香水マニアmillyが選ぶ“2019年ベスト香水♡”
さまざまな新作が登場した2019年。きっとみなさんも素敵な香りとの出会いがたくさんあったことでしょう。数ある香水の中から、個人的に「これは!」と思ったものを5つピックアップしました。ランキング形式でご紹介いたします。
2020年01月20日更新
記事の目次
[1]No.5
BARREL(バレル)/Min New York(ミンニューヨーク)
「NOSE SHOP」が期間限定で六本木ヒルズに出店した際、日本初上陸のブランドの中から選んだ香り。
この時、前情報からは『NASOMATTO(ナーゾマット)』というブランドが気になっていたのですが…結局即買いしたのは、「BARREL(バレル)」でした。
どんな香りかをひと言で表現すると“スコッチウイスキーっぽい香り”です。これにはかなり衝撃を受けました!
ウイスキーっぽい香りは多々あれど、こちらは特に“ピートが効いているウイスキーの香り”がするからです。
“ピート”というのは、正露丸ような薬品香、燻製のようなスモーキーさ、それらが混じり合った複雑な香りです。
全体的にずっとアンニュイなスモーキーさが続くのですが、ラストノートに近づくにつれ、ウッディーさとほんの少しの甘さが漂います。
私はウイスキーが大好きなので、これはストライク!な香りでした。
トップノート:アブサン、コリアンダー、ピンクペッパーコーン
ハートノート:ラム、ミルラ、オレンジブロッサム
ベースノート:オークバレル、レザー、バニラ、パチョリ、ベチバー
とにかく衝撃すぎて記憶に残る1本です。…がしかし、ウイスキーっぽすぎるためか、何となく昼間につけるのをややためらい、出番が少な目なためNo.5にいたしました。
[2]No.4
BOIS D’ARMÉNIE(ボワ ダルメニ)/GUERLAIN(ゲラン)
昨年の「サロン ド パルファン」で出会った香り(この香り自体は前からありますが、私が初めて出会ったという意味です)。
それは、『ゲラン』のブースで「ラール エ ラ マティエール ドロップ」を左端から全て試していたときのこと。一つのボトルがものすごく気になりました。
今までになくスパイシーでスモーキー。温かみのある香りに、思わずうっとりと目を閉じたくなりました。
一筋縄ではいかないどこか謎めいているこの香りに、すっかり魅了されてしまったのです。さすがゲラン!と感動した香りでもあり、印象深いです。
トップ:フランキンセンス、アイリス、ピンクペッパー
ハート:ガイヤックウッド、ベンゾイン、コリアンダー
ベース:コパフバーム、パチュリ、ホワイトムスク
こちらは、冬の晴れた日につけたい香りです。この香りを身に纏うとふわっと心が暖かくなり、まるでそれは焚き木の周りで暖をとるかのよう。すごく好きな香りです。
惜しくもNo.4とはなりましたが、衝撃のトップスリーがなければ、ランクインしていたことでしょう。
[3]No.3
JASMINE JASMINE(ジャスミンジャスミン)/R fragrance(アールフレグランス)
こちらは、2019年6月にリリースされた香り。既にサンプルをいただいた時から心掴まれていて、発売を待ち望んでいた香りでもあります。
ハッとするほど美しく香り高いジャスミンの香り。それは、ジャスミンのブーケにそっと顔を近づけた時のような、生花の香りそのもの。
思わず目を閉じて、うっとりとその香りに浸りたい衝動に駆られます。
“美しい大人の女性”を思わせる香りで、纏っていると自分もそうなれる、そんな気持ちになる香りでもあります。
そしてそれは、清らかな美しさというよりは、艶めかしい美しさ、官能的な美しさ…というほうが相応しいでしょう。
トップ:ジャスミン
ハート:ジャスミン
ベース:ジャスミン
私はこれまであまりフローラル系の香りは好みではなかったのですが、このジャスミンジャスミンに出会い、私の中のフローラルの扉が開きました。
フローラルへの目覚め、という絶大なるインパクトがありましたので、今年のNo.3にいれたいと思います。
[4]No.2
TWILIGHT ROMANCE(トワイライト ロマンス)/OBALI(トバリ)
『TOBALI(トバリ)』の「TWILIGHT ROMANCE(トワイライト ロマンス)」は、秋の半ばに夜道を歩いている時にふと出会う…あの金木犀の感じに似ています。
その名の如く夕暮れ時の切ないロマンスを思い出すようなフレグランス。懐かしくて、そして胸がキュッとなるような切ない香り。
私は忘れられない過去の美しい恋のワンシーンを思い出しました。
幸運にも、「サロン ド パルファン」にて、『TOBALI(トバリ)』のブランドディレクターである奈良氏より、この香りの背景についてご説明いただくことができました。
この香りは六歌仙の小野小町をイメージした香りであること。
“雅に秘める悲哀”
絶世の美女と言われ、情熱的な歌風が多い小野小町。恋多き女性でありながら生涯独身を貫いたとされています。そんな彼女の生涯から感じる悲哀、そこをテーマにしたのだそうです。
そんな背景を伺ったあとに纏う「TWILIGHT ROMANCE(トワイライト ロマンス)」は、より特別感のある…愛おしい香りに思えました。
香りの背景への理解が深まるとその香りへの愛着が増すものですから…。
トップ : ベルガモット、サフラン、カルダモン、セージ
ミドル : オスマンサス、ピンクローズ、アップル、バイオレット
ラスト : サンダルウッド、ムスク、アンブレットシード
ベース : Hidden Japonism 834
その香りの美しさもさることながら、ブランドディレクターの奈良氏に直接香りについての背景をご説明いただけた、という点がとても私の中でインパクトが大きく、堂々のNo.2にランクイン!です。
[5]No.1
Eau de Minthe(オードミンテ)/diptyque(ディプティック)
お待たせいたしました!「香水マニアmillyが選ぶ2019ベスト香水」。栄えあるNo.1は、「Eau De Minthe(オードミンテ)」です。
まずこの「Eau De Minthe(オードミンテ)」自体が爽やかでつけやすいという上に、さまざまな香りとのレイヤードがしやすく汎用性が高い!というところに注目し、No.1に選びました。
「Eau de Minthe(オードミンテ)」は、つけたてはミントのフレッシュ感が瞬時にぱっと広がりますが、時間が経過するにつれ、ふんわりとした甘さが顔を出します。
いい意味でまろやかにまとまる感じ。とても爽やかで清潔感ある香りなので、私は冬よりも夏にかなり活用しておりました。
さきほどレイヤードがしやすい!とお伝えしましたが、どんなレイヤードがオススメか?も記しておきます。
「Eau de Minthe(オードミンテ)」と「Eau rose(オーローズ)」
時間が経過したあとのふんわりした甘さと「Eau rose(オーローズ)」の透明感のあるバラの感じがなんとも言えずぴったりです。
「Eau de Minthe(オードミンテ)」と「L’EAU des Hesperides(ロー デ ゼスペリード)」
ミントやハーブ、レモンを絶妙に感じられてこの上なく清々しい香りになります。ミンテに柑橘がプラスされることでよりフレッシュで爽やかになるのだと思います。
「Eau de Minthe(オードミンテ)」と「Doson(ドソン)」
「Doson(ドソン)」のチュベローズやジャスミンが、「Eau de Minthe(オードミンテ)」の中に潜むフローラル感といい感じに融合して、女性らしさを引き出してくれます。
[6]2019年振り返りと2020年に向けて・・・
私は、香りと…それを選ぶ自分の心情は深いところでリンクしていると思います。
2019年は、私にとって新たな香りとの出会いが多かったと共に、今まであまり開拓しようとしなかったフローラルにも手が伸びた年でした。
それはきっと、前向きに香りに対して…いえ、いろんなことに対して積極的な姿勢があったからこそ…な気がします。
2020年も果敢に自分から新しい情報を掴み、感じ取り、進んでいけたら…と思います。そして、その中で自分が本当に欲しいものを入手し、大切にしていけたらいいなと感じました。
みなさんも、ご自分の中で“2019ベスト香水!”を考えてみるのも良いかもしれません。2019年の自分がどんなことを考え、何を欲していたのかが、見えてくるはずですので…。
それを踏まえ、2020年、どうしていきたいか、この1月に構想をたててみると楽しいでしょう。