フランス料理のスパイスとしても有名!タラゴンの効果・効能をご紹介
タラゴンはエストラゴンという呼び名でも知られる、フランス料理によく使われるハーブのひとつです。料理に使用される以前から、ヨーロッパでは薬用ハーブとしても用いられていました。タラゴン精油は筋肉痛や神経痛にも役立つと言われています。
2020年01月30日更新
記事の目次
[1]タラゴンとは?
タラゴンはヨーロッパで古くから用いられてきたハーブです。キク科ヨモギ属の植物で、日本では西洋ヨモギと呼ばれることもあります。
料理用ハーブとしては「エストラゴン」という名前で有名
タラゴンはフランス語の「エストラゴン」という呼び名の方が有名です。
フランス料理によく使われるハーブのひとつで、タラゴンビネガーやエスカルゴ料理、卵料理や肉料理、魚料理など、さまざまなレシピに登場します。
甘い芳香とほろ苦いスパイシーな味が特徴で、フランス以外にもヨーロッパ中で料理に使用されています。
タラゴンにはフランス産のフレンチタラゴンとロシア産のロシアンタラゴンの2種類がありますが、ハーブや精油として使われるのはフレンチタラゴンが主流です。
タラゴンの花言葉
タラゴンの花言葉は「潔癖」です。タラゴンという名前は「小さなドラゴン」を意味する言葉が語源であるとされていますが、由来については、毒ヘビに噛まれたときの治療薬として使われたという説や、根の部分がとぐろを巻いている蛇に似ているからなど諸説あります。
タラゴンがハーブとして料理に使われるようになったのは中世以降ですが、薬用としては古代から使用されていたと考えられています。
古代ギリシアでは、ヘビや狂犬に噛まれたときの解毒剤として使われていたという記録が残っています。
また、タラゴンが属するヨモギ属の属名“Artemisia”はギリシア神話に登場する女神アルテミスに由来します。アルテミスは月の女神ですが、多産をもたらす妊婦の守護神でもあります。
タラゴンなどのヨモギ属の植物は生殖器に優れた効果をもたらすと考えられていたため、アルテミスにちなんだ名前がつけられたのではないかと考えられています。
[2]料理用ハーブとしての使い方
タラゴンの繊細な風味は、肉や魚の臭みを和らげ、乳製品の脂肪分をあっさりと感じさせる効果があります。
フレンチに欠かせないハーブであるタラゴンは、バターやオイルとの相性が抜群です。
ビタミンやミネラルが豊富に含まれていて、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、ナイアシン、葉酸、カルシウム、マグネシウム、リン、カリウムなどを摂取することができます。栄養たっぷりのタラゴンを使用した料理の調理例を紹介します。
肉料理
タラゴンの使用例としてポピュラーなのが肉料理です。フレンチタラゴンを刻み、バターと混ぜ合わせたハーブバターで肉を焼きましょう。
香ばしい香りと少しスパイシーな味わいが肉の旨味を引き立てます。肉は牛肉のステーキはもちろん、豚肉や鶏肉にもよく合います。
魚料理
タラゴンをハーブに混ぜたハーブバターは、肉料理だけでなく魚料理にも使うことができます。
鮭や鱈のムニエルにハーブバターを使うと、本場イタリアの味わいを再現することができます。
もう少しさっぱりとした味にしたい人は、バターではなくタラゴンをオリーブオイルに浸け込んだハーブオイルをおすすめします。
卵料理
タラゴン入りのオムレツは、フランスでもよく登場する卵料理です。
刻んだタラゴンを混ぜるだけで美味しいタラゴン入りオムレツを作ることができます。臭みが抑えられ、淡泊な卵の味がぐっと引き立ちます。
肉や魚、卵料理の他にも、刻んだタラゴンをタルタルソースやドレッシング、普段使っているマヨネーズなどの調味料に混ぜても、いつもと違う味わいを楽しむことができるでしょう。
ドレッシングは、刻んだタラゴンをオリーブオイルとレモン汁にあわせて、塩や胡椒で味を調えることで作ることができます。さっぱりとした味わいのサラダができます。
[3]タラゴン精油(エッセンシャルオイル)の効果・効能
タラゴン精油の主成分はカビコールメチルエーテル、チャビコールメチルエーテルのエストラゴールと言われる芳香成分を含んだフェノールエーテル類です。エストラゴールは甘い香りの元でもあります。
エストラゴールは発癌性が報告されているため、使用には注意が必要である一方で、有用性も認められています。使用量に注意しながら、タラゴンの効果を実感しましょう。
強壮作用や抗ストレス作用が期待できる
エストラゴールは抗ストレス作用や強壮作用などが期待されています。タラゴンの香り自体も甘くスパイシーなので、無気力感や倦怠感にも効果があるでしょう。
また、タラゴンの香りには自律神経を整える働きがあるとも言われているため、ストレスで疲れてしまった心のケアに役立ちます。
また、古くは睡眠導入にも用いられていた記録もあるため、不眠対策にも効果的です。
ただし、タラゴンに含まれるフェノール類には覚醒作用があるとも言われているので、効果には個人差があるでしょう。
食欲不振や消化不良などに有効
タラゴンは、消化促進効果も期待できます。タラゴンの主成分であるエストラゴールには食欲を刺激する効果があり、消化を助け、胃を強くする働きがあると言われています。胃の不調を感じるときや、食欲が湧かないときに効果的です。
また、エストラゴールには筋肉の緊張を和らげ、血行を促進し、冷え性や肩こりなどの緩和、疲労回復などに効果があると考えられています。
タラゴンの精油をアロママッサージに使うことで、一日の疲れを癒やすことができるでしょう。
ただし、皮膚に対しての刺激性もあるため、使用前には必ずパッチテストを行い、使用量に注意する必要があります。
風邪の予防や花粉症の軽減に
タラゴンに含まれるオイゲノールという成分には抗菌・抗真菌・抗ウィルス作用があると言われているため、風邪やインフルエンザなどの感染症に効果があると考えられます。
発がん性などの毒性が指摘されているため、使用量には気をつける必要がありますが、感染症が流行する時期にディフューザーで部屋の空気を浄化すると良いでしょう。
女性の身体のサポートに
タラゴンは女性特有の身体の不調にも効果があると考えられています。
月経促進作用、無月経・生理不順などに働きかけることに加え、エストラゴールの筋肉の緊張を和らげる働きや血流を整える働きが生理痛を和らげます。
ただし、神経毒性やホルモン様作用があるため、妊婦や幼児、てんかんの方は使用できません。
[4]おすすめのタラゴン精油とブレンド
おすすめのタラゴン精油とブレンドを紹介します。
タラゴン ( エストラゴン ) 100% ピュア エッセンシャル オイル
穏やかなハーブの香りの精油です。発がん性や刺激性に注意して使用しましょう。
<タラゴンのブレンド例>
タラゴンは柑橘系やスパイス系の香りと相性が良いです。ハーブ系やウッディー系の香りと組み合わせても良いですが、タラゴンは香りや刺激が強いので分量には注意が必要です。
気持ちを明るくしたいときは、ライム、マンダリン、アニスシード。花粉症を軽減するブレンドには、ペパーミント、パイン、サイプレス。
生理痛の緩和にはラベンダー、クラリセージ、シナモンリーフなどのブレンドがおすすめです。
[5]タラゴンのアロマ効果で心身をリラックスしよう
タラゴンはヨーロッパで古くから使用されてきたハーブです。危険性に留意する必要はありますが、時代を超えて世界中で愛されるタラゴンを、ぜひ日々の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
☆アロマセラピスト菊池より一言☆
アロマではあまり馴染みがない精油かもしれませんが、甘草やアニスをイメージさせる清涼感あるスパイシーな香りです。タラゴン精油は鎮痙攣や鎮痛効果に優れ痙攣からくる痛み、例えば胃痙攣や生理痛など痙攣を伴うトラブルにとても役立ちます。
禁忌がある精油なので、長期・高濃度の使用は控え、不安な方は専門家に相談して使用しましょう。
※アロマオイル(精油/エッセンシャルオイル)を使う際の注意点
アロマオイルは医薬品ではないため、「治療」できるものではありません。ここに掲載されている内容は精油の効果効能、心身の不調改善を保証するものではありません。予めご了承ください。症状がひどい場合は医療機関を受診することをおすすめいたします。実際にアロマの香りに癒されるという方はたくさんいます。自分の体の状態や気分に合わせて上手に取り入れてくださいね。