虫除けにも有効!ベチバーのアロマの香りの特徴と精油の効果
ベチバーはインドを原産とするイネ科の植物で、根に強い香りを持ち、根茎から精油がつくられます。日本では現在ほとんど生産されていないため聞き馴染みのない植物かもしれませんが、インドでは日よけや虫除けに利用され、香水にもウッディで高級感のあるベースノートとして使用されています。今回は、ベチバーの香りの特徴や効果・効能について詳しく紹介します。
2019年02月15日更新
記事の目次
[1]ベチバーとは?
ベチバーは熱帯地方に多く分布するイネ科の植物です。同じイネ科のハーブの中にはレモングラスがありますが、ベチバーはレモングラスよりもさらに細く草丈が高いのが特徴です。イネ科の中でも特に丈夫な植物で、地中深くまで根を伸ばし、抵抗力も高いです。
根の弱い植物と一緒にベチバーを植えると根腐れを防ぐといわれているため、川の氾濫などの対策として、土壌の柔らかいところや土止めのために植えられることも多く、人の生活を守る植物として重要視されてきました。
何世紀も前からインドで使われていた植物
「ベチバー」はインドのタミール語で「まさかりで刈る」という意味を持ちます。インドでは、ベチバーは「クス(khus)」という名前で呼ばれ、「香り高い根」という意味を持つそうです。幸福の植物として親しまれています。
和名は「カスカスガヤ」または「岩蘭草」とも呼ばれます。以前は日本でも生産されていましたが、現在はほとんど国内で姿を見ることはありません。
インドでは古代からベチバーの根を粉にして薫香を作り、特別な宗教儀式の際に使われていました。
近代では、粉をサシェに入れて虫除けとして使用したり、草丈の高さを活かしてブラインドや天幕を作り、日よけとしても利用されてきました。夏場はベチバーのブラインドに水をかけ、涼を取るとともに、香りを楽しんでいました。
また、ジャワではベチバーの根を使ってマットや帽子が作られ、葉で扇を作ったり、屋根を葺くのにベチバーを使用することもありました。ベチバーはロシアでも身近な植物で、虫除けのために、ベチバーのオイルを染みこませた袋をコートに付けておく習慣があります。
[2]ベチバーの香りの特徴
ベチバーのエッセンシャルオイルは、根を収穫した後に乾燥させ、しっかり洗ってふやかしてから蒸留して抽出します。水から分離することが難しいため、ベチバー精油の収穫量はとても少ないです。
ベチバーの香りは、オリエンタルな土の香りで、根が古いほど質の良い精油になります。
自然を感じる土の香り
ベチバーの香り成分は根から採取されます。根は土に近いこともあって、ベチバーの香りを「土のような香り」と感じる人が多いです。オリエンタルで個性的な香りですが、都会で生きていると土に触れる機会も少なくなるため、大地を感じさせてくれる、癒やし効果の高い香りと言うこともできます。
また、ベチバー精油は香りの持続性が長いため、香水などに用いられる場合はベースノートに使用されることが多いです。シャネルやディオールなどの有名ブランドも、ベチバーをベースノートに使用しています。
[3]ベチバーの香りの効果・効能
ベチバーは落ち着きのあるウッディーな香りで、心や体に良い効果をもたらします。さらに、古来より虫除けとして使われてきた植物で、その香りは害虫対策にも非常に効果的と言われています。
心を落ち着かせる
ベチバーは強い緊張やストレスによって高ぶった神経を落ち着かせてくれます。大地を連想させる香りということもあり、心が焦って思考ばかりが一人歩きするようなときにベチバーの香りを嗅ぐと、地に足が着いたような落ち着きを取り戻すことができます。
高いストレスを受けたときにホルモンバランスが乱れることもありますが、ベチバーの香りはホルモンバランスを元に戻し、身体の調子も整えてくれます。インドでは古代から汗などのニオイを消すでデオドラント効果のある植物として用いられたり、リュウマチの治療薬としても活用されていました。
心身の疲れによる身体の不調に働きかけ、血流量を増やして血の巡りを良くし、不足した酸素を運ぶ働きもします。それによって、筋肉や関節の痛みを和らげる効果があります。
ゴキブリ対策に最も効果的なハーブ
古代より虫除けに使用されてきたベチバーは、ゴキブリ対策にも高い注目を集めている植物です。九州大農学研究院と久留米市の企業との共同研究によると、3回の実験でゴキブリはベチバーの根には近寄らなかったという結果が出ています。
[4]ベチバー精油の効果的な使い方とおすすめアイテム
ベチバーのエッセンシャルオイルは、芳香浴に使えるのはもちろん、虫除けスプレーを作るのにも最適です。ストレスの原因のひとつになる害虫対策に役立ち、ストレスそのものも解消してくれる、一石二鳥の精油です。
ベチバー10ml 100%天然アロマエッセンシャルオイル(精油)/アンプティレヴ
インドネシア産のベチバー精油です。ベチバーは心を落ち着かせてくれるため、眠れない夜などにコットンやハンカチ、または熱湯を入れたマグカップに数滴垂らして芳香浴を行うのがおすすめです。
香りが嫌いでなければ、枕元に水と混ぜた精油のスプレーを吹きかけても良いでしょう。気持ちが静まり、ゆっくりと眠りに落ちることができます。また、レビューを見るとゴキブリ除けのために購入する人が多いようです。
ベチバー精油で虫除けスプレーを作る
小さなお子様や赤ちゃんがいる家で、市販の防虫スプレーを使えないという人は、ベチバーの精油で虫除けスプレーを作ってみましょう。
作り方は簡単で、無水エタノール5mlにベチバーの精油を10滴程度混ぜ、精製水45mlを加えたら完成です。直接肌にかける場合、子供用にはエッセンシャルオイルを5滴に減らしましょう。
また、3歳以下のお子様の肌には直接スプレーせず、服や帽子にスプレーするようにしてください。
虫よけベチバースプレータイプ200ml/ナンビ
スプレーを自分で作るのは面倒という人は、ベチパ―の精油を利用した市販のスプレーを使ってみてください。こちらの商品は天然由来の成分100%で、赤ちゃんやペットがいる家でも安心して使用できます。
[5]ベチバーの香りでストレス解消
古代から人の生活に寄り添ってきたベチバーは、現代の私たちにとっても有用な植物です。その香りは心や体の調子を整えるだけでなく、日々の生活でストレスの原因になる害虫予防にも役立ちます。部屋にゴキブリが出て困っているという人や、天然成分の防虫剤がほしいという人は、ぜひベチバーの精油を活用してみてください。
☆アロマセラピスト菊池より一言☆
香水の保留剤として使われていることで有名なベチバー。精油では数少ないベースノートの一つです。
スキンケアやストレスに役立つこの精油は、奥が深く土を感じさせるようなスモーキーな香りで、ウッディ系や真正ラベンダーなどの精油に良く合います。前に進みたい時や迷いがある時、精神的なショックがある時など、このベチバーの香りがきっとあなたの背中を優しくそっと押してくれる事でしょう。
※アロマオイル(精油/エッセンシャルオイル)を使う際の注意点
アロマオイルは医薬品ではないため、「治療」できるものではありません。ここに掲載されている内容は精油の効果効能、心身の不調改善を保証するものではありません。予めご了承ください。症状がひどい場合は医療機関を受診することをおすすめいたします。実際にアロマの香りに癒されるという方はたくさんいます。自分の体の状態や気分に合わせて上手に取り入れてくださいね。