香りの心理学的効果とは?安眠・集中力・恋愛に効く7つのアロマ

香りが心理や行動に与える影響を科学的に解説。安眠効果や集中力向上、仕事効率アップ、さらには恋愛にも役立つ7つのアロマを紹介します。あなたの日常空間をより豊かにする香りの選び方をお教えします。心地よい香りで、毎日をもっと素敵に過ごしましょう。

心理

2024年09月27日更新

アロマ

Felice編集部

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香りと脳の関係

花の香りを嗅ぐ女の子

私たちの周りにある「香り」。

その正体は私たちの鼻で感じ取れる、とても小さな粒子です。

これらの粒子は空気中を飛び回っていて、鼻に入ってくることで香りとして感知されます。

驚くことに、人間はなんと約10万種類もの異なる香りを感じ取ることが可能です。

唯一、脳を直接刺激する「嗅覚」

私たちの鼻から入ってきた香りの情報は、どのように脳に伝わるのでしょうか。

私たちの鼻の中には約400種類の「香りを感じ取る受信機(嗅覚受容体)」があります。

香りの粒子がこの受信機にくっつくと、特別な細胞(嗅細胞)が「香りを感じた」というメッセージを発信。

するとこのメッセージが電気の信号に変わって脳へと送られていきます。

脳はそのつながり方のパターンを見て、「あ、これはバラの香りだな」とか「これはレモンの香りだな」と判断しているのです。

面白いことに、この香りの情報は他の感覚と違って、脳の中をあまりぐるぐる回りません。

すぐに「感情」を司る部分(扁桃体)に到達し、私たちの気持ちに影響を与えます。

だから、香りは他の感覚よりもダイレクトに私たちの気分や感情に影響を与えやすいんです。

参考:「研究一直線」鹿児島大学

香りの心理学的効果①プルースト現象

子供たちのシルエット

急に懐かしい香りがして、子供の頃の思い出が鮮明によみがえってきた……。

皆さんはこのような経験はありませんか?

このように、その香りに結びついた過去の記憶や感情がフッと蘇ってくる現象は「プルースト現象」と呼ばれています。

この名前の由来はフランスの有名な作家、マルセル・プルーストの小説です。

小説の中には、主人公がお茶に浸したマドレーヌというお菓子の香りを嗅いで、突然子供時代の記憶が鮮やかによみがえる、というシーンがあります。

そこから「プルースト現象」という名前が生まれました。

私たちが得る情報は、視覚からの情報が80%を占めていますが、香りから得た情報は目で見たものよりも深く記憶に残ることがあるのです。

参考:「嗅覚と自伝的記憶に関する研究の展望」心理学評論58巻(2015)

香りの心理学的効果②自律神経を落ち着かせる効果

リラックス

香りは私たちの自律神経にも大きな影響を与えます。

自律神経とは体内で24時間休まず・交互に働いている神経系です。

交感神経と副交感神経によって成り立っています。

交感神経の役割は体を活動的にすること。副交感神経の役割は、心身をリラックスさせることです。

香りはその種類によって、どちらにもアプローチする効果があります。

ここで、副交感神経にアプローチし自律神経を落ち着かせる香りの効果を詳しく紹介します。

不安や緊張を和らげる抗不安効果

緊張したりストレスを感じたりすると、体がガチガチになったり、心臓がドキドキしたりしますよね。

香りの種類によってはこういった不安や緊張を和らげることができます。

これが「抗不安効果」です。

たとえばマウスにラベンダーの香りを嗅がせてみた実験では、マウスの不安そうな行動が減ったことがわかりました。

しかしマウスの鼻をつまんで香りを感じられないようにすると、この効果はなくなったのです。

また、ラベンダーの香りを嗅ぐと、私たちの脳の中で「ベンゾジアゼピン」という物質が出てくることもわかりました。

この物質には不安を和らげる効果があるとわかっています。

参考:「研究一直線」鹿児島大学

ゆううつな気分を緩和する抗うつ効果

日常的に落ち込んだり、気力が無くなったりした経験はありませんか?

香りにはこのようなゆううつな気分を緩和する効果もあるとわかっています。

有名なのはレモンやオレンジなどの柑橘系の果物に含まれる「リモネン」という成分です。

リモネンには私たちの気分を向上させる効果があるという研究があります。

特に、判断力や情動調整、注意力の調節などに関与している脳の部位(前頭前野)に影響を与えるという研究結果も存在します。

またリモネンは脳内の「セロトニン(※)」という物質を増やす可能性も示唆されています。

※セロトニン…気分を明るくする働きを持つ脳内物質、別名「幸せホルモン」

参考:「抑うつ状態に対するアロマセラピーを用いた介入研究の現状と課題」福岡県立大学看護学研究紀要 17, 5-15(2020)

イライラを抑えリラックスを促す鎮静作用

香りの効果の中でも注目されているのが、イライラを抑えてリラックスさせる「鎮静作用」です。

鎮静作用とは神経の興奮を鎮め、心身をリラックスさせる効果のこと。鎮静作用により睡眠の質を高める効果にも期待できます。

特定の香りには、この鎮静作用があることが科学的に確認されました。

たとえば、ラベンダーの香りが脳波活動に及ぼす影響についての研究があります。

その中でラベンダーの香りをかぐと、α波が増加することが確認されました。

アルファ波は、リラックスしているときに脳で優位になる波であり、この波が増えることは、リラクゼーションの状態にあることを示しています。

参考:「ラベンダー精油のストレス緩和作用」公益社団法人日本アロマ環境協会

香りの心理学的効果③自律神経を刺激する効果

パソコン

前に説明したように、香りには副交感神経をサポートして体を落ち着かせるものがあります。

その一方で、香りの中には交感神経を刺激して、体を活動的にするものもあるんです。

では、交感神経を刺激する香りの効果とは、具体的にどのような効果なのでしょうか?

詳しく見ていきましょう。

シャキッとした気分を持続させる覚醒効果

私たちをシャキッと目覚めさせる「覚醒効果」も香りがもたらす効果のひとつです。

この効果は、特定のエッセンシャルオイル(精油)の成分によってもたらされることが科学的に証明されました。

たとえば、ジャスミンの香りを嗅がせて行われた研究では、事象関連電位と呼ばれる脳波の一種を測定。

すると覚醒時に見られる事象関連電位の数値が上昇し、明確な覚醒効果が確認されました。

同様の実験方法でペパーミントやバジルの香りを試した結果、これらの香りもジャスミンと同じように覚醒効果があることが確認されています。

参考:「人間の心と身体に与える香りの効果」応用物理83巻(2014)

記憶力や集中力の向上効果

香りには私たちの記憶力や集中力を向上させる効果があります。

たとえばローズマリーとラベンダーのエッセンシャルオイル(精油)がその効果を示すことが研究で確認されました。

この研究は、2つの精油が人間の短期記憶に与える影響について調べたものです。

研究では、79人の中学生を対象に、コントロールグループ、ラベンダーの香りが与えられたグループ、そしてローズマリーの香りが与えられたグループに分けて実験が行われました。

結果、ローズマリーの精油を吸入したグループは数値記憶の向上が見られ、ラベンダーの精油を吸入したグループではこのプロセスが弱まることが確認されています。

参考:「The effect of the essential oils of lavender and rosemary on the human short-term memory」National University of Pharmacy

気分を前向きにする刺激作用

香りの効果が100%解明されているわけではありませんが、使用する状況や個人の反応によっては異なる効果が現れることがあります。

例えば、レモンなどに含まれる「リモネン」という成分は、前述で副交感神経を優位にし、ゆううつな気分を緩和する抗うつ効果があるとお伝えしました。

しかし、場合によっては交感神経を刺激し、気分を明るくしたり、頭をスッキリさせるという効果も示唆されています。

落ち着きたいときにおすすめのアロマ

ラベンダーのアロマ

日々の生活の中でストレスを感じ「リラックスしたい」と思うことは誰にでもありますよね。

そんなときには香りの心理学的効果を取り入れて上手に対処しませんか?

香りには私たちの心と体を穏やかにする素晴らしい力があります。

ここで特におすすめの3つの香りをご紹介します。

ラベンダー

ラベンダーは、リラックス効果のある香りの代表といっても過言ではありません。

ラベンダー特有のやさしく甘い香りには心を落ち着かせ、緊張をほぐす効果があります。

睡眠の質にをよくしたいときもラベンダーの香りをかぐようにしてみましょう。安眠・快眠に期待できます。

詳しい内容を知りたい方は、以下の記事も読んでみてください。

カモミール

カモミールは古くから薬草として使われてきました。

やさしく品のある香りには、イライラや不安を和らげ、心を落ち着かせる効果があります。

ストレスを感じているときや、何となく落ち着かないときにカモミールの香りを楽しんでみてください。

詳しい内容を知りたい方は、以下の記事も読んでみてください。

バニラ

バニラの甘く温かい香りには、気分を落ち着かせ、リラックスさせる心理学的効果があります。

不安を感じているときや、怒りが湧き出るとき、心が落ち着かないときにバニラの香りを試してみてください。

徐々にストレスや緊張が落ち着いていき、ポジティブな気持ちや幸福感を感じられます。

詳しい内容を知りたい方は、以下の記事も読んでみてください。

覚醒や集中、やる気を上げたいときにおすすめのアロマ

ペパーミントのアロマ

忙しい毎日の中で、「もっと集中力を高めたい」、「やる気を出したい」と思うことはありませんか?

そんなときこそ香りの効果を活用しましょう!

ここでは心理学的に覚醒効果があり、集中力やモチベーションを高めるのに役立つとされる4つの香りをご紹介します。

ペパーミント

ペパーミントの爽やかで刺激的な香りは、頭をスッキリさせ、眠気を吹き飛ばす効果があります。

脳が活性化されて、集中力や記憶力が向上する効果も。

朝の目覚めが悪いときや、午後の眠くなる時間帯にペパーミントの香りを楽しんでみてください

デスクワークの合間にペパーミントティーを飲むのもおすすめです。

詳しい内容を知りたい方は、以下の記事も読んでみてください。

ローズマリー

ローズマリーは、古代ギリシャの学者たちが記憶力を高めるために使っていたと言われる香りです。

現代の研究でも、ローズマリーの香りを嗅ぐと、記憶力や認知機能が向上することが確認されています。

勉強や仕事で集中したいとき、重要な会議の前などにローズマリーの香りを使ってみてください。

詳しい内容を知りたい方は、以下の記事も読んでみてください。

グレープフルーツ

グレープフルーツの明るく元気な香りには、気分を高揚させ、やる気を引き出す効果があります。

この香りを嗅ぐと、体内でノルアドレナリンという物質の分泌が促進。心身ともに活動的になると言われています。

朝の身支度をしているときや、新しいプロジェクトを始める前にグレープフルーツの香りを楽しんでみてください。

詳しい内容を知りたい方は、以下の記事も読んでみてください。

オレンジスイート

オレンジスイートの甘く爽やかな香りは、心を明るくし、ポジティブな気分にさせてくれます。

ストレスや不安を和らげる効果もあるため、リラックスしながらも集中力を保ちたいときにぴったりです。

締め切りに追われているときや、長時間の作業が必要なときにオレンジスイートの香りを使ってみてください。

心地よい香りに包まれながら、穏やかに集中できる環境が作れます。

詳しい内容を知りたい方は、以下の記事も読んでみてください。

魅力を引き出す、「恋」におすすめのアロマ

ローズのアロマ

恋愛は人生を彩る大切な要素のひとつ。

香りの力を借りることで、自分の魅力を引き出し、恋愛運を高められるかもしれません。

ここでは、恋愛に効果があるとされる4つの香りをご紹介します。

ローズ

バラの女王と呼ばれるローズの香りは、古来より愛と美の象徴とされてきました。

この香りには女性らしさを引き出し、自信を高める効果があると言われています。

またストレスを和らげ、心を開放的にする働きもあるのだそう。この効果は男女問わず体感できます。

ローズの香りは男性の心も落ち着かせ、感情を豊かにしてくれるのが特徴です。

自然と自己表現が促され、恋愛のシーンでもより自信を持って行動できるようになるかもしれません。

詳しい内容を知りたい方は、以下の記事も読んでみてください。

イランイラン

イランイランは「花の中の花」という意味を持つ、甘く官能的な香りです。

この香りには、気分を高揚させ、感情を豊かにする効果があります。

リラックス効果もあるため、緊張しがちなデートシーンでも落ち着いた自分でいられるでしょう。

詳しい内容を知りたい方は、以下の記事も読んでみてください。

ジャスミン

ジャスミンの甘く濃厚な香りは古くから愛の象徴とされてきました。

この香りには自信を高め、前向きな気持ちにさせる効果があります。

女性ホルモンのバランスを整える働きもあるとされ、女性らしさを引き出すのにも役立つでしょう。

詳しい内容を知りたい方は、以下の記事も読んでみてください。

サンダルウッド

落ち着きと安定感を与えてくれるのがサンダルウッドの深みのある木の香り。

この香りには、精神を落ち着かせ、不安を和らげる効果があります。

恋愛においてもリラックスした態度を保ちやすくなり、お互いの本当の気持ちを素直に伝え合える環境を作り出せるのです。

サンダルウッドは感情のバランスを整える作用もあり、恋愛関係特有の不安やストレスがある場合でも心をフォローしてくれます。

詳しい内容を知りたい方は、以下の記事も読んでみてください。

恋に効く香水があるって知ってる?

恋愛を引き寄せるアイテムとして注目を集める「フェロモン配合の香水」をご存知ですか?

フェロモンとは自然界で生き物が出す、特定の行動を引き起こすシグナルのこと。

人間にもこれが影響して、なんとなく「この人いいかも!」と思わせる効果があるかもしれない、と考えられているんです。

詳しい内容を知りたい方は、こちらの記事も読んでみてくださいね♪

香りの心理学的効果に関連するよくある質問

香りの心理学的な効果について興味を持ち始めると、さまざまな疑問が湧いてくるものですよね。

ここでは多くの人が抱く3つの質問について、詳しく解説していきます。

香りが人体に与える影響は?

私たちが楽しむさまざまな香りには、やる気を刺激したり、勉強や仕事の集中力を高めたりするものがあります。

中には作業効率の向上や記憶力の改善といったプラスの効果に期待できる香りも。

最新の研究では香りが脳を直接刺激し、免疫力を向上させたり、認知症を予防したりする効果の可能性が示されています。

香水の心理効果は?

香水をつけることで、その香りが直接相手の脳に届きます。

無意識に感じさせる香りは記憶に残りやすく、相手によい印象を与えることも多いです。

また香りをまとうことで、清潔感を演出し、自身の外見に気を使っているという印象も強まります。

疲れが取れるような匂いは?

日本特有の木、ヒノキやスギクロモジの木の香りには、リラックス効果や健康促進効果があります。

またゆずやすだちなどの柑橘類の香りも、心をリフレッシュさせ、疲れを和らげるのに効果的です。

これらの自然の香りは、日々の疲れを癒し、新たな活力を与えてくれます。

香りの心理効果を活かして、心地よい毎日を♪

ディフューザー

香りは私たちの脳に直接働きかけ、感情や記憶、身体の状態に大きな影響を与えることがわかりました。

リラックス効果、集中力向上、気分の高揚など、その効果は本当に多岐にわたります。

朝はさわやかな香りで一日をスタートし、仕事中は集中力を高める香りを使い、夜はリラックスできる香りで質の良い睡眠を。

このように香りを味方につけることで、毎日がより豊かになるはずです。

そして、香りは自己表現の手段にもなるもの。

自分に合った香りを見つけ、上手に活用することで、新たな魅力を引き出せるかもしれません♪

香りと一緒に、もっと素敵な毎日を過ごしていきましょう。

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