女性特有の悩みにも効果的!ガルバナム精油の効果・効能をご紹介
ガルバナムは古代エジプトの医学書にも名前が登場する、長い歴史を持つ香料のひとつです。当時はミイラを作るための防腐剤や、化粧品として使われていましたが、現代では香水の原料として利用されています。今回は、ガルバナムの香りの特徴や、その効果・効能について紹介します。
2019年10月01日更新
記事の目次
[1]ガルバナムとは?
ガルバナムはセリ科のオオウイキョウ属の多年草です。以前は、古い茎の自然な割れ目から汁液が滲み出たものを精油にしていましたが、近年は産業的に香料を採取するために、根茎に切り込みを入れ、そこから出てくるガム樹脂を固めたものから採取されています。
樹脂の採取には1週間から1ヶ月ほどの時間がかかり、1本の植物からは20g程度集めることができます。
別名「楓子香(ふうしこう)」と呼ばれる神秘的な香料
ガルバナムは、日本では「楓子香(ふうしこう)」という名前で知られています。その歴史は非常に古く、紀元前3400年ごろの古代エジプトの医学書『エーベルス・パピルス』にも没薬(ミルラ)や肉桂(シナモン)とともにその名前が記されています。
また、旧約聖書の出エジプト記にも、瞑想や儀式に用いる香料として記述されています。古代から宗教儀礼において重要視されてきたガルバナムは、現代においてもスピリチュアルな香りとして利用する人も多いです。
シャネルやプラダの香水の材料にも使われる
現代では、ガルバナムはアロマだけでなく、香水の原料として利用されています。
シャネルやプラダ、エスティ・ローダーなどの香水にもガルバナムが使われており、オリエンタル系の香水の保留剤に欠かせない香料として知られています。
[2]ガルバナムの香りの特徴
ガルバナムは土や樹木に近い濃厚で刺激的な香りです。ウッド系の香料は森林浴の香りのイメージですが、ガルバナムは森の地面から立ち上る香りに近いです。
スモーキーな土の香り
ガルバナムはバルサミックなニュアンス、グリーンな印象、スモーキーな土の香り、甘くスパイシーな香りが入り混じった複雑な香りです。
ガルバナム単体では好き嫌いがわかれますが、いろいろなニュアンスを持っている分、どの精油ともブレンドしやすいという利点を持っています。
[3]ガルバナム精油(エッセンシャルオイル)の効果・効能
ガルバナム精油の効果・効能について紹介します。
不安やストレス、神経性疲労を緩和
ガルバナム精油の主成分はα-ピネン、β-ピネンです。ピネンは精神の興奮状態を緩和して、気持ちを静めてくれる働きが期待できます。
不安や緊張、ストレスによる神経の疲労の改善や、感情の乱れのコントロールにも役立ちます。
また、ガルバナムは古代から瞑想用の香料としても扱われており、心を落ち着けて自分を見つめ直したいときにも最適です。
軽い催眠作用があるとも言われているので、日中の活動時よりは、夜間のリラックスタイムや就寝時に気持ちをリセットするのに向いています。
喉の不調を改善する
ガルバナムにはδ-3-カレンという鎮咳作用のある成分が含まれています。
その他にも、抗菌作用や免疫向上作用を持つ成分も含まれているので、風邪・咳・喘息・気管支炎などの緩和にも役立ちます。
また、ガルバナムの主成分であるピネン、δ-3-カレンは抗炎症を持っているため、頭痛・筋肉痛・関節炎・リウマチ・神経痛などの改善にも用いられています。
女性ホルモンを整える
ガルバナムには女性ホルモンに似た作用があると考えられており、月経痛や生理不順、PMS(月経前症候群)、更年期障害など、女性ホルモンのバランスの乱れによって引き起こされる不調の緩和にも役立つと言われています。
心を落ち着ける働きと合わせて、イライラや不安など精神面の不調を緩和してくれるでしょう。
その他にも、ガルバナムには皮膚を柔らかくする作用があり、シワや角質化などの肌のエイジングケアにも役立ちます。
抗菌作用もあるので、ニキビや吹き出物の予防やケアにも用いられます。
ただし、ガルバナムには皮膚刺激性のある成分も含まれているため、スキンケアに用いる前にはパッチテストをしっかりと行う必要があります。
[4]おすすめのガルバナム精油とブレンド精油
ガルバナムは単体では好みが分かれる精油ですが、他の精油とブレンドすることによって使いやすくなります。
おすすめの精油とブレンド方法、またおすすめのブレンド精油について紹介します。
ガルバナム精油/生活の木
ガルバナム精油はさまざまなニュアンスを含んだ香りなので、数多くの精油と相性が良いというメリットがあります。
例えば、深い落ち着きを得たいときには、フランキンセンス、ベンゾイン、エレミなどとのブランドがおすすめです。
女性特有の不調にはイランイラン、ジャスミン、ネロリなどと合わせると良いでしょう。
風邪の症状の改善や呼吸器の不調には、メイチャン、シルバーファー、ラベンサラとの組み合わせがおすすめです。
スキンケアには、ローズ、ミルラ、パルマローザと合わせると、エイジングケアへの効果がアップします。
ヤングリヴィングギャザリング
エッセンシャルオイルのブランドであるヤング・リヴィングは、「SEED TO SEAL(種の選定から製品化まで)」をポリシーとして品質にこだわったアイテムを製造、販売しています。
ブランドの名前を冠したブレンド精油「ヤングリヴィングギャザリング」は、ガルバナムをはじめとしてラベンダー、ブラックスプルース、ゼラニウム、フランキンセンス、ハワイアンサンダルウッド、イランイラン、ベチバー、シナモンバーク、ローズを調合し、瞑想や精神統一に役立つ香りを実現しています。
[5]心を落ち着け、前向きにさせてくれるガルバナムの香りを取り入れよう
ガルバナムは古くから人の心を落ち着け、呼吸器を改善してくれる香りとして親しまれてきました。現代でも、ハイブランドの香水に欠かせない重要な香料として用いられています。ブレンドすることによって他の精油の香りにも深みを与えるガルバナム精油を、ぜひ取り入れてみてくださいね。
☆アロマセラピスト菊池より一言☆
何千年もの間、宗教的な薫香として使用されてきたガルバナム。
現在は、保留材として香水の原料で使用される事の多いガルバナムですが、同じ樹脂から得られるミルラと同じように皮膚の炎症やトラブルに有効な精油です。また、イライラなど心を落ち着かせる効果もあるため、女性特有のトラブルであるPMSにも作用しますが、個性的な香りの為、他の精油とブレンドすることをオススメします。他の精油とも相性が良いためブレンドしたオイルマッサージでお肌や心のケアをしてあげましょう!
※アロマオイル(精油/エッセンシャルオイル)を使う際の注意点
アロマオイルは医薬品ではないため、「治療」できるものではありません。ここに掲載されている内容は精油の効果効能、心身の不調改善を保証するものではありません。予めご了承ください。症状がひどい場合は医療機関を受診することをおすすめいたします。実際にアロマの香りに癒されるという方はたくさんいます。自分の体の状態や気分に合わせて上手に取り入れてくださいね。