魅惑的なアンバーの香り♡その効果・効能とおすすめアイテム
香水の香料に使われる「アンバー」や「アンバーグリス」。動物由来のオリエンタルな香りで、中国では「龍涎香(りゅうぜんこう)」と呼ばれ、古来より高級香料として重宝されていました。今回は、アンバーの原料や香りの特長、効果などについてご紹介します。
2019年12月10日更新
記事の目次
[1] アンバーの香りの特徴
アンバーの甘く落ち着きのある香りは、オリエンタルなフレグランスに欠かせません。ムスクと同様、動物性の香料なので、独特の色気を醸し出します。女性をより魅力的に演出する香料と言えるでしょう。
ジャコウジカという山の動物から採取されるムスクと異なり、アンバーは海の生物から採れる香料です。
かつては海辺に打ち上げられた謎の石から採取される香りとされ、中国では「龍涎香」という名前で龍の涎が固まったものという伝説が言い伝えられましたが、時間の流れとともにその実態が明らかになってきました。
マッコウクジラの結石から取れるセクシャルな香り
アンバーグリスは、マッコウクジラの体内で作られた病的結石を由来にした香料であると言われています。クジラの体内で生じた結石が排出され、砂浜まで流れ着いたことが発見のきっかけでした。
また、クジラの死骸を解体するときにも体内から採れる場合がありますが、すべてのマッコウクジラがこの結石を持っているというわけではありません。
また、捕鯨が禁止されていることもあり、アンバーグリスは現在でも非常に希少価値が高く、高価な価格がつけられます。
マッコウクジラの体内でどのようにこの結石ができるのか、まだ正式に解明されていません。
現在はマッコウクジラが食べたイカやタコのくちばしが、消化されないままクジラの内臓を傷つけることで、分泌物が結石になるのではないかと言われています。
アンバーグリスは、アニマルノート特有の深みのある甘い香りです。女性の色気を引き立たせる、セクシャルな香りでもあります。
主張はそれほど激しくなく、落ち着きのある香りなので、フレグランスのベースノートに用いられます。
琥珀のことも「アンバー」と呼ぶけれど別物
「アンバー」という言葉は、もともと宝石の「琥珀」を意味します。そのため、木材の樹脂である琥珀からアンバーグリスの香りが採取されると誤解されることもあります。
アンバーグリスがアンバーと呼ばれるようになった所以は、古代のアラビアからヨーロッパにアンバーグリスが持ち込まれた経緯にあります。
アンバーグリスはアラビアでも古くからお香の原料として用いられていました。
アラブ国家の宗教行事やイベントなどで使用されるお香にはいくつか種類があり、乳香、ムスク、サンダルウッドに加え、松ヤニの樹脂である琥珀が使われていました。
アラビアからヨーロッパにアンバーグリスが持ち込まれた際、この松ヤニの一種として取り扱われ、琥珀を意味する「アンバー」という名前で呼ばれるようになったと考えられています。
アンバーグリスの「グリス」は、古代ゲルマン語で「灰色」を意味する言葉です。黄金色に輝く「アンバー」と区別するために、灰色がかった石であるアンバーグリスをこう呼ぶようになったと言われています。
[2] アンバーの香りの効果・効能
アンバーグリスという香料は、嗅ぐ人を官能的な気分にさせる効果があります。そのため、古来より異性へのアピールのために用いられてきました。中国やアラビアでは媚薬としても使用されていたという記録が残っています。
アンバーの香りで異性にアピール
異性に好印象を与えるポイントは、大きく分けて2つあると言われています。ひとつはルックスで、見た目がタイプと思ってもらえるかどうかが大きな鍵になります。もうひとつは、見た目とは別に、その人の香りに惹かれるというものです。
人には、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の五感がありますが、脳に対して最も大きく影響を与えるのは「視覚」です。そして次に強く影響を与えるのが「嗅覚」であると言われています。
つまり、異性に好感を与えるための情報源は「視覚」と「聴覚」に重点が置かれているということです。
アンバーグリスの香りは、異性を官能的な気分にさせるセクシャルな香りです。いつもより少しアダルトな雰囲気を身に纏うことで、意中の異性に好印象を与えるだけでなく、女性としての魅力をアピールすることができるでしょう。
中国やアラビアでは媚薬としても使われたアンバー
アンバーグリスは中国やアラビアで媚薬として用いられることもあ
りました。実際に媚薬として効果があるのか、カネボウ化粧品が実験を行っています。その実験では、モニターに映し出された人物を女性被験者に見てもらい、その人に対して親しみを覚えるかどうか判断するというもので、アンバーグリスの香りを嗅いだ場合と、嗅いでいない場合で比較を行いました。
その結果、アンバーグリスの香りを嗅いだ場合の方がモニターの人物に親しみを覚える傾向があるという結果が導き出され、媚薬としての効果があると実証されています。
[3] アンバーの香りのアイテム
非常に高価な香料であるアンバーグリスですが、手ごろな値段でその香りを楽しむことができるアイテムもあります。体に直接つける香水はもちろん、古来より親しまれてきたお香もおすすめです。
ローラメルシエ オードトワレ アンバーバニラ
甘いバニラの香りにタンジェリンとアンバーをブレンドした、官能的でエレガントな香り。トップにタンジェリンやココナッツが香り立ち、ミドルはタイガーオーキッドやミルクフラワー、ベースはアンバーやバニラビーンズなどの香りへと変化します。
香クリーム「龍涎香」
アンバーグリスの甘い香りをイメージした練り香水です。練り香水は液体の香水に比べて香りがさりげなく、普段あまり香水を使わないという人も手に取りやすいアイテムです。
HEM アロマオイル アンバー
アンバーグリスの濃厚な甘い香りを楽しむことができるフレグランスオイルです。ハンカチなどに少し垂らして持ち歩くと、持ち物に香りが移り、周囲の人にもほのかに香りが伝わります。
また、家でのリラックスタイムにアロマランプに垂らして香りを楽しむのもおすすめです。
[4] アンバーの香りで気になる異性をメロメロに
多くの伝説を残し、媚薬としての効果を古代から発揮してきたアンバーグリス。入手の難しい高級品ですが、香水のベースノートに含まれていることも多い香料です。官能的な気分を高めるアンバーグリスの香りは、恋をする女性の強いアイテムになります。ぜひ、恋の必勝アイテムとしてアンバーグリスを取り入れてみてください。
☆アロマセラピスト菊池より一言☆
媚薬として古代から利用されていたアンバーグリス。マッコウクジラから奇跡的にしか手に入らない石のような塊が人を魅了するセクシャルな香りを作り出すなんて…古代の人々の発見に驚きです。
1g2000円の価値があるとか。現在はほとんど合成の香料で作られているので、天然の香りを嗅ぐ事は難しいかもしれませんが、高級ブランドの香水などにアンバーグリスの香料が配合されています。ハーブから抽出される精油とはまた違う香りを一度楽しんでみてください。
私はアンバーグリスの香りで、主人のハートをもう一度キャッチしてみたいと思います(笑)
※アロマオイル(精油/エッセンシャルオイル)を使う際の注意点
アロマオイルは医薬品ではないため、「治療」できるものではありません。ここに掲載されている内容は精油の効果効能、心身の不調改善を保証するものではありません。予めご了承ください。症状がひどい場合は医療機関を受診することをおすすめいたします。実際にアロマの香りに癒されるという方はたくさんいます。自分の体の状態や気分に合わせて上手に取り入れてくださいね。