エアコンの嫌なニオイを放っておくと健康に悪影響が!対策法とお手入れのコツをご紹介
快適な生活に欠かせないエアコンから、ふとした瞬間に嫌なニオイがすることはありませんか?悪臭の原因はエアコン内部にたまった汚れです。放っておくとアレルギーなどの原因にもなりかねませんので、日頃からしっかりとお手入れすることが大切です。
2019年06月01日更新
記事の目次
[1]エアコンから変なニオイが…原因は?
エアコンが臭くなる原因は?
私達の生活とエアコンの悪臭には、密接なつながりがあります。エアコンは室内の空気を取り込んで循環させるため、空気の吸込口からどうしてもホコリや汚れが入り込み、エアコン内部に溜まっていきます。
その汚れをお手入れしないまま放置すると、やがてエアコンから出る風までもが臭くなって
しまいます。
エアコンから嫌なニオイがするということは、つまりお部屋が汚れていたりニオっていたりするということでもあるのです。
以下のような場合、エアコンは特に汚れやすい環境にあります。
- 部屋の掃除が十分でない
- 室内に喫煙者がいる
- 子どもなど、汗をかきやすい人が室内にいる
- 台所など調理の油が飛びやすい場所がある
- ペットを飼っている
タバコが原因だとヤニ臭く、汗が原因だと酸っぱい悪臭になるなど、ニオイの種類はさまざまです。放置していても根本的な解決にはなりませんので、時間やお金はかかりますが「お掃除」か「買い替え」のどちらかを検討することになります。
エアコンが汚れたままだと健康に悪影響があることも
除湿や冷房運転をしていると、エアコン内部に結露が発生します。奥の熱交換器周辺など乾きにくい部分に水がついたまま放置していると、ホコリ・汚れと水分が結びついてカビや雑菌が繁殖します。(生乾きの洗濯物のニオイを想像すると分かりやすいかもしれません。)
このとき、エアコンから出てくる風にはカビ胞子などが含まれおり、吸い込み続けると鼻炎やアトピー、肺炎などの体調不良を引き起こす原因になります。エアコンの悪臭はただ不快なだけでなく、健康にもよくありません。
特に赤ちゃんや高齢者の場合は症状に気付きにくいこともあるので、悪臭が気になったら速やかに対処することをオススメします。
エアコンのニオイが気になる時の応急処置は?
運転開始時はカビ胞子などが大量に飛びやすく、特にニオイが気になります。強風で10分程度の送風運転を行い、ニオイと湿気を追い出しましょう。
このとき、窓を開けて十分に換気をすることが大切です。しばらくすると臭さが軽減されてきますが、あくまで応急処置であって根本的な解決ではないことを覚えておきましょう。
「ニオイに効きそう」「汚れが落ちそう」というイメージだけで、エアコン本体にファブリーズなどを吹きかける人もいるようですが、かえって雑菌に栄養をあげているようなものです。
むしろ汚れが強力にこびりついてしまうので、絶対にやってはいけません。
[2]ニオイを消す方法、一番はやっぱりお掃除!キレイにするコツと注意点
上でも述べましたが、エアコンの嫌なニオイを取り除くためには「お掃除」か「買い替え」のどちらかしかありません。
ただし、お掃除と言ってもエアコンは繊細な電化製品ですので、素人が解体して徹底洗浄するのは困難です。
インターネット上には「自分で内部洗浄」などのいろいろな方法が記載されていますが、エアコンに不調がおきても自己責任であること、汚れやニオイが十分に取れないことなど、さまざまなリスクがあります。
あくまでも「自分でできる限りのお掃除」にとどめておき、必要ならプロの腕を借りるほうが無難でしょう。
お掃除前に必ずコンセントを抜いておく
コンセントを挿したままお掃除をすると、濡れた雑巾を使ったときに感電するかもしれませんし、突然エアコンが作動して指を怪我したりするかもしれません。事故防止のためにも、お掃除前には必ずコンセントを抜きましょう。軍手やゴム手袋をしておくと更に安心です。
足場を固めて、まずはエアコン外部のホコリを拭きとろう
エアコンは部屋の高い位置にありますから、お掃除のために足場を固めることも大切です。不安定な体勢だとぐらついて怪我をする危険性がありますし、うっかりエアコンに手をかけてエアコンが傾き、故障のもとになることもあります。
エアコンに手が届いたら、まずは周囲のホコリを取り除きましょう。こうすることで、お掃除中に余計なホコリが舞い散りません。
前面パネルを開けて裏側を拭き、フィルターを取り外そう
前面パネルを開けたら、裏側をチェックしてみてください。(取扱説明書があれば取り外し方も書いてありますが、無理にする必要はありません。)
もし裏側にポツポツと黒い斑点のようなものが見えたら、それは悪臭の原因になっているカビです。薄めた中性洗剤や重曹水を含ませた布をかたく絞り、すみずみまでキレイに拭き取りましょう。
フィルターは無理に引っ張らず、エアコン本体に沿ってゆっくりと取り外しましょう。掃除機であらかたホコリを吸い取ってから、水洗いするとキレイになります。薄めた中性洗剤や不要な歯ブラシを使うと効果的に汚れを落とせます。
このとき、フィルターの目詰まりを防ぐために、内側から外側に向かって水をかけるようにしてください。フィルターに水気が残っているとエアコンの故障の原因になります。
タオルで水気を拭き取った後も、完全に乾燥するまでしばらく乾かしておきましょう。同時に、エアコン本体も全面パネルを開けたまま乾燥させておきます。
吹出口やルーパーについたホコリ、カビを拭きとろう
吹出し口やルーパー(風の吹出口付近にある、上下左右に可動する羽のようなもの) 付近もカビや汚れがつきやすい場所です。
ただし、これらは特に繊細な部分ですので「できる範囲の汚れを取り、むやみに触らない」ことが大切です。
センサーや電装部分に水がかからないよう、固く絞った雑巾などでサッと拭く、ルーパー周辺は見える部分だけを軽く拭く程度にしましょう。
汚れが気になるからと深追いすると、かえってエアコン本体を傷めてしまう原因にもなります。
全体をカラ拭きしたらコンセントを入れ、送風運転で十分に乾燥させよう
「キレイにお掃除できた!」と思っても、油断してはいけません。ここで少しでも洗剤を残すと、それを餌としてカビや雑菌が繁殖し、またすぐに汚れがついてしてしまいます。しっかりとカラ拭きをして仕上げましょう。
最後に30分ほど送風運転をして、エアコン内部を十分に乾燥させたらお掃除終了です。(除湿や冷房ではかえって水滴がついてしまうので、必ず送風にします。)
コンセントを長時間抜いていた場合、急に運転させるとエアコンの負担になりますので、コンセントを挿したら1時間ほど待って運転を開始させるようにしてください。
[3]徹底的にキレイにしたいなら、エアコンのお掃除はプロにまかせよう!
エアコン清掃業者の見解をみると、「素人にエアコン内部の徹底洗浄は不可能」とあります。
エアコンの構造は複雑かつ繊細で、完全にキレイにするためには解体して洗浄するしかないと言われています。プロのクリーニング料は高めに見えますが、エアコン本体が故障しては意味がありません。
リスクを背負わずにニオイから開放されるならと、思い切ってプロにお掃除を頼んでみるのも一つの方法です。
電装部分に水がかかると故障の原因に
エアコン内外についたカビや汚れを落とすには、水を使う必要があります。しかし、電装部分に水がかかると故障の原因になりますので、お掃除の際にはテープとビニールシートで厳重に養生することが大切です。
しかし知識が十分でないままこれをやると、養生する部分を間違えてしまい故障の原因となることがあります。
市販のエアコンクリーナーは要注意!洗剤が残ってカビの餌になることも
ホームセンターなどではエアコン洗浄スプレーが普通に売られていますし、インターネット上にはその使用方法も詳しく載っています。
しかし、これらの洗剤も道具もプロ仕様とはまったく異なるもので、洗浄力には限界があります。
せっかく頑張ってお掃除しても、エアコンの奥の方まで洗剤が行き渡らなかったり、水圧が足りずに洗剤を落としきれなかったりすると、結果的にカビ・細菌に水と栄養を与えてしまうことになります。
むしろエアコンが一層汚れて臭くなってしまう例もあり、あまり良い方法とは言えません。
プロにまかせて安心・確実!クリーニングの相場は?
「これは無理かも…」という汚れも、プロの業者ならば徹底的にキレイにしてくれます。安全・確実にニオイやカビを撃退できること、すぐにニオイが戻る心配がないことから、「高かったけどやってよかった!」という声も多くあがっています。
エアコンのクリーニング業者のサイトを比較してみると、個人用のエアコン1台あたり10,000〜20,000円あたりが相場のようです。自分で洗浄すれば3,000円以内でおさまるので高いようにも見えますが、「エアコンの洗浄はそれだけ大変なのだ」と考えることもできます。
どのようなクリーニングが行われるのか、値段は妥当かなどを事前に調べて、納得した上で信頼できる業者を利用しましょう。
格安の業者もあるようですが、そこは「お値段なり」の仕上がりだと考えたほうが無難です。
いくつかクリーニング業者のリンクを貼っておきますので参考にしてみてください。
[4]節電にもなる!エアコンを清潔に保つ方法
定期的にエアコンの汚れを取り除く以外にも、日頃からちょっとした工夫をしていれば、エアコン内部の汚れはかなり軽減されることをご存知でしたか?
汚れが少なければニオイが発生しにくくなるのはもちろん、エアコンの効きもよくなって消費電力が抑えられます。
エアコンのキレイを保つ秘訣は「水気」と「汚れ」を溜めないことですから、いかに汚れた空気を吸い込ませず、エアコン内部の水滴を乾燥させるかがポイントです。
冷房の設定温度は低めにしよう
冬に暖房をつけていると、窓が結露してきます。それと同じように、室内外の温度差が大きくなればエアコン内部に結露が発生しやすくなります。
しかし、良かれと思って設定温度を高めにしたままでいると、エアコン内部の熱交換器が十分に冷やされず、かえって雑菌が繁殖した水が再蒸発して出てきてしまいます。
これもまた嫌なニオイの原因になりますので(エコではありませんが)あえて設定温度を低めにして、エアコン内部までしっかりと冷やすようにしましょう。
特に、設定温度・湿度ともに高い状態だとニオイが発生しやすく、気分的にも不快に感じるようです。湿度を下げるだけで快適さは格段に上がりますから、まずは除湿を心がけましょう。
エアコン内部は水がたまりがち!使用後2時間は送風運転をしよう
冷房や除湿運転後のエアコンは水で濡れた状態です。そのまますぐに運転を停止すると、エアコン内部に溜まった水にカビや雑菌が繁殖してしまうため、使用後も2時間は送風運転をして水気をしっかり飛ばしましょう。
送風機能がないときは、高い温度で暖房をかけても同じ効果が得られます。エアコンの種類によっては「エアコンクリーニング」という機能がありますが、これは送風運転をかけているのと同じですので積極的に使用しましょう。
3ヶ月に一度はエアコンのお手入れをしよう
エアコンを使わない季節でも、結構ホコリは溜まりますので、約3ヶ月に一度はお手入れをすると快適さが長持ちします。
お部屋の掃除はもちろん、窓を開けてしっかり換気してお部屋を乾燥させるのも効果的です。冬場にエアコンを使わないことも悪臭の原因になりますので、暖房を積極的に使うのもオススメです。
ちなみに、暖房運転時にエアコン内部が結露することはありません。お掃除をするのに最も効果的なのは、エアコンが本格的に活躍する直前、つまり梅雨の前だと言われています。
この時期にホコリや汚れをしっかり落とし、内部まで十分に乾燥させておくと、快適に夏を過ごすことができるようです。
[5]車のエアコンが臭い!対処法は?
車のエンジンを掛けた瞬間、エアコンの吹出口からイヤなニオイがしたことはありませんか?これもまた、車内のエアコン内部が汚れているサインです。
ただし、車のエアコンは室内のエアコンのようにフィルターをお掃除することができませんので、定期的なメンテナンスで対処するしかありません。
車のエアコンはお掃除しにくい
車のエアコンには「お掃除」という概念はあまりありません。吹出口の奥に交換式のフィルターがあり、それが汚れることでニオイが発生します。
車用ファブリーズなど、エアコンのニオイを軽減する商品も売られてはいますが、あくまで消臭目的であり、カビや汚れを取り除くわけではありません。
消臭できそうだからと、スプレータイプのファブリーズ等を吹きかけるのは絶対にやめましょう。
定期的にエアコンフィルターを交換しよう
車のエアコンフィルターは基本的に交換式で、消耗品扱いです。自分で交換することもできますが、車のメンテナンスの時などに交換してもらうこともできます。
故障のリスクを避けるならばプロに任せるのもよいでしょう。フィルター自体は高価なものではありませんし(2,000円〜5,000円)、Amazonなどでも売られています。
「交換したらすぐに違いを感じた」、「もっと早くやればよかった」という口コミが多く、価格の安さと品質の高さも喜ばれていますので、一度試してみるのもよいでしょう。
車の場合も、梅雨が始まる前にメンテナンスしておくと効果的です。基本的には年に1回、もしくは走行距離10,000km毎に1回の交換が目安ですが、花粉の多い季節や粉塵が多い場所を走行したときなどは早めに交換しましょう。
運転開始時にニオイが!熱風と換気で応急処置をしよう
「すぐにフィルター交換はできないけれど、ニオイは今すぐ消したい!」という場合は運転開始時に強風で10分ほど暖房をかけるとよいでしょう。最初の10分は最もカビ胞子が飛びやすいため、窓を全開にして汚れた空気を追い出します。
ただしフィルターが汚れている限り、悪臭がするたびにこの作業をすることになります。
[6]清潔なエアコンはいいことずくめ!こまめなお手入れで快適に過ごそう
いかがでしたか?エアコンのニオイは我慢していても良い事がありません。むしろ汚れが溜まっている証拠で、放っておくと体調不良のもとになるばかりか、電気代まで高くついてしまいます。エアコン自体も傷みますので、覚悟を決めてお掃除をしましょう。
こまめなお手入れをすれば、エアコンの寿命も長くなります。しかしエアコンの性質上、どうしても汚れはついてしまいますので、思い切って買い替えを検討することも大切です。いずれにしても手間やお金はかかりますが、「何が自分にとって一番快適か」をよく考えて、健康で快適な生活を送ってくださいね。