マイナーだけど安眠効果バツグン!バレリアン精油(エッセンシャルオイル)をご紹介
バレリアンは西ヨーロッパを原産とするカノコソウ属の植物です。古代ギリシアの時代から精神の高ぶりを抑え、安眠に導くハーブとして用いられていました。現在でも、メディカルハーブやサプリメントとして用いられることの多いバレリアン。今回は、その香りの特徴と効果・効能について説明します。
2019年07月15日更新
記事の目次
[1]バレリアンとは?
バレリアンはオミナエシ科カノコソウ属の多年生植物です。原産は西ヨーロッパで、日本ではセイヨウカノコソウと呼ばれています。主に根を薬用として使用します。
古代ギリシアで睡眠薬として用いられていたハーブ
バレリアンは、古代ギリシアの時代から向精神薬や睡眠薬として用いられていました。精神の高ぶりを抑え、快適な眠りに導くハーブとして知られています。
中世ヨーロッパでは「神様の睡眠薬」と呼ばれていたほどの効果で、修道院でもよく栽培されていたようです。
西洋では現在でもメディカルハーブやサプリメントとして使われており、精神面のケアにうってつけです。ドイツなどでは、伝統的医薬品(THMPD)として承認されています。
精油(エッセンシャルオイル)としてはマイナー
バレリアンはハーブティーやサプリメントとして使用されることの多いハーブですが、精油(エッセンシャルオイル)としてはかなりマイナーな部類に入ります。
香りが独特で好き嫌いが分かれることが大きな理由ですが、不眠解消の効果は絶大であるため、一部では高い支持を集めています。
[2]バレリアン精油(エッセンシャルオイル)の香りの特徴
バレリアンは植物の根が持つ独特の香りが特徴です。人によって、またそのときのコンディションによってまったく違う印象を受けます。
好き嫌いがはっきり分かれる香りで、好む人には好まれますが、受け付けない人も多い香りです。こういった香りの特徴のため、精油(エッセンシャルオイル)としてはあまり利用されていません。
クセのある樹木の香り
バレリアン精油の強い香りはパイン・ニードルの香りの成分でもある酢酸ボルニルに由来します。香りの表現は人によってまちまちで、樹木のような香りという人もいれば、甘い香りがするという人もいます。また、トイレのような悪臭がするという人もいるようです。
人によっては悪臭と感じることもあるバレリアンですが、猫はこの香りを非常に好みます。猫が好きな植物の代表例と言えばマタタビですが、バレリアンもマタタビと同様、猫を酔わせる効果があります。
[3]バレリアン精油(エッセンシャルオイル)の効果効能
バレリアンの独特の香りの主成分である酢酸ボルニルは、その他の成分α-ピネンなどと結びつくことで、高い鎮静作用を発揮します。心と体に対して、具体的にどのような作用をもたらすのか説明します。
強い鎮静作用を持ち、安眠効果も高い
バレリアンは、ストレスの緩和、軽減はもちろん、精神不安やヒステリー、神経過敏や恐怖感など、さまざまな精神的不調の改善に役立ちます。
ストレスを原因とする不眠症にも高い効果を発揮します。不安や心配事が頭から離れないときや、気持ちが昂ぶって眠れないときに特に適しています。
不眠解消の効果を発揮するハーブとして有名なラベンダーやマージョラムではあまり効果を実感できなかったという人が、バレリアンを取り入れてから寝付きやすくなったという例もあるので、不眠で悩んでいる人はバレリアンを試してみると良いと思います。
消化器の不良や生理痛の緩和も
バレリアンは精神を安定させるため、ストレスを原因とする体調不良に高い効果を発揮します。特にストレスの影響を受けやすい消化器系の不調の緩和・改善に役立つと言われており、便秘や下痢、消化不良などに効果的です。
また、バレリアンには鎮痛作用もあるため、頭痛や胃痛、生理痛、肩こりや首の痛みなど、幅広い症状の痛み止めとして使用できます。特にストレス性の頭痛や胃の痛み、精神的な症状も起こしやすい月経前症候群の緩和にも役立ちます。
また、バレリアンはハーブとして殺菌作用と治癒促進作用があると言われていますが、刺激が強いため、肌に用いると炎症の原因となることもあります。肌荒れがさらに悪化する可能性があるため、肌への使用は避けた方が良いでしょう。
[4]バレリアン精油(エッセンシャルオイル)と相性の良いブレンド
バレリアンは乾燥させた葉をハーブティーにして飲んだり、サプリとして取り入れるのが主流ですが、精油(エッセンシャルオイル)としても利用できます。
バレリアン (アロマオイル)/生活の木
3mlの他にも、10ml、50ml、100ml、1000mlを受注生産で注文することができます。眠れない夜にガーゼに数滴エッセンシャルオイルを垂らし、芳香浴をすると高い安眠効果が得られます。
グリーンのような香りから、次第にムスクのような甘い香りに変化していくのが特徴です。
相性の良いブレンド
バレリアンは香りの分類としてハーブ系、もしくはウッディー系に入れられます。どちらに振り分けられるかは、文献などによって異なります。香りの印象としてはウッディーに近いため、樹木系の香りと相性が良いです。
バレリアンは香りに癖があるため、単体で用いるよりも他の精油(エッセンシャルオイル)と組み合わせることで使用しやすくなります。
特に得たい効果を考えてブレンドする香りを選ぶことをおすすめします。ストレスによる体調不良を解消したい場合は、ジュニパー、パイン、ユーカリがおすすめです。気持ちを落ち着け、安定させたいときはパチュリー、シダーウッドと組み合わせましょう。
不眠の解消には、ラベンダー、マンダリン、プチグレンと合わせると効果的です。女性特有の不調にはイランイラン、サイプレスクラリセージを組み合わせることでより高い効果が発揮されます。
[5]バレリアン精油(エッセンシャルオイル)の香りでぐっすり快眠生活を
精油(エッセンシャルオイル)としてはマイナーなバレリアンですが、古くからその効果は知られ、現在でも重宝されています。忙しい現代人にとってストレスは大敵であり、不眠に悩む人も多いと思います。そういう人はバレリアンを生活に取り入れることで、安眠を得られる可能性があります。是非試してみてください。
☆アロマセラピスト菊池より一言☆
精神的なストレスからくる様々な不調や痛みを和らげるのにオススメなバレリアン。とはいっても香りが独特なのでやはりブレンドがオススメです。日頃のストレスから体調を崩している方はまず心のバランスを取り戻してあげましょう。エステル類を多く含む精油には疲れた心身のバランスを調整してくれる働きがあります。真正ラベンダーやクラリセージ、カモマイル・ローマン、マジョラムなどと一緒にブレンドし優しくマッサージしてあげましょう。
※アロマオイル(精油/エッセンシャルオイル)を使う際の注意点
アロマオイルは医薬品ではないため、「治療」できるものではありません。ここに掲載されている内容は精油の効果効能、心身の不調改善を保証するものではありません。予めご了承ください。症状がひどい場合は医療機関を受診することをおすすめいたします。実際にアロマの香りに癒されるという方はたくさんいます。自分の体の状態や気分に合わせて上手に取り入れてくださいね。