花粉症に効果あり!薬用ハーブ「イニュラ」の効果・効能をご紹介
イニュラはヨーロッパを中心に使用されているハーブで、キク科に分類される植物です。古代ギリシャやローマの時代から薬草として使用されており、古い歴史を持ちます。イニュラは現代日本でもその効能が注目され、薬用ハーブとして流通しています。今回は、イニュラの香りの特徴や、その効果・効能についてご紹介します。
2018年12月04日更新
記事の目次
[1] ヨーロッパ生まれの薬用ハーブ「イニュラ」
イニュラは古代のヨーロッパで生まれた薬用ハーブです。ヨーロッパからアジアに伝わり、現在では主にフランスで生産されています。日本ではあまり馴染みのないハーブでしたが、近年、風邪や花粉症、高血圧にも効果のあるハーブとして注目され、名前が知られるようになりました。
デイジーに似た黄色い花
イニュラは夏の間に黄色い花を咲かせるキク科の一年草で、成長すると80cmほどの高さになります。花はもちろん、茎も芳香性を持ち、緑色の精油になります。
イニュラに似たキク科の植物は90種類にもなり、ハーブとして使われるイニュラは、その香りから「スイートイニュラ」もしくは「カンファーイニュラ」と呼ばれることもあります。
出典 http://aroma-efficacy.link
モロッコなどで生産されるイニュラは精油として用いられるものと種類が異なり、エレキャンペーンやオグルマと呼ばれる漢方薬として知られています。
学名は「強い香り」という意味
イニュラの学名は「Inula graveolens」といいます。「graveolens」は「強い香り」という意味を持ち、その名前からもハーブとしての香りの高さを知ることができます。
[2] イニュラの香りの特徴
イニュラの香りは特徴的で、フローラルな花の香りよりも、薬品のような樟脳の香りを強く感じます。学名の通り、しっかりとした香りが長く続くのも特徴です。
香りが強いため、精油を使用する際には量の調整をする必要があります。ごく少量で効果を発揮してくれるという意味では、非常にコストパフォーマンスの良い精油であると言うこともできます。
すっきりとしたシャープな香り
樟脳は、ツンと刺すようなウッディー系の香りで、ミントのような爽やかさを感じます。薬品や薬箱の香りを思い出す人も多いです。また、樟脳の香りに加え、微かに墨のような香りも感じます。
可憐な見た目から甘い香りを想像する人もいるかもしれませんが、イニュラはシャープですっきりとした香りが特徴です。ユーカリの香りに近いですが、ユーカリよりはまろやかで、フローラルな柔らかさと花の甘い香りを感じることができます。
[3] イニュラの香りの効果・効能
イニュラのすっきりとした香りは、心をリフレッシュさせてくれたり、落ち着かせてくれる効果があります。また、古くから呼吸器系の薬草として利用されており、咳や鼻水などの風邪の諸症状、そして花粉症にも効果のあるハーブとして注目されています。
心を落ち着かせてくれる
イニュラのシャープな香りは、心をリフレッシュさせて集中力を高めてくれると言われています。また、鎮静効果も期待できるため、イライラしやすいときや気持ちが高ぶって眠れないとき、不安感があるときに自律神経を整え、心を平穏な状態に戻してくれます。ストレスを感じるときや、心を落ち着けてゆっくりと休みたいときに使うと効果的です。
呼吸器系の再生を促し、花粉症にも効果あり
イニュラの精油は非常に強い粘液溶解作用を持ちます。そのため、古くから呼吸器のケアのための薬草として用いられてきました。鼻づまりを解消し、呼吸を楽にしたり、喉の炎症を抑え、痰が絡むのを改善します。また、抗菌・抗ウイルス作用も期待できる上に、免疫力向上のサポートも行ってくれます。
そのため、イニュラは鼻や喉の幅広い呼吸器のトラブルを軽減するために使用されます。粘膜のケアだけでなく、抗炎症作用も発揮してくれるため、近年では花粉症などのアレルギーにも効果的なハーブとして名前が知られるようになりました。日本ではこれまでアロマを楽しむハーブとしてイニュラが流通することは少なかったのですが、薬用ハーブとして近年流通されるようになってきました。
また、イニュラは呼吸器だけでなく、心機能調整作用を発揮します。心拍数を整え、不整脈を調整する循環器系にも働きかけのある珍しい精油です。
また、血圧を下げる効果も期待できるため、高血圧の人にも利用されています。
肌の炎症を抑える作用も
イニュラの抗炎症作用・殺菌作用は、呼吸器だけでなく肌にも良い効果を発揮してくれます。菌による肌の炎症と言えばニキビですが、海外ではニキビ薬にイニュラが使われることもあります。
ただし、イニュラは刺激の強い精油であるため、使用には十分な注意が必要です。特にアレルギーのある人や、敏感肌の人は精油を直接肌につけないよう注意しましょう。
また、刺激が強いハーブであるため、妊娠中・授乳中の人は使用しないように気をつけてください。
[4] 希少価値の高いイニュラのエッセンシャルオイル
イニュラの精油は、芳香浴、マッサージなどに使用するのがおすすめです。精油は美しい緑色ですが、蒸留する機器の金属の種類によって色合いが変わることがあります。ステンレス製の機器で蒸留した場合は黄緑色になり、銅製の蒸留器を使った場合はエメラルドグリーンになります。
イニュラの精油は非常に希少価値が高く、価格は高いものになると10万円を超えるものもあります。
【生活の木】イニュラ アロマオイル
イニュラの精油は「ミドルノート」に分類されます。ミドルノートは徐々に立ち上がる香りで、2~6時間持続するのが特徴です。
精油は組み合わせによってより高い効果を発揮するので、相性の良い香りと組み合わせて使用するのもおすすめです。
例えば、心を落ち着けたいときはイニュラにベルガモットやフランキンセンスをブレンドすると効果的です。また、風邪を引いたときには爽やかなレモンと抗菌・抗感染作用のあるヒノキ、去痰・鎮咳作用のあるヘリクリサムをあわせると、風邪の症状を緩和してくれます。
花粉症には、イニュラにすっきりとしたペパーミント、ローズマリー、粘液溶解・去痰作用のあるディルをブレンドすると、さらに効果を発揮してくれるでしょう。
[5] イニュラの香りでリフレッシュ&健康に
イニュラはすっきりとした香りで心を落ち着かせてくれるだけではなく、風邪や花粉症にも効果を発揮してくれるハーブです。ヨーロッパで古くから用いられてきたハーブを生活に取り入れ、香りで健康な毎日を送るのも良さそうですね。
☆アロマセラピスト菊池より一言☆
淡いブルー色をしたこのイニュラの精油。見ているだけでも癒されます…。
樟脳臭のなかに少しフローラルの香りを感じるイニュラは風邪や呼吸器系にとっても役立つ精油のひとつです。
イライラした心にも、風邪を引きやすい季節にも試していただきたいアロマですが、希少価値が高いです。ユーカリグロブルスやローズマリーシネオール、ティートリーなどをブレンドしても十分効果が得られると思いますので、よかったら参考にしてくださいね。
キク科のハーブなので、ブタクサアレルギーの方はご注意を!!
※アロマオイル(精油/エッセンシャルオイル)を使う際の注意点
アロマオイルは医薬品ではないため、「治療」できるものではありません。ここに掲載されている内容は精油の効果効能、心身の不調改善を保証するものではありません。予めご了承ください。症状がひどい場合は医療機関を受診することをおすすめいたします。実際にアロマの香りに癒されるという方はたくさんいます。自分の体の状態や気分に合わせて上手に取り入れてくださいね。