ストレス解消にも役立つ!清々しいスダチの香りの特徴と効果を紹介
古くより徳島県の特産品として知られるスダチは、清々しい香りで焼き魚や松茸との相性が抜群です。香気高い柑橘類の仲間であるスダチですが、スダチのみに含まれている「スダチチン」という香り成分はダイエット効果が期待できるとして注目を集めています。 料理に使うのはもちろん、精油を芳香浴に使用するのもおすすめのスダチ。今回は、スダチの香りの特徴や効果を紹介します。
2019年01月19日更新
記事の目次
[1]スダチとは?
スダチはユズやカボスと同じ香酸柑橘類の一種です。「香酸柑橘」とは、酸味が強く生食には向かない柑橘類の果実のことです。香りが良いため、果汁を搾って料理などに使用します。カボスは香酸柑橘類の中でも、特に香り成分が多く、清々しい香りを持つ果実として知られています。
徳島県産の柑橘類
スダチは徳島県の名産物で、8月下旬から10月にかけて旬を迎えます。徳島県では毎日の食事にスダチが添えられるほど、生活に浸透した果物です。スダチの果実の大きさは25~50gほどで、ゴルフボールと同じくらいのサイズ感です。他の柑橘類に比べて小ぶりなのも特徴のひとつと言えます。
「スダチ」という名前は、スダチの果実が昔から酢の代用品として使われてきたことに由来します。酢として使われる柑橘類(橘)を意味する「酢橘」という言葉が短くなって「スダチ」と呼ばれるようになりました。この名前ももともとは徳島の方言でしたが、次第に全国に広まっていきました。
[2]スダチの香りの特徴
スダチは香酸柑橘類の中でも特に香気成分が多いことで知られています。果実が熟す前の青い状態で収穫されるため、爽やかで清々しい香りを楽しむことができます。
スダチの旬が晩夏から秋にかけての時期になるため、そのころ旬を迎える松茸と一緒に売られているのもよく見かけます。カボスの酸味と香りが、松茸の上品な香りをより引き立ててくれます。
香気成分の多さがスダチの特徴
スダチには、同じ香酸柑橘類のレモンよりも遥かに多くの香気成分が含まれています。特に、他の香酸柑橘類には含まれない「スダチチン」という成分が、スダチ独自の香りを作り上げているといわれています。
[3]スダチの香り成分と効果
スダチは、柑橘類に多く含まれる香り成分である「リモネン」や、スダチ独自の香気成分である「スダチチン」を含んでいます。これらの成分から生まれるスダチの香りは、体にも心にも良い効果をもたらします。
スダチのみに含まれる有効成分「スダチチン」
スダチの皮に含まれている「スダチチン」は体に対しても他の香酸柑橘類にはない働きを示します。2006年に徳島大学の研究チームが発表した研究結果によると、スダチチンはインシュリンの働きをサポートする効果があると見られています。インシュリンは血液中の血糖値を下げるもので、スダチチンの効果が実証されれば、スダチは糖尿病の治療にも役立つことになります。
●参考:PAT-ReSerge
スダチチンにはダイエット効果も
また、スダチチンにはインシュリンの働きをサポートする効果の他に、代謝を改善して脂質を燃焼しやすくし、体重の増加を抑える効果があるという検収結果も出ています。実験によると、高脂肪食を与えたマウスにスダチチンを投与したところ、3ヶ月後には内臓脂肪量が何も与えていないマウスの半分まで減るという結果が出ています。
内臓脂肪が気になる人は、スダチの香りを生活に取り入れるとダイエットを手助けしてくれるでしょう。
ストレス解消にも効果がある
スダチには「スダチチン」の他に香り成分である「リモネン」が含まれています。リモネンは柑橘類に含まれる代表的な香気成分ですが、心を落ち着かせ、気分をすっきりさせる効果があります。心がささくれ立っているときや、ストレスを感じたとき、リフレッシュしたいときなど、スダチの爽やかな香りはストレス解消に役立ちます。
[4]スダチの効果的な使い方
スダチの香りは心にも体にも良い効果を示すだけでなく、食材の美味しさをより引き立ててくれる働きをします。スダチに含まれる「クエン酸」は疲労回復に役立つ栄養素でもあります。また、スダチはビタミンCを含んでいるため、風邪の予防にも役立ちます。
収穫したばかりの新鮮なスダチの実を食材として使うことによってたくさんの効果を発揮しますが、スダチ風呂などで体を温めながら香りを楽しむ方法もおすすめです。
スダチの香りを楽しむ「スダチ味噌」
スダチの香りは、収穫した瞬間から少しずつ弱くなっていきます。そのため、早い段階で調理すると、長く香りを楽しむことができます。味噌汁や焼き魚、刺身などに果汁を直接かけても香りを堪能することができますが、味噌と砂糖、みりんとスダチの皮、果汁で作るスダチ味噌は、さらに楽しみの幅を広げてくれます。
野菜スティックにつけても、ふろふき大根などにつけても良いでしょう。スダチの爽やかな香りが食欲を増進し、美味しく食べることができます。
スダチジャムでスダチ茶を飲む
心をほっと落ち着かせるリモネンを含むスダチを温かい飲み物にして楽しむと、一層リラックス効果が得られます。スダチの果汁と皮でジャムを作ってお湯で割ると、美味しいスダチ茶を楽しむことができます。
スダチジャムは、絞った果汁に茹でてすり下ろした皮を使用して作ります。スダチの爽やかな香りと酸味、そして皮の微かな苦みがアクセントになります。マーマレードや柑橘系のジャムが好きな人に特におすすめです。
スダチ風呂を楽しむ
リモネンにはリラックス効果だけでなく、美肌や美白効果が期待できることでも知られています。血行を促進させる働きもあるため、スダチ風呂に入ることで冷え性の改善にも繋がります。
スダチ風呂は、スダチの果実をそのまま湯船に浮かべる方法、スダチの実を半分に切って浮かべる方法、絞り終わった後の皮をガーゼなどに包んで湯船に入れる方法があります。いずれの方法でも、スダチの香り成分の効果を期待できます。
スダチ風呂に入る際に気をつけるべきことは、外出前には入浴しないという点です。スダチには肌のメラニン色素を活性化する成分が含まれているため、日焼けの原因になります。また、肌の弱い方は使用を避けましょう。
[5]スダチの香りのおすすめグッズ
生の果実で香りを楽しむのも良いですが、スダチの香りのグッズを使うのもおすすめです。気軽に芳香浴が楽しめるアロマオイルとスダチの香りの入浴剤を紹介します。
すだち 5ml アロマオイル
徳島県産のスダチから作られたアロマオイルです。小さな瓶なので持ち歩きやすく、ティッシュやガーゼなどに数滴アロマオイルを垂らせば、どこでも芳香浴を楽しむことができます。少し心が疲れたときや、ストレスを感じたとき、感情が高ぶって落ち着きたいときに、スダチの爽やかな香りで気分をリフレッシュしましょう。
また、スダチの香りは血行を促進して体を温めてくれる効果があるので、加湿機能付きのディフューザーなどを使えば風邪の予防にも最適です。
炭酸入浴料すだちの香り/佐那河内農園
敏感肌でスダチの果実を入れたお風呂には入れないという人も、入浴剤であれば安心してスダチの香りのお風呂を堪能することができます。徳山県産のスダチから作ったスダチオイルを配合した入浴剤は、疲れた心と体を癒やしてくれるでしょう。
炭酸入浴剤なので、血行を良くする効果もあり、指先や足先が冷えやすいという人におすすめです。
[6]独自の香気成分を持つスダチで健康に
スダチは香酸柑橘類の中でも、特に独自の香り成分が注目されている果物です。スダチの香りは、心を癒やしてくれるだけでなく、体を温め、さらにダイエット効果も期待できる女性の強い味方です。
味噌汁に入れるだけで毎日の食卓が一気に爽やかな香りに包まれます。ぜひ、毎日の生活にスダチの香りを取り入れてみてください。
☆アロマセラピスト菊池より一言☆
カボスより一回り小さなコロコロ可愛らしい「すだち」は、半分に切って焼き魚に添えると見た目とフレッシュな香りが食欲をそそりますよね♪
精油は少し酸味のある爽やかな柑橘の香り。
お肌には刺激になることがありますので、ルームスプレーやディフューザーなどで香りを漂わせれば日頃頑張っている心とカラダを解放してくれることでしょう。
※アロマオイル(精油/エッセンシャルオイル)を使う際の注意点
アロマオイルは医薬品ではないため、「治療」できるものではありません。ここに掲載されている内容は精油の効果効能、心身の不調改善を保証するものではありません。予めご了承ください。症状がひどい場合は医療機関を受診することをおすすめいたします。実際にアロマの香りに癒されるという方はたくさんいます。自分の体の状態や気分に合わせて上手に取り入れてくださいね。