“調香の神”と呼ばれる男、アルベルト・モリヤスの人気香水!
フレグランスをゼロから生み出す調香師。画家や作家、音楽家と同じように、嗅覚の芸術家と呼ばれる存在です。マスター・パフューマーとして名高いアルベルト・モリヤスは、世界で一番香水を創った超有名人!今回は、そんな偉大な調香師が手掛けたあの人気香水をご紹介したいと思います。
2020年10月16日更新
記事の目次
[1]アルベルト・モリヤスってどんな人?
出典 instagram.com/p/CEI2oPUhY73/
アルベルト・モリヤスは1950年、スペイン・セビリアで生まれました。10歳からスイスに移り住み、1970年に香料メーカーである「フィルメニッヒ」に入社します。
なんと、調香については自己流で勉強したそうです!
「フィルメニッヒ」社内の調香師に転向した彼は、1981年に『カルティエ』のために「Must(マスト)」を調香したことからその輝かしいキャリアが始まりました。
1981年から約300ものフレグランスをクリエイトしており、あらゆる調香師の中でも最多を誇る、今もなお現役のマスター・パフューマーです。
1997年より『MIZENSIR(ミゼンジール)』という自身のフレグランスブランドを経営しています。
出典 instagram.com/p/Bj2iuAdFshI/
アルベルト・モリヤスがこれまで関わってきたのは、カルティエ、ブルガリ、カルバン・クライン、グッチ、ペンハリガンなど名だたるブランドばかり。
その中には誰もが知る、あの名香も含まれているんですよ♪
“調香の神”と呼ばれる、アルベルト・モリヤスの代表作品を5つご紹介したいと思います!
[2]世界一の調香師の作品たち
LANCOM(ランコム)「Miracle(ミラク)」
トップノート:ライチ、フリージア
ミドルノート:マグノリア、ジンジャー、マンダリンオレンジ、ペッパー、ジャスミン
ラストノート:ペッパー、ムスク、ジャスミン
『LANCOM(ランコム)』のロングセラーにして大人気の香水、「Miracle(ミラク)」。
香水探しをしたことがある人ならば、一度は目にしたことがあるかと思います!
コンセプトは、“朝日が昇るように希望に満ち溢れ、自分自身で運命を切り開く女性たちへ送られる神秘的な香り”。
マグノリアとジャスミンの上品でフェミニンな香りが続きます。
この香りは本当に癖がなく嫌われないので、オフィスや学校、オン・オフ問わず一年を通してまとうことができるでしょう♪
CALVIN CLEIN(カルバン・クライン)「 ck one(シーケー・ワン)」
トップノート:ベルガモット、カルダモン、パイナップル、グリーンノート
ミドルノート:ジャスミン、バイオレット、ナツメグ、ローズ
ラストノート:ムスク、アンバー、グリーンティー・アコード
アルベルト・モリヤスの作品の中で最も大成功を収めたのがこちら。
元祖ユニセックスフレグランスと言えるオードトワレで、1995年には世界で最も売れた香りでした。
私も当時、周囲のほとんどが「ck one(シーケー・ワン)」を身に着けていたのをよく覚えていますが、今でもたくさんの人に愛されている有名な香りですよね。
「ck oneシーケー・ワン)」のすごいところは、香りの深みを楽しむのではなく、あくまでも周りの人々に心地よさを与えることをコンセプトにしたことです。
世界中のあらゆる民族の人々が、一つになろうという意味の“one(ワン)”。
シトラスノートにライトなフローラルブーケをつけ加えた清々しい香りが魅力です♪
BVLGARI(ブルガリ)「ROSE GOLDEA(ローズ・ゴルデア)」
トップノート:ザクロ、ムスク、ローズ、ベルガモット
ミドルノート:ダマスクローズ、エジプト産ジャスミン、ピオニー、ピーチ
ラストノート:ムスク、オリバナム、サンダルウッド、バニラ
「ROSE GOLDEA(ローズ・ゴルデア)」は、あのクレオパトラをテーマにした香水です!
クレオパトラが愛した香料だけで生み出されたこのフレグランスは、女性自身に“美”に対する自信を与えてくれる香りです。
しっとりとしたローズの香りが印象的で、フェミニティを高めてくれます。
女性美を表現するのが大得意というアルベルト・モリヤスの自信作です。
Killian(キリアン)「 Good girl gone Bad(グッド・ガール・ゴーン・バッド)」
トップノート:ジャスミン、オスマンサス、メイローズ
ミドルノート:インド産チュベローズ、スイセン
ラストノート:アンバー、シダー
ラグジュアリーなフレグランスブランド、『Killian(キリアン)』で最も売れているのが「Good girl gone Bad(グッド・ガール・ゴーン・バッド)」です。
創設者のキリアン・ヘネシーは当時、“魔性の香り”を作りたいと考えていました。
そこで、官能的なテーマの香りを依頼するにはアルベルト・モリヤスしかいない!と思ったそうです。
オスマンサス(金木犀)の気持ちよい香りからスタートし、甘美なチュベローズが開花します。
「Good girl gone Bad(グッド・ガール・ゴーン・バッド)」は「アダムとイブ」のイブをイメージしたそうですが、甘美で背徳感のある香りが本当に素晴らしく、“官能性”を単なる動物性の香料で表現していないところが秀逸だと思います。
世界各国の『Killian(キリアン)』で一番売れている香り、というのも納得です。
人を惹きつけ、香りだけで魅了させることのできる、現代版の媚薬的オードパルファムです!
By Kilian Good Girl Gone Bad (バイ キリアン グッド ガール ゴーン バッド) 1.7 oz (50ml) EDP Spray
GUCCI(グッチ)「GUCCI BLOOM(グッチ・ブルーム)」
トップノート:オレンジ、グリーンノート
ミドルノート:チュベローズ、ジャスミン・サンバック、ラングーンクリーパー
ラストノート:ニオイイリスの根茎、サンダルウッド、バニラ
花々をふんだんに使用し、“エデンの園”をイメージした香りです。
明るく華やかで、多幸感が味わえるフレグランス。甘くなりすぎず、『GUCCI(グッチ)』らしいシックな香りが楽しめます。
飽きのこないホワイトフローラル系ノートで、毎日まとえるフレグランスです。
ヴィンテージの陶器のような、ピンクボトルも素敵ですね♪
[3]香りに特別な個性を持たせたアルベルト・モリヤス
これらのフレグランスからも分かるように、アルベルト・モリヤスの作品には、一つとして似ているものがありません。
彼の作品を知って、「同じ人が創った香り!?」と驚きましたが、これも世界一と呼ばれる調香師の技なんだな、と思いました。
フレグランス一つ一つに各ブランドの個性が出ていて、香りへの強い愛をも感じます。
香りを楽しむ人にとって、“調香師”は気になる存在ですよね。
お気に入りの香りとともに、クリエイターたちの信念にも触れてみてくださいね。きっとみなさんのフレグランスライフがより奥深いものとなるでしょう♪