スウェーデン発のフレグランス『19‐69』が熱い!
スウェーデンのニッチフレグランスブランド『19‐69(ナインティーン-シックスティナイン)』をご存知でしょうか?1960~70年代に生まれたカルチャーからインスピレーションを受けたというフレグランスはユニークなものばかり♪絶対に人と被らない、その独創的な香りを3つご紹介します。
2021年04月19日更新
記事の目次
[1]『19‐69』ってどんなブランド?
出典 instagram.com/p/CMVUsSlAzre/
『19‐69(ナインティーン-シックスティナイン)』は、スウェーデン⼈アーティストのヨハン・ベルゲリンが手掛けるフレグランスブランド。
2017年にパリで発売がスタートしました。
ブランド名でもある数字「19-69」は、1960~70年代を意味していて、その期間に生まれたカルチャーやムーブメントなどからインスピレーションを得たフレグランスを創造しています。
すべてのフレグランスがユニセックスタイプで、「国境を越えて、美しさを探求することを可能に」というヨハン・ベルゲリンの信念のもとに作られた香りが並んでいます。
出典 instagram.com/p/CFgsG9hgItE/
その香りは、アフリカ、ヨーロッパ、アメリカ、アジアのさまざまな時代、文化、環境から着想を得て作られていて、ボトルに施されたカラーは平和と自由を象徴する「虹」を象徴しているのだとか。
個人的な意見ですが、フランスやイギリスのフレグランスには、“伝統的”で“格式高い”香りが多いのに対し、スウェーデンのフレグランスはもっと自由で、遊び心のある作品にあふれていると思います。
今回の『19‐69(ナインティーン-シックスティナイン)』も、1960~70年代の文化にインスパイアされた香りとのことで、その二つとないユニークなコンセプトには知的好奇心がくすぐられてしまいました。
この激動の時代からインスピレーションを得たフレグランスとは一体どんな香りがするのでしょうか。
『19‐69(ナインティーン-シックスティナイン)』のなかでも特に気なった香りを3つご紹介したいと思います!!
[2]超個性的な香りたち!
L’AIR BERBES(レール・バルべス)
トップノート:アルデヒド、フレッシュレモン、ベルガモット
ミドルノート:イランイラン・エクストラオイル、チュベルーズ
ラストノート:アンブロックス、オリス、クミンシード、ホワイトムスク、インク、レザー、ドライウッド
「L’AIR BERBES(レール・バルべス)」は、ドイツの写真家ヘルムト・ニュートンの作品『Le Smoking(ル・スモーキング)』から着想を得た香りです。
『Le Smoking(ル・スモーキング)』とは、イブ・サンローランのアイコニックなタキシードスーツのコレクション名。
創設者のベルゲリン氏は、10代の頃にこの作品を知り、「ジェンダーレスという概念を初めて知り、衝撃を受けた。今でもこの写真に影響されている」と語っています。
私もこの写真は以前からよく知っていたのですが、イブ・サンローランというブランドと、パリの街の特徴すべてがこの一枚に凝縮されていると思います。
トップノートの硬質なシトラスの香り、ミドルノートの重めで官能的なフローラル、そしてスモーキーでちょっと暗いラストノート。
本当に、香りから「パリってこんな感じ!」とイメージできます。
華やかで芸術的な部分ではなく、実際の本質的なパリのキャラクターをよく表しているんですよね。
冷たくて、少し排他的で、気位が高い。だけど圧倒的にかっこ良くて、絶対に真似できないような個性があります。
ゴージャスでフェミニンなバラの香りより、「L’AIR BERBES(レール・バルべス)」のように少し硬質でハンサムな香りの方がずっとパリっぽいと思うんです。
この香りは最初こそスッキリしていますが、ミドルからラストノートにかけての夜霧のようなアンニュイさがとても印象的。
女性がまとったら絶対にかっこよくなる香りで、身が引き締まるような気分になるでしょう。
男性ももちろん、季節年代問わず「ザ・ニッチ香水」を堪能したい方におすすめです!
CHINESE TOBACCO(チャイニーズ・トバコ)
トップノート:イタリアンベルガモット、タバコ、レモン、レッドペッパー
ミドルノート:ジンジャー、コリアンダー
ラストノート:シダーウッド、タール、バニラ、ウッド、ベチバー、インセンス
「CHINESE TOBACCO(チャイニーズ・トバコ)」は、フランシス・フォード・コッポラ監督が手がけた映画「地獄の黙示録」にインスパイアされています。1969年に公開されました。
具体的な香りのイメージとなっているのは、主人公が劇中で中国製タバコを吸いながら「朝のナパーム弾の香りが大好き」という会話のシーンだそうです。これだけでもインパクト大ですよね。
この映画は観たことがあるのですが、かなり心に残る衝撃的な作品です。
そしてこのシーンを香水にしようと思った『19‐69(ナインティーン-シックスティナイン)』も衝撃的です。
大衆に向けていないフレグランスのラインナップが、いかにも『19‐69(ナインティーン-シックスティナイン)』らしくてさすがだな、と思いました。
さて「CHINESE TOBACCO(チャイニーズ・トバコ)」の香りは、濃厚ではあるのですがどこか水彩画のような繊細さも秘めています。
まずトップノート。タバコのスモーキーさをイメージしていましたが、どちらかというと葉っぱのグリーン感の方が強いです。
そこにレッドペッパーやジンジャー、バニラの甘みが加わり、濃厚でエモーショナルなミドルノートが続いていきます。
体温で温まったあとのラストノートは本当に壮大で、大地のようなウッディ感がありました。
「CHINESE TOBACCO(チャイニーズ・トバコ)」は、リラックス系とは正反対の、生命力にあふれた鮮やかな香り。
3つのなかでいちばんパッションを感じました。
「地獄の黙示録」という先入観を持たなくても素直に“良い香り”と思えますし、現代的なユニセックス香水だと思います。
普段から気軽にまとえる香りではありませんが、夏フェスなどといった熱いシーンには絶対に似合うはず!
情熱的で鮮やかで、ちょっとだけ繊細な「CHINESE TOBACCO(チャイニーズ・トバコ)」。嗅げば嗅ぐほど癖になる、とっても面白いフレグランスです。
PURPLE HAZE(パープル・ヘイズ)
トップノート:イタリアンベルガモット、コルシカ島産サイプレス、カンナビスアコード
ミドルノート:パルマローザ、タイム、ガジュラム、バイオレットリーフ
ラストノート:パチュリ、バニラ、ドライウッド、ホワイトムスク、ブラックペッパー
1969年のカルチャーを代表するのが、同年アメリカで開催された「Woodstock Music and Art Festival(ウッドストック・フェスティバル)」です。
3日で40万人という驚異的な動員数を記録し、「愛と平和と音楽」をテーマにした歴史に残る野外コンサート。
ここで登場したジミ・ヘンドリックスの名曲「PURPLE HAZE(パープル・ヘイズ)」と、1969年のヒッピーカルチャーにインスパイアされた香りがこの「PURPLE HAZE(パープル・ヘイズ)」です。
まず、香りの主張が強い!!パワフルで風変わりで、私がこれまでで経験した香水のなかではいちばん個性的でした。
香りの構成からも分かるように、一般的に好まれる香料が見当たりません。
そして香りの変化もあまりありません。あえて言うとしたら“香り”というよりも何か“妖しい気配”を身にまとっているような、複雑で神秘的な作品です。
ドライフラワーのようなクールさと、ハーブティーのようなシャープさが混じっていて、とてもアーシーでスピリチュアルな香りがします。
アリゾナ砂漠のようなイメージもあります。
一風変わった「PURPLE HAZE(パープル・ヘイズ)」ですが、実は肌の香りと完全に馴染んだ終わりかけの頃に素晴らしい芳香を発揮するんです。
ふくよかでほんのり甘く、樹脂の温もりも感じられ、心がかなり落ち着きました。“心地よい”という表現がこれほどしっくりくるラストノートはあまりないかもしれません。
まとう人をかなり選ぶフレグランスですが、ハーブや樹脂、どっしり感のある香りがお好きな方であれば、かなりハマる1本だと思います。
「PURPLE HAZE(パープル・ヘイズ)」を身に着けている人のイメージは、男女ともに、クリエイター、車より自転車を愛用している、パンツルック、音楽を愛している、洋酒を好んでいる、口数が少ない、といった感じです。
絶対に人と被らない香りだからこそ、個性がさらに素晴らしいものとなって、その人の魅力を底上げしてくれることでしょう!!
[3]ニッチ香水好きな方、必見です
『19‐69(ナインティーン-シックスティナイン)』のラインナップは、“人と被らない香水”という次元を超えたところにある、本当に独創的で面白い香りばかりです。
今回、改めて大ファンになりました。
そして自由で型破りなスウェーデン発の香水たち。新しいブランドだからこそ、伝統に縛られないユニークな香りが生まれるのかもしれませんね。
そんな『19‐69(ナインティーン-シックスティナイン)』から今後も目が離せません♡