのどの痛みにも効果的です。アールグレイティーならどこでも購入しやすいので、気軽に試すことができますね。
ベルガモット香水の楽しみ方
アロマオイルとは異なり、トップ、ミドル、ノートという香りの変化を楽しめるのも香水ならでは。ベルガモットの香水は、変化する香りの中で、シトラス系のフルーツならではのみずみずしさと爽やかさ、ほろ苦さを感じられます。
ベルガモット×レモンの香水「シーケーワン(カルバン・クライン)」も代表的な香水です。
こちらはベルガモットの香りの後にフローラルムスクの香りが出てくるので、爽やかなほろ苦さと品のよい華やかな香りを楽しめます。
[4] ベルガモット精油のおすすめブレンド
ベルガモットの精油は他の精油とブレンドして使うのもおすすめです。そこでここでは、おすすめの精油のブレンドを紹介します。
香りを合わせやすいブレンド
ベルガモット精油が柑橘やフローラル系の香りのため、感着付けやフローラル系の精油との香りの相性がよいです。
- フローラル系:ラベンダー
- 柑橘系:オレンジなど柑橘系全般
- オリエンタル系:ジャスミン
- ウッディ(樹木)系:ジュニパー
効果・効能別のおすすめのブレンド
■リラックス効果
使用精油:ベルガモット、ネロリ、オレンジ・スイート、ゼラニウム。マジョラム
妊婦さんも楽しむことができるブレンドです。柑橘にフローラル調が合わさってリラックスに最適。
■安眠に誘う効果
使用精油:ベルガモット、ホーリーフ、ラベンダー
紅茶を連想させるような香りのブレンド精油です。
■幸福感をもたらす効果
使用精油:ベルガモット、イランイラン
温かみのある濃厚な花の香りに軽やかさがプラス。イランイランの香りが苦手な方にもおすすめのブレンドです。
[5] ベルガモットの使用上の注意・禁忌事項
役立つ効能が多いベルガモットですが、使用する際は以下の注意事項を守って使用しましょう。
刺激が強いためパッチテストをおこなう
ベルガモットなどの柑橘系やスパイス系のエッセンシャルオイルは刺激が強いため、肌に直接つける場合は、刺激がないかを調べるパッチテストを事前におこないましょう。
▼パッチテストの方法
<用意するもの>
・ベルガモットのエッセンシャルオイル1滴
・キャリアオイル10ml
・コットン
・医療用テープ
1.エッセンシャルオイルを希釈するキャリアオイルのみをまず、腕の内側(二の腕などの皮膚の薄い部分)に塗布し、様子を確認します。(直後と1~2日後)
2.エッセンシャルオイル1滴をキャリアオイル10mlで希釈(0.5%)します。希釈したオイルをコットンに染み込ませて、腕の内側に貼ります。そのまま24~48時間放置して異常がないかを確認します。
もしかゆみや赤みなど異常が出た場合はすぐに使用を中止して石鹸でよく洗い流してください。
またテストする際は、はじめは低い濃度で試し、様子を見ながら徐々に濃度を上げるようにしましょう。
光毒性があるため直射日光は避ける
ニキビ肌に有効なベルガモットオイルですが、光毒性という特性があるため注意が必要です。
これはベルガモットに含まれるベルガプテンという成分のためで、肌に塗ったまま紫外線に浴びると、炎症・シミ・かぶれなどが起きてしまう可能性があります。
香水は使っても問題のない製品もありますが、精油やアロマオイル、光毒性の注意喚起をされている製品の使用には注意を払いましょう。肌へ使用する際は夜間の利用にする、日中に使用する場合は直射日光が当たらないようするといった対策が必要です。
最近では「ベルガプテンフリー」のベルガモットも販売されています。これなら光毒性を心配しなくてもよいため、スキンケアに使用するときなどはそちらを使用するようにしましょう。
妊娠中でも使用OK
妊娠中は体も変化していくし、ホルモンの影響で心が不安定になりやすいので、アロマに癒されたいという方も多いですよね。
アロマの種類によっては妊娠中の使用を控えるべきものも多いのですが、ベルガモットは妊娠中でも使えます。
ぜひベルガモットの香りでリラックスできる時間を過ごしてみてくださいね。
[6] ベルガモットの香りで毎日をハッピーに♡
アールグレイで馴染みの深いベルガモットですが、香りにさまざまな効能があることはお分かりになっていただけたでしょうか。日々ストレスや緊張を感じる場面が多い現代ですが、そんなときはベルガモットの香りを嗅いでリフレッシュしてみてくださいね。
※アロマオイル(精油/エッセンシャルオイル)を使う際の注意点
アロマオイルは医薬品ではないため、「治療」できるものではありません。ここに掲載されている内容は精油の効果効能、心身の不調改善を保証するものではありません。予めご了承ください。症状がひどい場合は医療機関を受診することをおすすめいたします。実際にアロマの香りに癒されるという方はたくさんいます。自分の体の状態や気分に合わせて上手に取り入れてくださいね。