ミルラに似た甘い香りのオポポナックス精油(エッセンシャルオイル)の効果・効能
オポポナックスは、ミルラ(没薬)の近縁種であるカンラン科の樹木の樹脂から採取される精油です。別名「スイートミルラ」とも呼ばれ、香りも性質もミルラに近いことで知られています。ミルラはシャープなカンファー調の温かみがありスパイシーでムスクを感じさせる香りが特徴ですが、オポポナックスはミルラよりも柔らかな甘みを持つバルサム調の香りです。今回は、オポポナックス精油の特徴、効果や効能について紹介します。
2019年08月07日更新
記事の目次
[1]オポポナックスとは?
オポポナックスは柔らかで甘い芳香の樹脂から採取される香料です。オポポナックスの樹木は東アフリカのソマリアに多く自生していますが、精油の採取自体はヨーロッパで行われています。
スイートミルラとも呼ばれるカンラン科の樹木
オポポナックスの精油はカンラン科の樹木の樹脂から採取されます。ミルラ(没薬)の近縁種にあたり、リナロールの含有量が高いことが特徴のリナローウッドやフランキンセンスとも同科です。
オポポナックスは別名「スイートミルラ」とも呼ばれ、植物として近縁種というだけでなく、香料としての香りや性質もミルラと非常によく似ています。
古くから宗教儀礼や薬用として用いられてきた精油
オポポナックスは古くから宗教儀礼や薬用として、生活に欠かせない香料として用いられてきました。
ミルラと同様に「聖なる薫香」として扱われていたと伝えられています。
オポポナックスという名称の由来は、古代ギリシャ語で「汁」を意味する「opos」と、「癒やし」を意味する「panax」の組み合わせでできたものと考えられています。
[2]オポポナックスの香りの特徴
オポポナックスの香りの特徴について説明します。
柔らかな甘みを持つ香り
オポポナックスは「スイートミルラ」の別名の通り、ミルラと非常に香りの質が似ています。
「スイート」とつくのは、オポポナックスがミルラに比べてシャープな香りが少なく、柔らかな甘みを持つ芳香であるためです。
その香りから、現在ではお酒の風味付けや、オリエンタル系の香水の香料として用いられています。
[3]オポポナックス精油(エッセンシャルオイル)のアロマ効果・効能
オポポナックス精油(エッセンシャルオイル)が心や体にもたらす効果・効能について紹介します。
明るさと前向きさを取り戻してくれる
オポポナックスには、鎮静作用と高揚作用があり、落ち込んでしまった心を元気に明るくしてくれる効果が期待できます。
不安なことがあって落ち着かないときや、ショックな出来事があって立ち直れないときなど、暗い気持ちを和らげて前向きさを取り戻すサポートをしてくれます。
無気力で何もする気が起きないときや、頑張りすぎて虚脱感があるときにも効果を発揮します。
胃腸を整える
オポポナックス精油(エッセンシャルオイル)には、筋肉の強張りをほぐし、胃腸の働きを整える効果があると言われています。
食欲不振や消化不良、胃の痛み、便秘、下痢など、消化器官のあらゆる不調に働きかけます。
また、キャリアオイルと希釈してマッサージオイルとして用いると、筋肉痛や関節痛を緩和してくれます。
口臭・呼吸器のケアに
オポポナックス精油(エッセンシャルオイル)には殺菌消毒作用があるため、口内炎、歯肉炎、歯槽膿漏など口内のトラブルの緩和に有効であると考えられています。
消化器官の調子を整えることと合わせて、口内環境も正常化するため、口臭のケアにも役立ちます。
また、痰を取り除き、鎮痙作用も期待できるため、咳や気管支炎、喘息の緩和にも役立ちます。
肌荒れに
殺菌作用や消毒作用のあるオポポナックス精油(エッセンシャルオイル)は、肌のトラブルにも有効です。
かゆみや炎症を緩和し、ニキビや水虫などの皮膚感染症のケアにも適しています。
[4]オポポナックスの香水と精油(エッセンシャルオイル)
オポポナックスを香料として用いた香水と精油を紹介します。
オポポナックス/サンタマリアノヴェッラ
<オーデコロン>
イタリアの老舗香水ブランドであるサンタマリアノヴェッラのオーデコロンは、天然香料の魅力を存分に引き出したナチュラルな香りが特徴です。
オポポナックスのシングルノートのオーデコロンは、甘くてスパイシーに香り立つオリエンタル調のウッディな香りの中に、清々しさを感じる香水です。
スイートミルラ(Opopanax)/Naturopathy
殺菌作用があり、喉の不調を改善してくれる働きをするオポポナックス精油(エッセンシャルオイル)は、ディフューザーで部屋の中に拡散することで効果を発揮します。
また、マッサージオイルとして筋肉痛をケアしたり、スキンケアクリームとブレンドして肌荒れのケアに用いるのもおすすめです。
[5]おすすめのブレンド
オポポナックス精油(エッセンシャルオイル)と相性の良い香りを紹介します。
オリエンタル系の濃厚な香りとの相性が良い
オポポナックスはオリエンタル系の精油を中心に、樹木系、樹脂系の精油とブレンドすると良いでしょう。
心を癒したいときには、フランキンセンスやサイプレス、感染症の予防にはパルマローザ、ラブダナム、肌荒れのケアにはベンゾイン、ゼラニウムと合わせることで、より高い効果を発揮します。
[6]オポポナックス精油の香りで気持ちを落ち着かせよう
オポポナックスは心を癒すだけではなく、消化器や喉、筋肉痛など幅広く体のケアに役立ちます。ぜひ日々の生活に取り入れてみてくださいね。
☆アロマセラピスト菊池より一言☆
オポポナックスの香りは本来、セリ科のOpoponax chironiumから精油が抽出されていましたが、現在は、カンラン科のCommiphoraから抽出されたものがオポポナックスと呼ばれています。
古代より宗教的な儀式や薬として使用されてきたオポポナックス。ミルラと同様、心や皮膚のトラブルに役立つ精油になります。気持ちが高ぶっている時や過度のストレスを感じている場合は、この香りとラベンダーアングスティフォリアやプチグレン、フランキンセンスなど鎮静作用のある精油をブレンドしたマッサージオイルでお腹のマッサージを行うと良いでしょう。また、冬に起きやすい手荒れ、ひび割れなどの皮膚トラブルにぜひ使っていただきたい精油です。
※アロマオイル(精油/エッセンシャルオイル)を使う際の注意点
アロマオイルは医薬品ではないため、「治療」できるものではありません。ここに掲載されている内容は精油の効果効能、心身の不調改善を保証するものではありません。予めご了承ください。症状がひどい場合は医療機関を受診することをおすすめいたします。実際にアロマの香りに癒されるという方はたくさんいます。自分の体の状態や気分に合わせて上手に取り入れてくださいね。