“水”をイメージした、透明感抜群の香りたち!

世の中には「水」をイメージした香水が存在するのをご存知でしょうか?みずみずしく透明感のあるその香りは、快適な着け心地で重宝すること間違いなし♪フローラルやグルマンなど、甘い香りにちょっと飽きてしまった方、必見です!

2022年06月09日更新

香水/フレグランス

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[1]エチケット的な香り、“水”の香水

中世フランスの貴族たちの間で広まった香水文化

今でこそいろいろなタイプの香りを選ぶことができますが、昔はオリエンタルで官能的な香りかしかなかったそうです。

フローラル系、グルマン系、ウッディ系など、さまざまな香りを自由に楽しむことができる現代の私たちは、ある意味香りに恵まれているかもしれませんね。

私も体感として「香りの選択肢が増えたかも」と実際に感じ始めたのは1990年代後半頃だったと思います。

確かに1990年代はたくさんの名香が生まれた時代でしたが、甘く官能的なだけの香水を量産する香水業界に一石を投じた作品がありました。

『ISSEY MIYAKE(イッセイ・ミヤケ)』「L’EAU D’ISSEY(ロードゥ・イッセイ)」です。

それは、日本人デザイナー三宅一生氏と、天才調香師のジャック・キャバリエ(現ルイ・ヴィトンの専属調香師)かタッグを組んで1992年に発表した、“水”そのものを表現した香り。

ライトに香るということと、上品で洗練されたその「オゾンノート」という新たなジャンルは、香水に慣れていない人たちにも手に取りやすいものでした。

現在では「オゾンノート」のバリエーションもたくさん増え、「イタリアのコモ湖のような香り」や「カリフォルニアの海岸の香り」など、もっと具体的なイメージのフレグランスを体験することができます。

今回は『ISSEY MIYAKE(イッセイ・ミヤケ)』の「L’EAU D’ISSEY(ロードゥ・イッセイ)」を含む、「水」に関連した透明感抜群の香りをパリから3つご紹介したいと思います!

個性的かつエチケット的にも優秀なその香り、新たな必須アイテムかもしれません♪

[2]それぞれの情景が感じられる3つの“水”フレグランス

L’OMBRE DANS L’EAU(ロンブル・ダン・ロー)/diptyque(ディプティック)

ロンブル・ダン・ロー

トップノート:カシスの葉、ブラックカラントの葉、マンダリンオレンジ
ミドルノート:ブルガリアローズ、マンダリン
ラストノート:ムスク、アンバーグリス

パリ発の大人気フレグランスブランド『diptyque(ディプティック)』

ベストセラーの「L’OMBRE DANS L’EAU(ロンブル・ダン・ロー)」は深くリラックスすることができる1本で、生活の一部にしたくなるような香りです。

40年近くも前に発売されたとは思えない、とても洗練された香り

ディプティック

実はこの「L’OMBRE DANS L’EAU(ロンブル・ダン・ロー)」をまとった時、目に浮かぶ情景がフランスにあります。

印象派の巨匠、モネが暮らしたフランス・ジヴェルニーの邸宅です。

印象派の巨匠「モネ」の作品には柳の木がよく登場するのですが、彼はこの柳に多大な影響を受けました。

ゆらゆらと揺れ動く柳の葉に、光そのものの透明感を見出したのだとか。

「L’OMBRE DANS L’EAU(ロンブル・ダン・ロー)」の意味は「水に映った影」。

それは、手入れが行き届いた美しい庭園や、風光明媚な湖畔の“木陰”で休んでいるような、心地よいひと時を思わせる香りなんです。

水面にはキラキラと陽光が映り込み、柔らかな風に柳の葉が揺れている。淡い音、色、空気。心の深い部分からゆっくりと解きほぐれていくような感覚。

そんな“光と影”の美しさを香りで描いたような「L’OMBRE DANS L’EAU(ロンブル・ダン・ロー)」。

香りは強すぎず、決して弱すぎず。自然を丸ごと切り取ったかのような、ナチュラルで透明感のある香りが魅力です。

そしてなにより清潔感があります。

春から夏にかけての温かい季節にぴったりで、老若男女問わず受け入れられる香りと言えるでしょう♡

 

Aqua Celstia(アクア・セレスティア)/Francis Kurkdjian(フランシス・クルジャン)

香りの構成:ライム、ミント、ブラックカラント(カシス)、プロヴァンス産ミモザ、イタリア産ビターオレンジ、エジプト産ジャスミン、ムスク

知的、ニッチ、アーティスティックと3拍子揃ったパリ発のフレグランスメゾン『Francis Kurkdjian(フランシス・クルジャン)』

香水は芸術だというのは明らかなのですが、『Francis Kurkdjian(フランシス・クルジャン)』の香りは、受け手の感性も肥えてなくては十分に理解することが難しいかもしれません。

個人的に一番敷居が高いフレグランスメゾンです。

ですが『Francis Kurkdjian(フランシス・クルジャン)』の香りはある意味香水っぽくないので、逆に香水が嫌いという人にも受け入れられる“本物”の香りだと思っています。

フランシス・クルジャン

高い創造性を誇るラインナップのなかで、ひときわ神聖な香りを発見しました。

こちらも“水”をイメージしたオードトワレ、「Aqua Celstia(アクア・セレスティア)」です。

香料だけで見るとシトラス系の香りが連なっているのに、ここまで“水”の性質を現わしているのが『Francis Kurkdjian(フランシス・クルジャン)』の技。

「L’OMBRE DANS L’EAU(ロンブル・ダン・ロー)」が湖畔のイメージだったのに対し、「Aqua Celstia(アクア・セレスティア)」は“エーゲ海の水平線”のイメージです。

とても神秘的で、クリアで、そして静けさがあります。

穏やかに香るので、香りをまとっているようでいて、なにもまとっていないかのように感じさせる「スキンフレグランス」の一種だと思いました。

またユニセックスタイプのオードトワレとしても、頭一つ抜けている逸品と言って良いかもしれません。

女性がまとって骨太になることはありませんし、逆に男性がまとって軟弱なイメージがつく心配もないでしょう!

ただただ香りをつけることの心地よさを追求した1本だと思います。

そしてこれは男女ともに、精神的に成熟した人にお似合いになると思います。

透明感があるので梅雨時や夏にぴったりな香りではありますが、私は冬の澄み切った空気でもこの「Aqua Celstia(アクア・セレスティア)」のアロマティックな部分が立って良いんじゃないかな、と思いました。

「天上の水」という意味の「Aqua Celstia(アクア・セレスティア)」は、どちらにしても周囲に全く不快感を与えない、インテリジェンスに富んだ名香です!!

 

ISSEY MIYAKE(イッセイ・ミヤケ)/L’EAU D’ISSEY(ロードゥ・イッセイ)

トップノート:ロータス、フリージア、シクラメン、ローズウォーター、ピオニー、メロン、カロン
ミドルノート:カーネーション、ホワイトリリー、シャクヤク、スズラン
ラストノート:オスマンサス、チュベローズ、アンバー、ムスク、サンダルウッド、シダーウッド

冒頭でも触れた『ISSEY MIYAKE(イッセイ・ミヤケ)』の「L’EAU D’ISSEY(ロードゥ・イッセイ)」は、香水の歴史をくつがえす伝説的な香りです。

天才調香師ジャック・キャバリエは、当時「L’EAU D’ISSEY(ロードゥ・イッセイ)」を調香するにあたって、数週間ほど日本中を旅したそうです。

言わば日本とフランス、2つの芸術大国の特性がフュージョンし生み出された香水と言えるでしょう。

日本らしい奥ゆかしさ清潔感がありながら、パリジェンヌのコケティッシュな色気もちょっとだけ含んでいます。

もちろん「L’EAU D’ISSEY(ロードゥ・イッセイ)」は“水”をテーマにしているのですが、表現を付け足すならば、私はこの香りには“新月”っぽい澄んだ雰囲気があると思います。

みずみずしく清らかで、新鮮です。アニマリックな香水とは正反対の、自然を賛美した素晴らしい香り

「L’EAU D’ISSEY(ロードゥ・イッセイ)」には自己主張は控えめで落ち着いた、大人の女性の魅力が凝縮されているように感じます。

オフィスや学校でも違和感なくまとうことができると思います。

香水嫌いで有名だった三宅一生氏がGOサインを出した「L’EAU D’ISSEY(ロードゥ・イッセイ)」ですから、この香りが嫌がられることはまずないはずです♡

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[3]主張しすぎない個性を演出できる

“水”をテーマにした香水のなかには、地中海や大西洋などをイメージした力強いものもありますが、今回は特に静かで透明感のある香りをピックアップしてみました。

春は洋服のカラーも明るくなり、香りも女性らしいものを選びがちです。

「ちょっと盛りすぎかな?」という時には、このようなみずみずしい香りが引き算となってバランスが取れるかもしれません。

同時にさりげなく、誰にも嫌がられずに個性を演出できるので、香水のなかでは意外とマルチな活躍を見せてくれます。

透明感のある香りが欲しくなった時、この記事を思い出していただければ嬉しいです♡

 

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