香りブロガーが選んだ“2019年 私のベスト香水TOP4”
みなさんは、香水を選ぶ時どんな点を重視しますか?また、香水が欲しい!と思うタイミングはどんな時でしょうか?私は香りブログもやっていて、新作香水が出たり新しいブランドが日本上陸したりする際に試香する機会が多いのですが、今回は、そんな私が2019年に「欲しい!」と思って迎え入れた、マイベスト香水4つをご紹介したいと思います♪
2020年01月14日更新
記事の目次
[1]2019年に迎えたフレグランス
趣味で11年ほど続けている香りブログ。
香水に限らず、アロマやお茶、入浴剤、コスメなどの香りもの全般と、時には趣味の話(旅行やキャンドル作り、芸術鑑賞など)まで幅広く書いている自由なブログです。
香りは大好きなのですが、香水はコレクションするよりも創る方に興味があって、調香の勉強をしたり、香水のコンテストに応募したり、ライブで香りの演出をしたり、香水のことを教える側の立場になったり・・・といった形で、この11年、香り活動の歩みを進めてきました。
そんなわけで、香りの話を書いているわりにはあまり香水を持ってはいない方だと思いますが、そんな私が、2019年に「欲しい!」と思って購入したフレグランスは8つ。
そのうち特に気に入った香り、使い勝手が良かった香り、印象に残った香りを、4つセレクトして購入した順にご紹介します!
[2]マイベスト香水①
ドリス ヴァン ノッテン/フレデリック マル
2019年の年明け最初にお迎えしたフレグランスは『フレデリック マル』の香水です。
『フレデリック マル』はかつて国内でも取り扱いがあったのですが、一時撤退し、エスティ ローダーグループの傘下に入った後の2018年秋に本格的な日本再上陸を果たしました。
10年以上も前からずっと着目していたブランドではあったのですが、ちゃんとお迎えした香りはまだなし。
そんな中、日本再上陸で最初のショップが入った東京・日本橋三越店にて、2019年1月に香りの無料カウンセリング会があることを知り、参加しました。
カウンセリングは1時間ほど。好みの香りやどういったシーンでつけたいか、などをヒアリングされ、3つほどおすすめの香りを提案されました。
さすがプロが選ぶだけあって、3つとも私の好みの香りばかりだったのですが、なかでも一番気になって「つけてみたい!」と感じたのが「ドリス ヴァン ノッテン」という香りでした。
これは、ベルギーのデザイナー、ドリス ヴァン ノッテン氏のイメージを香りにした作品という、珍しいもの。
普通、ブランドに頼まれて香りを創ることはあっても、ブランドやそのデザイナー自身をイメージした香りというのはあまりない気がします。
あいにく私は、香水は好きだけどファッションには疎くて、最初聞いた時それがすぐに洋服のブランドとは気づけなかったのですが、ドリス ヴァン ノッテンのデザインは斬新で異国情緒や遊び心がある着心地が良い服が多いらしく、それが反映されてか、この香りもとてもユニークな香り立ちがしました。
ムエットで最初に香ったトップから、正体は分からないけどなんだか気になる複雑さがあり、でもホッとなごむような柔らかさと温もりがあって、ケーキやビスケットみたいな美味しそうな甘さも漂いました。
なんでも、ベルギーのシナモンビスケットのイメージも香りに取り入れているんだとか。まさにそんなところが、遊び心があって面白い!とワクワクしました。
途中、レザーっぽい香りもしますが、その正体はサフランだったようです。このサフランが効果的なアクセントとなって、いたずら心のある大人の茶目っ気も感じられます。
後半にはコンデンスミルクのような香りも顔を出すのですが、これがまたしつこさがない甘さで気に入りました。
ベースには、サンダルウッドが滑らかに香るのも印象的ですが、このサンダルウッド香料は、香料会社がサンダルウッドの名産地であるマイソールに植林して育てたものから採取しているのだとか。
そんな貴重な香料を使って創り上げられた作品は、ファッションブランドの持つ素材を大事にする姿勢やこだわりにも通ずるものがあるなと思いました。
香水は、お試しということで携帯アトマイザーとセットにできる10mlサイズをチョイス。フレデリック マルのブランドカラーともいえる朱色が映えて、持っているだけで気分も上がります♪
イメージとしては、東洋と西洋のはざま・・・トルコのようなエキゾチック魅惑的な町並みが頭に浮かぶ魅惑の香り。
これを真冬に纏い、コートを脱ぐと、ふわっと自分の体温とともに柔らかく滑らかな優しい香りが立つのが好きです。
[3]マイベスト香水②
ルーピン&パチョリ/ジョー マローン ロンドン
次にご紹介するのは、以前FELICEでも記事にした『ジョー マローン』の春の限定コレクション「ワイルドフラワー&ウィーズ」にあった「ルーピン&パチョリ」です。
>>JO MALONE LONDON 春の限定フレグランス「ワイルドフラワー&ウィーズ コレクション」登場!
上記で「ワイルドフラワー&ウィーズ コレクション」について記事にしましたので、詳しくはそちらをご覧いただきたいのですが、この時、私はどちらかというと別の香り「カデ&シダーウッド」の方が気に入っていました。
しかし、実際に外出や仕事の際にこの春夏、よくつけていたのは「ルーピン&パチョリ」の方でした。
この香りは、手持ちのほかの『ジョー マローン』の香水と重ねづけをするとガラリと印象を変えてくれるという利点があるのと、単品でもつけていて気持ちが明るくなるし周りにも評判がいい、という点が優れている香りだと思いました。
手に入れるにはかなり苦労もしましたが(ここも、詳しくは以前の記事をご覧くださいね)、その分、愛着も湧きましたし、発売当初はちょっとマニアックな香りに感じていてここまで使い勝手がよいとは思っていなかったので、GETできて良かった!と心から思える一品になりました♪
春先につけていた時には、私の肌ではあまりローズが香り立たずシプレ調の渋い香りになっていたのですが、夏につけていたらローズが生き生きと香りたち、鮮やかなフローラル調の香りになって素敵でした。
やはり、同じ香りでもつけるシーズンによって香り方が違うんだなぁということも実感できた香りです。
[4]マイベスト香水③
レゾー ドゥ シャネル パリ ヴェニス/シャネル
「ドリス ヴァン ノッテン」も「ルーピン&パチョリ」も好きなのですが、秋の独特の雰囲気にはどちらも甘すぎに思えたり、主張が強く感じたり…
空気が乾燥してきて、少しずつ温度が落ち始めるあの切ないような空気感に合う香りが欲しいなということで、昨年秋に狙っていた香りが『シャネル』の「レゾー ドゥ シャネル パリ ヴェニス」でした。
「レゾー ドゥ シャネル」についても、2018年の夏にイベントに参加しています。
このイベントは少人数制で、2人1組になってブラインドで香りを試したり、イラストから香りのイメージを辿ったり、香水のもととなっている素材や香料自体の香りを試したりと、五感で香りを楽しめてとても面白いイベントでした。
「レゾー ドゥ シャネル」のシリーズには3種類の香りがあり、いずれもシャネルとゆかりのある土地の名前がついていて、どのフレグランスにもシチリアやカラブリアのシトラスの香りが使われているのが特徴です。
そのうち、「パリ ヴェニス」は一番優しくてロマンティックな甘さのある香り。
ネロリの爽やかなフローラルを中心にバニラが香りますが、そのバニラもあまり主張することなく、ふわふわと周りを取り囲むように宙に浮いているような印象。
とがった部分が一切なく、明るさと穏やかさを併せ持った香りで、つけていると自分まで気持ちがほぐれるような、優しい女性になれそうな、そんな香りです。
イベントの時にすぐ気に入って「欲しいなぁ」と思っていたのですが、100mlサイズを使いきれる自信がなく、ちょっと手を出しそびれていました。
それがその後、うれしいことに50mlサイズが発売されたので、2019年の秋にそちらを購入。秋の間はずっとこの「パリ ヴェニス」をつけて、ヨーロッパのロマンティックな秋を旅しているような気分に浸っていました。
ただ、香りの持続が短いのが少し難点でしょうか。
また、あまり香り立ちも強くないので、本当にふわっといい香りを自分だけで楽しみたいというような時に向いている香りだと思います。
ボトルの美しさも、さすがは『シャネル』!といったところです。
[5]マイベスト香水④
サムサラ(パルファン)/ゲラン
最後にご紹介するのは、2019年後半にして最大の出会いとなったフレグランス。
老舗フレグランスメゾン『ゲラン』の「サムサラ」です。
こちらも「イセタン サロン ド パルファン」のイベントレポート記事に書いているので、詳細は下記記事をご覧くださいね。
>>「イセタン サロン ド パルファン 2019」体験レポート『GUERLAIN(ゲラン)』
イベントではコンサルティングを受けてからの購入となりましたが、自分でもビックリするほど、この時は「サムサラ」の香りに惹かれてしまいました。
しかもオードトワレやオードパルファンではなく、正式な「パルファン」ときちんと向き合って購入したのは人生初でした。
コンサルティングでは最初、名前を知らされずにブラインドで香りを試したのですが、包み込まれるようなぬくもりと優しさの中に、凛と一本筋の通った美しさ、品格がある、上質な香りだなと感動したことを覚えています。
「サムサラ」にもサンダルウッドが含まれているのですが、特にパルファン濃度のものには30%ものサンダルウッド香料が使われているそうで、だからこそ品のある滑らかさ、上品さが香りにも表れていたんだなと思いました。
購入してから3カ月近く経ちますが、いまだに私は「サムサラの似合う女」にはなれていません(笑)。
けれど、この香りが手元にあるだけで、ひとしずくこの香りを手首につけるだけで、少しランクアップした自分に出会えるようなワクワクした気持ちになれるし、この香りが似合うくらい素敵な女性になれるように頑張ろう!と背中を押してくれる香りでもあるので、これは思い切って購入して良かったと心から思っています。
2020年こそ「サムサラの似合う大人の女性」になれるよう、精進したいと思います!
[6]2019年に迎えたフレグランスの特徴
こうして改めて2019年に手にとったフレグランスを振り返ってみると、いずれも「優しい」「温かみがある」「穏やか」「明るい」というキーワードが挙げられます。
香調としても、メンズ香水のような力強さではなく、フローラルがベースにあるパウダリックな甘さを持つ香りを好んだ時期だったようです。
数年前まで、私はウッディ系や、パチュリやベチバーがメインのスモーキーな香り、スパイシーで個性的な香りが大好きだったのですが、年齢を重ねていくうちに少しずつ、また女性らしさの残る香りに惹かれ始めているのかもしれません。
香水は時代を反映するものだと思いますが、その年の流行ばかりを追いかけるのではなく、自分の心やその時の環境、思いというものも見つめた上で、時には懐事情に目をつぶっても、その時の自分に似合う香り選びができるのがベストかなと思います。
2020年には一体どんな香りと出会い、自分がどんな香りに惹かれるのか・・・
新しい年を迎えて、今からワクワクしています♪