抜け出せなくなる!?『Frederic Malle(フレデリック マル)』の色香
フランスの香水ブランドのなかでも、インテリジェンスに富む『Frederic Malle(フレデリック マル)』。香水マニアのみなさんは既に知っている方も多いはず!文学のように奥深いその香りのラインナップは、知れば知るほどハマってしまう魅惑的なものばかりです。本場フランスから『Frederic Malle(フレデリック マル)』の人気の香りをご紹介します♪
2020年04月09日更新
記事の目次
[1]『Frederic Malle(フレデリック マル)』のすごいところ
『Frederic Malle(フレデリック マル)』を知っている方も、知らない方も。まず、このフレグランスメゾンのすごいところを詳しくご紹介しますね。
Frederic Malle氏のおじい様は、あのパルファン・クリスチャン・ディオールの創業者!パルファン クリスチャン ディオールといえば、大ヒット作「ミス ディオール」や「プワゾン」で有名です。
香水界の“華麗なる一族”と言えるでしょう。
現在、パリには本店のほかに5つのショップが存在しますが、その全てにFrederic Malle氏のポートレートが飾られています。
店内は知的で品格たっぷり、ラグジュアリーな佇まいなのになぜか安心感を与えてくれます。魅力的な人柄なのが写真からも伝わってきますね。
また、パリの『Frederic Malle(フレデリック マル)』では男性のスタッフが女性スタッフより多く、とっても親切でユーモアもたっぷり。
先日『Frederic Malle(フレデリック マル)』の石鹸を購入しに、とあるショップに立ち寄ったのですが、そこではちょうど在庫が切れていました。
すかさず男性スタッフは本店に在庫確認の電話をかけてくれ、「マダム、本店になら在庫がありますよ!私は今からちょうど外出するので、本店までご案内しましょうか?」と、とても親切に接してくれたんです!
本店の場所がすぐ近くだったので、「大丈夫ですよ、ありがとうございます」とありがたい申し出をお断りしたのですが(ショップの男性と歩くのが恥ずかしかったのもあります)、本店に行った際もたった石鹸ひとつで大変良くしていただきました。
数日後にはサンキューレターが自宅に届きました。
『Frederic Malle(フレデリック マル)』はプロダクトの素晴らしさだけでなく、こうしたきめ細やかな気遣いが香り好きたちのハートを掴んだのだと思います。
[2]パリ『Frederic Malle(フレデリック・マル)』の人気香水ベスト3
さて、『Frederic Malle(フレデリック マル)』コンセプトは、「エディション ドゥ パルファム(香りの出版社)」。
Frederic Malle氏自身は編集者として、世界的で活躍する12人の調香師たちに、自由な発想でフレグランスの制作を依頼しているそうです。
調香師が12人もいるからこそ、各香水につけられた名前もユニークで変化に富んだものばかり。本当に香りを“文学”として購読しているような気分になります♪
それでは現地パリで人気の香りベスト3をご紹介します!
ベスト3
CARNAL FLOWER(カーナル フラワー)
調香師:ドミニク ロピオン
トップノート…ベルガモット、メロン、ユーカリ
ミドルノート…イランイラン、ジャスミン、チュベローズ
ラストノート…ムスク
「CARNAL FLOWER(カーナル フラワー)」は、チュベローズを存分に楽しむことができるフレグランスです。
チュベローズは自然界において最もアンバランスな香りとされ、官能的ながらも、お花屋さんに足を踏み入れた瞬間に感じるフレッシュな印象を併せ持っています。
濃厚で持続時間が長い「CARNAL FLOWER(カーナル フラワー)」。チュベローズのミルキーさが女性らしく、湿気のない今の季節にぴったりです♪
ベスト2
PORTLAIT OF A LADY(ポートレイト オブ ア レディ)
調香師:ドミニク ロピオン
トップノート…クローブ、シナモン、ローズ、カシス、レッドベリー
ミドルノート…サンダルウッド、パチョリ、インセンス
ラストノート…ムスク、アンバー、ベンゾイン(安息香)
19世紀に書かれた名作である、ヘンリー ジェイムズの小説「ある貴婦人の肖像」からインスピレーションを受け、名付けられた香り。
『Frederic Malle(フレデリック マル)』の、どの香水にも勝る量のローズとパチュリが配合されているそうです。
オリエンタルローズがなまめかしく、ミステリアスながらも“貴婦人らしい”作品です。
Frederic Malle Portrait of a Lady (フレデリック マル ポートレイト オブ ア レディー) 1.7 oz (50ml) ...
ベスト1
MUSK RAVAGEUR (ムスク ラヴァジュール)
調香師:モーリス ルーセル
トップノート…ラベンダー、ベルガモット
ミドルノート…シナモン、タンジェリン
ラストノート…ムスク、アンバー、バニラ
『Frederic Malle(フレデリック マル)』のラインナップのなかでも、多くの著名人が愛用している香りが「MUSK RAVAGEUR (ムスク ラヴァジュール)」!
この官能的なオリエンタル フレグランスは、科学者から調香師に転身したモーリス ルーセルの作品。
「MUSK RAVAGEUR (ムスク ラヴァジュール)」とは、フランス語で「身を焦がすムスク」という意味です。
ラヴァジュールには、二つの意味があるそうです。一つ目は「破壊的」、もう一つは「卒倒するほど魅力的な」という形容詞。
フランス人にとっては後者の意味あいが強いそうで、女性に対しても使えますが男性を表現するときにより使用頻度が高くなるようです。
例えばブラッド ピットなど、カッコよすぎて倒れてしまいそうなほど魅力的な人に使われる、最大の褒め言葉です。
ユニセックスタイプで、ただただ甘いムスクに飽きてしまった方、さらなる官能性を香りで極めたい方におすすめのフレグランスです♪
[3]男性にこそ纏ってほしい『Frederic Malle(フレデリック マル)』の男前香水
私は個人的に『Frederic Malle(フレデリック マル)』のメンズ向け香水が大のお気に入りです。
他のブランドよりも知的で“文豪”らしさがあり、神秘的なセクシーさを感じるものばかり!
『Frederic Malle(フレデリック マル)』で見つけた、とっておきの男前香水2つをご紹介します♪
FRENCH LOVER(フレンチ ラバー)
調香師:ピエール ブルドン
ノート…シダーウッド、ベチベー、アイリス、トウガラシ、ガルバナム、パチョリ、ムスク
男性のためのオードパルファン「FRENCH LOVER(フレンチ・ラバー)」は、大人の男性にしか纏えない、洗練された香り!坊やはお断りです♪
『Frederic Malle(フレデリック マル)』が誇る高級天然香料には、圧巻の気品があります。
時間の経過とともに香るシダーウッドとムスクの、渋みと温かみが印象的。クラシカルな格調高さを保ちつつも、現代的な軽やかさも同時に兼ね備えています。
「FRENCH LOVER(フレンチ ラバー)」が描く男性像のキーワードは“成熟、ドラマチック、エレガンス”。ジェームズボンドのようなイメージです。
フォーマルなシーンにもぴったりですが、シンプルなシャツやプルオーバーにサラリとこの香りをまとわれたら、かなりの数の女性がクラッとすることでしょう!
こんな素敵な香りのする男性に誘われたなら、自分史上最高のおめかしをして出かけてしまいそうです。連れ添う女性の“女度をも格上げしてくれる”、賞賛すべきフレグランスです!!
MONSIEUR(ムッシュー)
調香師:ブルーノ・ジョヴァノヴィック
トップノート…マンダリン、ラム・アブソリュート
ミドルノート…パチョリ
ラストノート…シダー、スエード、インセンス
「MONSIEUR(ムッシュー)」とは、英語の「ミスター」にあたる、男性へ使用するフランス語の敬称のこと。
自分の軸をしっかりと持ち、大地に根を張り大きく枝葉を伸ばしつつも、その木陰で他者を休ませてあげるような、優しさとどっしり感をあわせ持ったジェントルマンのイメージです。
『Frederic Malle(フレデリック マル)』の「MONSIEUR(ムッシュー)」には、今まで経験したことのないような“どっしり感”があります。
実はそれもそのはず、香料として使用されているパチュリがなんと50%もの割合で配合されているんです。
大地の香りが漂うパチュリ。知的な香りの代表格ですが、50%も配合とは大胆すぎるのでは、と思いました。しかしそこはさすが天下の『Frederic Malle(フレデリック マル)』。
調香師に予算の制限を設けず、最高の原料とテクノロジーで、分子蒸留なる技法を用いてパチュリのいいとこだけを採取した逸品となっています。
パチュリはアロマ精油としても有名ですが、不安な気持ちや緊張を和らげてくれる効能があります。また催淫(性欲を高める)に対する効果・効能もあるのでベッドルームの雰囲気作りにも役立つそう。
このフレグランスは意外にも年齢を問わない魅力があります。20代後半以降から70代、80代までの男性でもハマる人はハマるでしょう。
“変化が欲しい”方や、“もっと自分の魅力を探求したい”方にもおすすめ。でも手首にワンプッシュは厳禁!キャラの濃いフレンチムッシューが恋の邪魔をしてしまうかもしれません♪
ウエストや太ももに「MONSIEUR(ムッシュー)」を添えれば、素敵な“ダンディズム”が手に入りそうです!
[4]香りの出版社、そして香りの書庫
出典 takashimaya.co.jp/shopping/beauty/fredericmalle/
『Frederic Malle(フレデリック マル)』が“香りの出版社”と言われる理由が呑み込めました。どれも洗練されているのにどこかクラシカル。そしてどの香水も似ていません。
私たちを決して飽きさせることのない、“香りの短編集”のようです。
香りを作り出す出版社でもあり、作品としての短編集、そして絶対収めておきたい書庫でもあります。
どれも文句なくいい香りの『Frederic Malle(フレデリック マル)』とともに、嗅覚の奥行きを広めたいですね。