フレッシュな樹木の香り!ヒバ精油(エッセンシャルオイル)の効果・効能をご紹介
ヒバは日本で古くから馴染みのある樹木のひとつです。香料としてだけでなく、木材としても有名で、特に青森県産の青森ヒバは日本三大美林のひとつとしても知られています。今回は香料としてのヒバ精油に注目し、その特徴や効果・効能について紹介します。
2019年12月16日更新
記事の目次
[1]ヒバとは?
ヒバはヒノキ科アスナロ属に分類される針葉樹で、図鑑などでは「アスナロ(翌檜)」という名前が主に使われています。
「明日はヒノキになろう」がアスナロの語源という俗説がある通り、外見はヒノキによく似ていますが、ヒノキよりはやや小柄です。
古くから日本国内で親しまれてきた樹木であるため、アスナロという名前の他にも、アスヒ(明日檜)・ツガルヒノキ・クサマキなど地域によって異なる名前で呼ばれています。
ヒノキアスナロとも呼ばれるヒノキ科の樹木
ヒバは九州から北海道南部まで広く分布していますが、北方型と南方型の二種類に分けられます。
南方型は主に木曽地方に分布しており、ヒノキ・サワラ・コウヤマキ・ネズコと共に「木曽五木(きそごぼく)」にも数えられています。
一方北方型は青森県を中心に分布しています。この北方型はアスナロ属の一変種としてヒノキアスナロとも呼ばれています。
このことから、南方型を主にアスナロと呼び、北方型をヒバ、またはヒノキアスナロと呼び分けることもあります。
特に有名な「青森ヒバ」
青森県内で産出される青森ヒバは長い歴史を持つ木材です。木材としての優美さはヒノキにやや劣るものの、青森ヒバは大曽ヒノキ・秋田スギと並んで日本三大美林とされています。
ヒバは陰樹で、ほんの少しの日光でも300年以上生きる生命力を持っています。
青森ヒバは雪の多い地方でなければ育たないと言われており、北国の冬の厳しい風雪に耐えながら長い年月をかけて成長します。
ゆっくりと年輪を重ねるため、木目も細やかで美しい木材になるのが特徴です。
木材としてのヒバ
ヒバは見た目だけでなく、機能的にも非常に優秀です。やや柔軟な木材で、加工しやすく表面仕上げも良好です。
ヒノキやイチョウと比べて水に強く、腐敗しにくいと言われています。
実際に、800年前の大津波で埋もれ木となった「ヒバの埋没林」は、表面の2センチを除いて腐朽しておらず、それ以外のほとんどの部分は製材品として使えるほどでした。
また、シロアリを寄せ付けない木材としても知られています。耐久性や抗菌性にも優れており、東北ではヒバを使った建造物が多く残っています。
900年以上前に建てられたとされる中尊寺金色堂も全体の9割以上が青森ヒバで作られているそうです。
[2]ヒバに含まれる抗菌成分「ヒノキチオール」
ヒバには「ヒノキチオール」という成分が含まれています。ヒノキチオールは毒性が低く、幅広い殺菌作用を持つ成分です。
名前にヒノキと入っていますが、これはヒノキから発見された成分ということで名づけられたもので、ヒノキ自体にはほとんど含まれていません。
青森ひば油に多く含まれる
ヒノキチオールは、特に青森ひば油の中に多く含まれています。低濃度でも多くの雑菌類やカビ類、ダニの増殖を抑える力があると言われています。
ヒノキチオールの高い殺菌性から、青森ひば精油は化粧品や医薬品などにも配合されており、近年は加工食品にも取り入れられています。
防虫剤にも使える
青森ヒバはシロアリをはじめとする害虫が寄り付かないことで知られていますが、それもヒノキチオールによる効果であると言われています。
シロアリのほかにも、ゴキブリや蚊避けにも効果があります。
[3]ヒバ精油(エッセンシャルオイル)の効果・効能
アロマテラピーでヒバ精油(エッセンシャルオイル)を使用するときに得られる効果・効能を紹介します。
心を落ち着かせる
ヒバ油はフレッシュな樹木の香りです。心を落ち着かせる作用があり、深い森の中で森林浴をしているような気分を味わうことができます。
ストレスを和らげる効果もあるため、ストレスや神経の興奮によって引き起こされる不眠の軽減にも有効です。不安を解消したいときや、イライラを抑えたいときに使うと効果的です。
冷え性やむくみを改善
ヒバ精油には血行促進効果や鬱滞除去作用があるため、冷え性やむくみ、こりの解消にも役立ちます。
特にバスオイルとしての使用がおすすめで、身体を温めてくれるだけでなく、お湯の殺菌も期待できます。
また、ヒノキチオールの高い殺菌作用によって肌を清潔に保つことができ、保湿効果もあるため、ヒバ油はスキンケアにも効果的です。
ニキビケアや頭皮のかゆみ、べたつきの改善にも役立ちます。その他に、アトピー性皮膚炎の悪化の原因となる菌類の繁殖を抑制することも可能です。
ただしヒバ精油には皮膚刺激性があるため、スキンケアに使用する際は必ずパッチテストを行い、使用濃度に注意する必要があります。
また、黄色ブドウ球菌やインフルエンザウィルスの増殖を抑制する効果や、クラミジア・トラコマチスに対する抗菌活性なども報告されています。
[4]おすすめの精油(エッセンシャルオイル)とブレンド
おすすめのヒバ精油とその使い方、より効果を発揮するおすすめのブレンドについて紹介します。
青森県産 精油 天然ひば油
青森県産のヒバ油で、大容量でたっぷり使用することができます。バスオイルやスキンケアに使用するだけでなく、ハウスキーピングとして部屋の空気や水回りを殺菌して清潔に保つために使用することもできます。
エッセンシャルスプレーを作り、スニーカーやカーペットなど、なかなか洗うことはできないけれど菌の繁殖やニオイの気になるところに吹きかけるのがおすすめです。タバコやアンモニアのニオイを消すのにも役立ちます。
また、肌に直接吹きかけることもできるので、脇や足などに吹きかけてデオドラントスプレーとして使うことも可能です。加齢臭を抑えるのにも効果的です。
また、ヒバ油には防虫効果もあるため、蚊やゴキブリ除けとして使うこともできます。
特にゴキブリについては忌避率100%という報告もあり、高い昆虫忌避作用が期待できます。
ゴキブリが出没しやすい台所やタンスの隅、押し入れの中などにヒバ油を染み込ませたコットンを置いたり、こまめにスプレーを吹きかけてみましょう。
昆虫だけでなく、ダニやノミなどの害虫にも効果的なので、靴箱やクローゼットに入れて虫除けにするのもおすすめです。
おすすめのブレンド
ヒバ精油はウッド系の香りなので、同じ樹木系の香りや、ハーブ系、スパイス系の香りと相性が良く、ブレンドしやすいです。より高い効果を期待できる組み合わせを効果別にご紹介します。
・ストレスケア用:シダーウッド、ローレル、セージなど
・安眠サポート:ラベンダー、イランイラン、ロザリーナなど、
・抗菌・消臭剤:レモン、サイプレス、クローブなど
・虫除け・防虫剤:バジル、ベチバー、シルバーファーなど
[5]さまざまな用途で使えるヒバ精油を生活に取り入れよう
ヒバ精油は、心を落ち着かせたり、肌を健康的に保つだけでなく、消臭や防虫、殺菌などハウスキーピングにも役立ちます。ペットや小さなお子さんがいて防虫剤や殺虫剤を使うのは抵抗があるという家庭に特におすすめです。
生ごみ入れや排水溝の防臭にも役立つので、ヒバ精油を一本持っておくとさまざまなことに応用できます。日本で長年親しまれてきたヒバの持つ力をぜひご家庭でも活用してみてください。
☆アロマセラピスト菊池より一言☆
アロマテラピーは皆様の生活の中でとても身近になってきましたが、近年注目されている和精油。その和精油のひとつにヒバがあります。
虫除けや消臭、スキンケアなど幅広く活用できるヒバ精油。
ヒノキと似ていて女性だけではなく男性にも好まれているヒバ精油は日頃無意識に頑張っている心を解放してくれておもわず深呼吸したくなる、そんな香りです。
ヒバ精油にユズや月桃などの和精油をブレンドしたスプレーは温もりのある空間を作ってくれるでしょう。また、ヒバの天然チップをネットに入れて玄関に置けば消臭効果がありますし、クローゼットで使用すれば防虫効果があるのでこちらもおすすめですよ♪
※アロマオイル(精油/エッセンシャルオイル)を使う際の注意点
アロマオイルは医薬品ではないため、「治療」できるものではありません。ここに掲載されている内容は精油の効果効能、心身の不調改善を保証するものではありません。予めご了承ください。症状がひどい場合は医療機関を受診することをおすすめいたします。実際にアロマの香りに癒されるという方はたくさんいます。自分の体の状態や気分に合わせて上手に取り入れてくださいね。