『LABORATORIO OLFATTIVO(ラボラトリオ オルファティーボ)』2019年秋冬の新作香水
ニッチフレグランスブランド『LABORATORIO OLFATTIVO(ラボラトリオ オルファティーボ)』をご存知ですか?今回『LABORATORIO OLFATTIVO』から発売された、高級ラインの新作フレグランス「マスターズコレクション」が、日本でも2019年秋冬に発売されます!今回はその4種類の香りを調香師と共にご紹介します。
2019年10月15日更新
記事の目次
[1]『LABORATORIO OLFATTIVO(ラボラトリオ オルファティーボ)』ってどんなブランド?
イタリアのニッチフレグランスブランド『LABORATORIO OLFATTIVO(ラボラトリオ オルファティーボ)』は日本語訳で“嗅覚の実験室”を意味しています。
マーケティングやブランド戦略を捨て、誰かからの注文や指示からも完全に解放され、予算に制約を設けず、芸術的な至高の香りを産み出すことのみを、ただひとつのルールとして香りを生み出しています。
若手パフューマー(調香師)らの感性と創造性のみを頼りに産み出される香りはまるでアートの作品のようで、この独自の存在感がおしゃれで感度の高い人々の間で話題になっています。
[2]新作フレグランス4種類の調香師は誰?
『LABORATORIO OLFATTIVO(ラボラトリオ オルファティーボ)』が発売した新作コレクションは「マスターズコレクション」オードパルファム全4種です。
上記の理念に強く感銘を受け、触発された二人の伝説的なマスターパフューマーが、満を持して『LABORATORIO OLFATTIVO(ラボラトリオ オルファティーボ)』から新たなコレクションを生み出しました。
「マスターパフューマー」とは、“真に創造性溢れる名香でフレグランスの歴史に傑出した功績を刻み、なおかつ類まれなる優れた人格を有する偉大な調香師にのみに贈られる称号”です。
マスターパフューマーJean-Claude-Ellena(ジャン・クロード・エレナ)
Jean-Claude-Ellena(ジャン・クロード・エレナ)は2004年よりエルメスの専属調香師を努めており、代表作は「地中海の庭」「ナイルの庭」等があり、エルメス以外にも数々の有名な香りを生み出しました。
現在はエルメスを退職し、昨年からフリーの調香師としてリスタートしています。
マスターパフューマーLucien Ferrero(ルシアン・フェレーロ)
Lucien Ferrero(ルシアン・フェレーロ)は彼自身の名前を施した『Lucien Ferrero Maitre Parfumeur』を立ち上げていますが、60-70年代にはグラースの香料会社で活躍していました。
彼自身はとてもシャイな人で、ブランド側から調香師を明かされずに仕事をしていたことに慣れていて、裏方としての仕事を好んでいたそうです。
[3]「マスターズコレクション」4種類の香り
「マスターズコレクション」の香水瓶は今までのラインと異なりキャップはゴールド、ラベルはブラウンになっていて、見た目から高級感溢れる仕様になっているのが特徴です。
価格帯も既存のラインより少し高めになっています。
Baliflora (バリフローラ)
発売価格:100ml 23,000円(税別)
調香師:Jean-Claude-Ellena(ジャン・クロード・エレナ)
NOTE:
タンジェリン・オレンジブロッサムアブソリュート・フランジパニ・リリー・ゼラニウム・ロータス・ジャスミン・ムスク
テーマはインドネシアのバリ島。フランジパニ(プルメリアの花)の咲く南国ですが、この花は神に捧げられるそうです。
香りはダイレクトにフランジパニを再現したわけではなく、Jean-Claude-Ellena(ジャン・クロード・エレナ)らしいミニマムな調香で、シンプルなフローラルのテイストです。
吹き付けた瞬間、最初にタンジェリンやオレンジの柑橘系が鼻にスっと入ってきて、それは直ぐにフランジパニとリリー、ジャスミンに蓮の花の華やかなフローラルの香りへ変化していきます。アクセントにゼラニウムを香らせながら。
そして最後はムスクが優しく肌に残ります。ひねりのある香りではないですが、シンプルで愛される幅も広い香りです。
私は今年の夏休みにバリ島に旅行に行ってきたので、この香りと景色がふんわり重なりました。
泊まっていたヴィラにはフランジパニの木があり、花の香りがよく漂ってきました。そして池にはロータ(蓮の花)も咲いているのをよく見かけました。
秋冬の寒い時期にニット素材の洋服と合わせて纏ってほしい優しい香りです。
Tuberosis (チュベローシス)
発売価格:100ml 23,000円(税別)
調香師:Jean-Claude-Ellena(ジャン・クロード・エレナ)
NOTE:
カーネーション(インド産)・チュベローズアブソリュート・コリアンダー・スパイス・ムスク
チュベローズは夏から秋にかけて咲く花ですが、最後の1本が冬間近に咲き、その香りが開けたドアから入ってくる・・・という風景を香りにしています。
このチュベローズはただのフローラルでは終わりません。スパイシーさもミックスされた、ひねりのあるチュベローズの香りです。
吹き付けた瞬間はココナッツっぽいコクのある甘さとコリアンダーやスパイスが重なってスタートします。
トップが一番スパイシーで、あれ?私の好きなチュベローズの花の香りじゃない!となりそうですが、香りは次第にチュベローズらしいセクシーな香りへと変化し、肌の上でフローラルとムスクがしっとりと艶やかに香ります。
Tantrico (タントリコ)
発売価格:100ml 23,000円(税別)
調香師:Lucien Ferrero(ルシアン・フェレーロ)
NOTE:
トップ/ジュニパーベリー・ライム・クラリセージ(プロヴァンス産)・グレープフルーツ
ミドル/サイプレス・ティムールペッパー・サンダルウッド
ベース/ホワイトムスク・ファーバルサム・アトラスシダー
ヒンドゥーの密教(正統派ヒンドゥー教とは別種の救済、解脱の道を説く)を意味するタントラがタイトルの由来になっています。
サンダルウッドは神と会話するツールであると考えられており、原産地であるインドでは4000年以上昔から大切にされてきた存在です。
タントリコの香りはまず、グレープフルーツやライムなどのシトラスとジュニパーベリーの酸味やクラリセージのスッとするハーブの香りが押し寄せてきます。
グリーンっぽさも感じつつペッパーも主張してきて微妙にスパイシーです。その後はサイプレスやモミ、シダーウッドと言った針葉樹の香りに合わせてサンダルウッドが強く香ります。
トップからミドルにかけては精油らしいテイストが出ていますが、最後は霧がはれるようになくなりサンダルウッドとシダーウッドを中心としたウッディノートをホワイトムスクが優しく包み込み香り続けます。
この香水はとてもアロマティックで、『LABORATORIO OLFATTIVO(ラボラトリオ オルファティーボ)』に今までになかったテイストで楽しませてくれます。
私にはラストの残り香が東南アジアの雑貨屋さんのような香りに感じました。
Vetyverso (ベチベルソ)
発売価格:100ml 23,000円(税別)
調香師:Lucien Ferrero(ルシアン・フェレーロ)
NOTE:
トップ/カーネーション・ナツメグ・ビターオレンジ
ミドル/ベチバー・ブラックペッパー・ピンクペッパー・グレープフルーツ
ベース/シダー・クラリセージアブソリュート・サンダルウッド・ホワイトムスク
これはベチバーがテーマとなった香りです。ハイチを含むアンティル諸島を旅した際、火山の裾野で栽培されているベチバーを見たそう。その時の情景を香りにしています。
ベチベルソの香りはシトラスとブラックペッパーとベチバーです。
トップで香るビターオレンジが渋みともに酸味を弾けさせますが、グレープフルーツと合わさり割と長く香ります。パッと明るくシトラスが弾けた後は直ぐに鮮やかなベチバーが顔を出します。
ベチバーの香りをブラックペッパーやナツメグのスパイスがアロマティックに盛り立てています。刺激がありつつも心地よい共演が続き、最後はシダーウッドやサンダルウッドなどのスモーキーさを少しだけ含みます。
しかし、ラストまでベチバーの割合が高くダイレクトにベチバーを味わえるかのような感覚があり楽しい香りです。
[4]高級感溢れる香りを楽しんで
「マスターズコレクション」の4種類の香りいかがでしたでしょうか?発売が楽しみですよね!
香りは目に見えないので、実際嗅いでみないと伝わらないところが大きいですが、一流のパフューマーが手掛けるこの4種類の香りをみなさまにぜひ嗅いでいただきたいです。
日本では2019年10月16日に発売予定です。発売日や詳細は取り扱い店『NOSE SHOP(ノーズ ショップ)』にお問い合わせくださいね。
秋冬の寒くなる時期に、どの香りも肌に馴染んでより華やかに香るはずです。お洋服を衣替えするように、香りも変えてみてはいかがですか?