香水マニアmillyのニッチフレグランス連載④ ~atelier cologne~
ニッチフレグランス連載Vol.4では、春先から夏にかけて特につけたくなる!フレッシュな香りの多い「atelier cologne (アトリエコロン)」をご紹介いたします。atelier cologne (アトリエコロン)のブランドヒストリーや、私がatelier cologne (アトリエコロン)にハマったきっかけ、これからの季節にオススメな香りについて語ります。
2019年04月10日更新
記事の目次
[1]atelier cologne(アトリエ・コロン)とは?
「atelier cologne(アトリエ・コロン)」は、シルヴィー・ガンターとクリストフ・セルヴァセルにより、2009年に設立された香水ブランドです。
設者の2人は、研究に研究を重ね、コロン・アブソリュを誕生させました。
コロン・アブソリュは、オーデコロンのフレッシュ感を保ちつつ、オードパルファンのように賦香率が高い、深みのある香り、というのが特徴です。
その革新的な香りは、多くの人々を魅了し、現在37ヵ国以上で発売されるまでに成長を遂げています。
[2]atelier cologne(アトリエ・コロン)との出会い
私とatelier cologne(アトリエ・コロン)の出会いは、2016年のとある夏の日のこと。
インスタグラムにて香水の話で盛り上がり、仲良くなった遠方の友人2人と初めて会えることになった日。エストネーションのフレグランスコーナーで待ち合わせをして、その時に初めてatelier cologne(アトリエ・コロン)の香りに触れたのです。
スタッフさんにひとつひとつ香りを説明してもらいながら、atelier cologne(アトリエ・コロン)のシリーズを順番にすべて試香。
もちろん、どれも美しい香りなので、「あぁ…いい香り」とうっとりしていたのですが、ひとつだけ「これは!」と思わず目を見開いて尋常ではない反応をしてしまったのが、Cedrat Enivrant(セドラ・エニヴロン)でした。
トップノートのレモンやハーブがたまらなく爽やかで、そしてほんの少しリキュールっぽい。まるでそれは、ジンベースのショートカクテルのような感じで、一筋縄ではいかない大人の柑橘、という印象を受けました。
さらに驚いたのはその日に集まった3人全員がその香りを気に入って購入したこと。
香りの好みもそれぞれ違うのに、このCedrat Enivrant(セドラ・エニヴロン)だけは満場一致で「素敵」という結論になったのですから、すごいことだ!と思いました。
[3]柑橘系への興味の扉を開かせた香り
それまでの私はといえば、ウッディーな重めの香りだったり、パチュリだったり、「爽やかさ」とはどこか無縁の香りたちばかりに囲まれて過ごしていました。柑橘系の香りの良さはわかってはいるつもりでしたが、自らそういう香りをつけるという考えがあまりなかったのです。
Cedrat Enivrant(セドラ・エニヴロン)を購入し、よく使うようになってからというもの、素直に「柑橘系の爽やかな香りも素敵だなぁ」と感じるようになりました。
そして、それを機にオレンジが効いた香りだったり、ベルガモットやレモンが効いた香りにも自然と手が伸びるようになったのです。
Cedrat Enivrant(セドラ・エニヴロン)は、私の「柑橘系への興味の扉を開いた存在」といっても過言ではありません。
Cedrat Enivrant(セドラ・エニヴロン)
フランスでポピュラーなカクテル、「フレンチ75」をイメージして“陶酔のセドラ”と名づけられた香水。
ちなみに、フレンチ75とは、第1次世界大戦のとき、戦争の勝利を祈ってパリのアンリ・バーで生まれたカクテルのこと。75とは口径が75mmの大砲のことなのだとか…。
シュッとプッシュした瞬間にライム、レモン、ミントが弾けます!
そのあとに飛び込んでくるのは、ジュニパーベリーや、バジル、ベチバー、ベルガモット。まるでシャワーを浴びたかのように、清々しく爽快な気分になれる香り。
トップノート:モロッコのシトラス、メキシコのライム、カラブリア(イタリア南部)のベルガモット
ミドルノート:中国のミント、エジプトのバジル、マケドニアのジュニパーベリー
ラストノート:ブラジルのトンカビーン、ハイチのベチバー、フィリピンのエレミ
カクテル「フレンチ75」と共に…
Cedrat Enivrant(セドラ・エニヴロン)の由来をきいてから、どうしてもフレンチ75が飲みたくなりbarでオーダーしたこともあります。
手首から香るCedrat Enivrant(セドラ・エニヴロン)と、グラスから香るフレンチ75の香りが絶妙に混ざり合い、たまらなく素敵で幸せな気分に…。より一層カクテルが美味しく感じられたことは言うまでもありません。
お酒も香りも、「理屈抜きに人を心地良くさせてくれる」存在だなと実感しました。
[4]これからの季節にオススメな香り♡
Orange Sanguine(オレンジ・サングイン)
出典 forte-tyo.co.jp/brands/atelier-cologne/index.html
トップノートでは、オレンジの皮をむいたときのようなジューシーな香りが広がります。
心がぱあっと明るくなり、気分も軽やかになるような…そんな香り。1年中使えると思うのですが、特に春夏は綺麗に香るでしょう♪
さらに言えば、夏の暑いさなかでも、いいなと感じられる香りだと思います。これからの季節にぴったりです。
トップノート:イタリアのブラッドオレンジ、スペインのビターオレンジ、イタリアのマンダリン
ミドルノート:エジプトのジャスミン、南アフリカのゼラニウム、マダガスカルの黒こしょう
ラストノート:ブラジルのトンカビーンズ、インドネシアのサンダルウッド、テキサスのセダーウッド
Mistral Patchouli(ミストラルパチュリ)
出典 forte-tyo.co.jp/brands/atelier-cologne/index.html
一瞬ほんのり潮っぽさも感じられる、みずみずしい香りです。やがてパチュリがメインに香るのですが、途中ゼラニウムなども感じられるためか、よくある重い雰囲気のパチュリと違ってやわらかな印象。
そこからさらにウッディーっぽさも出てきます。まるで風のように軽やかでそれでいて大地のように落ち着く香り。
春の柔らかな陽射しの中、ちょっと散歩するときにつけたり、オープンテラスでランチをする時などにつけていたら素敵だろうなぁ…と思います。
トップノート:フロリダのポメロ、マダガスカルのブラックペッパー、中国のスターアニス
ミドルノート:モロッコのイリス、ソマリアのインセンス、エジプトのゼラニウム
ラストノート:インドネシアのパチュリ、ラオスのベンゾイン、ハイチのベチバー
[5]個人的に気になっている香り♡
Oolang Infini(ウーロン・アンフィニ)
出典 forte-tyo.co.jp/brands/atelier-cologne/index.html
サンプルをもらって、未だにずっと気になっている香りがOolang Infini(ウーロン・アンフィニ)。
つけた瞬間ひんやりします。柑橘な印象は最初のみでスッと消えて、高級なお茶のような風合いの香りが広がります。湿度ある空気にしっとりと絡み、梅雨時などにも似合いそうな気がします。
アクアティックで透明感漂う香りです。
トップノート:シチリアのベルガモット、チュニジアのネロリ、フリージア
ミドルノート:ウーロン茶、ジャスミンの花びら、ブロンドレザー
ラストノート:バルカンの煙草の花、インドのガイアックウッド、ムスク
Camelia Intrepide(カメリア・インターピッド)
出典 forte-tyo.co.jp/brands/atelier-cologne/index.html
Camelia Intrepide(カメリア・インターピッド)こちらもサンプルをもらって、気になっている香りです。
レモンとベルガモットの爽やかさが抜けたあと、ふわっと漂ってくるのは高級車のレザーシートのようなレザー香とかすかなローズ香。
秋口に相応しいと思いつつも、秋が過ぎようとも後ろ髪ひかれる香りです。
トップノート:カラブリアのベルガモット、ジャバのナツメグ、シチリアのレモン
ミドルノート:モロッコのイリスバター、グラースのヴィオレット、中国のつばきの葉
ラストノート:トルコのローズアブソリュ、ホワイトレザー、アンバー
[6]atelier cologne (アトリエ・コロン)の魅力
olang Infini(ウーロン・アンフィニ)も、Camelia Intrepide(カメリア・インターピッド)も、サンプルに添えられていたのが、それらの香りのストーリーからインスパイアされたポストカード。
とても美しい、そのポストカードを見ていると、香りの背景のストーリーが自然と頭の中に入ってきます。
そういった香りをとりまく世界観の伝え方に、私は思わず脱帽しました。
また、今まで「爽やかな美しい香りは儚くてすぐに消えてしまう」という印象がありましたが、atelier cologne(アトリエ・コロン)なら香りの持続力も高いので、そんなこともありません。
さらに、atelier cologne(アトリエ・コロン)には、柑橘の爽やかさがあるだけでなく、どこか複雑で奥深い雰囲気があるのです。ただの柑橘系ではない…翳りや落ち着きや大人っぽさを感じます。そこが私がatelier cologne(アトリエ・コロン)を好きな理由です。
柑橘系の香りにそんなに惹かれなかった私をも虜にしたatelier cologne(アトリエコロン)。
もともと柑橘系の香りがお好きな方は、きっともっとハマることでしょう!
まだ、試香したことがない方は、ぜひお近くのカウンターで香りを試してみてください。