安眠に効果的な香りとは?おすすめのグッズもご紹介
精油は香りで脳に働きかけ、癒やしをもたらすアロマテラピーに用いられます。人の身体は交感神経と副交感神経の二つの自律神経が作用することによって成り立っていますが、香りはリラックス状態である副交感神経を優位にさせ、快適な眠りを得られるよう導きます。今回は香りと眠りのメカニズム、快眠に有効な精油について紹介します。
2019年08月07日更新
記事の目次
[1]香りが安眠に効果的な理由は?
精油の効果・効能を調べていると「安眠効果がある」という文章を目にすることが多く、香りを用いた快眠グッズなども展開されています。
実際、香りはどのようなメカニズムで眠りに作用するのでしょうか。
アロマの香りでリラックスできるメカニズム
精油の芳香成分は、私たちの脳にさまざまな働きかけをします。
まず、芳香成分は鼻の奥にある嗅細胞を刺激し、それが信号となって脳の大脳辺縁という部分まで届きます。そこから視床下部、下垂体にも作用します。
視床下部は、自律神経やホルモンバランスを司る器官なので、この部分に芳香成分が直接働きかけることによって自律神経やホルモンのバランスが整います。
これによって身体をリラックス状態にさせる副交感神経が優位になり、身体の緊張がほぐれ、心が落ち着き、安らかな眠りを得ることができるのです。
アロマスプレーを枕にひと吹きして安眠
睡眠時、枕に精油を直接垂らすだけでも高い効果を得られますが、アロマスプレーを作って常備しておくと、寝具や空気中に噴霧できます。
部屋全体が良い香りになり、除菌にも役立つので一石二鳥です。
また、精油を直接垂らすよりもスプレーにして噴射した方が香りもマイルドになるため、強い香りが苦手な人にもおすすめです。
アロマスプレーは、無水エタノール(10ml)、精製水(40ml)に好みの精油を20滴ほど混ぜて作ります。
最初に無水エタノールに精油を加えると混ざりやすくなります。できあがったものを市販のスプレー容器に移し替え、寝室に常備しておきましょう。
[2]安眠に効果的な精油(エッセンシャルオイル)
精油にはさまざまな種類がありますが、その中でも特に快眠に効果のあるものを紹介します。
1.ラベンダー/生活の木
ラベンダー精油は優れた鎮静効果を持ち、緊張をほぐすことで心と体を入眠に導きます。
神経が高ぶって目が冴えてしまうときや、嫌なことを思い出してなかなか寝つけないときに役立つ香りです。
また、ラベンダーの芳香成分である酢酸リナリルはセロトニンの分泌を高め、ホルモンバランスを整えて体内時計を正常化する働きも期待できます。
不規則な生活が続いているときや、海外旅行で時差ボケになったときにもおすすめです。
2.ベルガモット/生活の木
ベルガモット精油は心をリラックスさせ、さらに抗うつ作用も期待できるため、心因性の不眠や寝付きの悪さを軽減してくれます。
気持ちを明るくしてくれますが、刺激や覚醒作用はないためリラックスタイムに適しています。
また、ベルガモット精油にも酢酸リナリルが多く含まれているため、睡眠に関わるホルモンであるメラトニンの分泌を高め、体内時計の正常化をサポートしてくれます。
3.カモミール・ローマン/生活の木
カモミール・ローマン精油の主成分であるアンゲリカ酸エステルは中枢神経を鎮静させる効果があります。
その高い鎮静作用によって外からの刺激を一時的に遮断し、感覚を麻痺させることによって心のバランスを取り戻すサポートをしてくれます。
ストレスやイライラ、不安な気持ちなどで寝つけないときにカモミール精油の香りは高い効果を発揮します。刺激が少ない精油なので、お子様にも利用できます。
4.ネロリ/生活の木
ネロリ精油には、優れた鎮静作用、抗不安作用をもたらすリナロールが多く含まれており、それについで酢酸リナリル、リモネンといった鎮静作用に優れた成分が含まれています。
天然の精神安定剤とも言われており、感情の高ぶりや精神不安定なときに優れた効果を発揮するため、慢性的なストレスや不安による寝付きの悪さを解消してくれます。
また、ネロリの香りはセロトニンの分泌を促す働きもあり、プレッシャーや緊張で眠れないというときにも効果的です。
5.サンダルウッド/生活の木
サンダルウッド精油は古くから民間療法で使われており、深いリラックス状態へ導く香りとして親しまれてきました。
緊張や不安を和らげ、心を落ち着かせてくれる香りとして、現代においても代替医療品、補完医療品として注目されています。
科学的な解明はまだ進んでいないものの、サンダルウッドが脳の過剰な興奮を静めてくれる香りとして以前から利用されています。
その高い鎮静効果から、良質な睡眠を促すための手段としても有望と言われています。
6.コーヒー/mondaymoon(マンデイムーン)
コーヒーと言えばカフェインによる覚醒効果を思い浮かべる人も多いと思いますが、香りを嗅ぐだけなら睡眠を促す鎮静効果が期待できます。
コーヒーの香りを嗅いだときの脳波には、リラックス状態であることを示すアルファ波が多く出ることがわかっています。
特に睡眠作用を高めるのはグアテマラとブルーマウンテンの豆です。
精油を利用するのも良いですが、コーヒー豆を芳香剤としてベッドルームに置いておくのもおすすめです。
[3]安眠のためのおすすめアロマグッズ
香りの安眠効果を利用したアロマグッズを紹介します。
1.アロマキャンドル ラベンダー/ヴォヤージュ
洗練された最高級の香料を使ったアロマキャンドルです。香りに癒やされるだけでなく、ろうそくの灯りによってリラックスできます。
睡眠前にはパソコンやテレビ、スマホの明るさは安眠の妨げになると言われています。
入眠一時間前からキャンドルの灯りで過ごすことによって、自然と身体が眠る準備を整えてくれます。
また、ろうそくの火の「ゆらぎ」には、人の心を落ち着かせる効果があると言われています。
アロマキャンドルを灯して嗅覚と視覚の両方から鎮静作用を得て、穏やかな眠りを得ましょう。
2.眠りの精 アロマ スプレー/ハーブ工房HCC
枕や寝具にシュッと一吹きするだけで、心地よい空間を作ることができるアロマスプレーです。
安眠作用のあるカモミール・ローマンの香りを中心にフローラルな香りをブレンドした透明感のあるやさしい芳香が特徴のアイテムです。
自分でアロマスプレーを作るよりも手軽に入手できるので、自作する前にアロマスプレーの効果を試してみたいという人にもおすすめのアイテムです。
3.今日はゆっくり安らぎブレンド10ティーバッグ/ハーブティー専門店Design with Tea Salon
レモングラス、アップルピース(りんご)、ローズペタル、カモミールジャーマン、リンデン、マローブルー、ステビアをブレンドしたハーブティーです。
ティーバッグなので手軽に楽しむことができます。カモミールとアップルピースのりんごの香りをベースに、ローズペタルやマローブルーのフローラルな香りも楽しむことができます。ノンカフェインなので、おやすみ前に最適です。
優しい甘みで飲みやすいブレンドになっています。冬場はホットで、夏場は濃いめに出して氷と割り、アイスティーで飲むのがおすすめです。
[4]赤ちゃんと一緒に使える安眠に効果的な香り
赤ちゃんの夜泣きや寝かしつけが上手くいかなくて困っているときにも、アロマがおすすめです。
ただし、精油によっては赤ちゃんには刺激が強すぎるものもあるので、刺激の少ない精油を選ぶようにしてください。
赤ちゃんでも安心して使える精油は、ラベンダー、カモミール、ローマン、ベルガモットなどです。
安全な精油と言っても、赤ちゃんの肌には直接触れないようにしてください。
精油の活用法の中には、希釈してオイルマッサージに使ったり、入浴剤として使うというものもありますが、3歳以下の幼児の肌は大人の肌よりも敏感で抵抗力がないので、刺激を感じたり、肌トラブルの原因になることもあります。
また、体内に吸い込まれた精油成分が身体に悪影響を及ぼすこともあります。精油の量は少なめにして、時間も短めに設定して芳香浴をしましょう。
精油の効果で神経が落ち着き、赤ちゃんも安心して眠ることができるでしょう。
[5]アロマの香りで質の良い睡眠を
良い睡眠は、私たちの健康にとって欠かせない重要な要素です。ストレスや生活リズムの乱れによって睡眠の質が落ちていると感じたときは、アロマの香りによる睡眠ケアを試してみてください。
好きな香りに包まれて眠ることによって、穏やかで良質な睡眠が取れるだけではなく、翌日もすっきりと目覚め、明るい気持ちで一日を過ごすことができるでしょう。
※アロマオイル(精油/エッセンシャルオイル)を使う際の注意点
アロマオイルは医薬品ではないため、「治療」できるものではありません。ここに掲載されている内容は精油の効果効能、心身の不調改善を保証するものではありません。予めご了承ください。症状がひどい場合は医療機関を受診することをおすすめいたします。実際にアロマの香りに癒されるという方はたくさんいます。自分の体の状態や気分に合わせて上手に取り入れてくださいね。