おすすめのお香、カジュアル&逸品ブランドは?ユニセックスで楽しめる人気の香りも
お香の歴史はとても古く、聖徳太子に献上された淡路島に流れ着いた香木から始まったという諸説があります。その歴史は1400年を超えますが、現代でも人気は廃れることなく、多くの人に楽しまれています。立派な流派もある香道では、お香は「嗅ぐ」ではなく「聞く」といいます。静かに燃える音や揺らぐ匂いや煙から五味を創造するという、日本的な多彩な表現ですね。お香の魅力とは一体なんなのでしょうか?早速みていきましょう!
2018年11月27日更新
記事の目次
[1]癒し以外にもこんな効果があるお香
昔は、主に魔除け・厄除けの目的で使用されており、日本の香といえば仏教との結びつきも強いものでした。しかし、平安時代を迎え貴族たちが、ひとつの教養としてお香を楽しむようになり現代のお香文化ができていったのです。
今では、日本の伝統文化の香道というものが、茶道や華道と同等に外交人にも広まっています。香道にも細かい作法をがありますが、その作法を守ることよりも、香そのものを楽しむことが一番大事です。
本来のお香の役割は、浄化です。塩でのお清めと同じような目的で、お香を焚いて負のエネルギーを浄化するスピリチュアルな作用があります。香りだけでなく、火と煙の力でも浄化効果を得ることができ、空間を清めることができます。古代から、火は唯一物の姿を変化させることができるということから強い浄化作用があると云われてきました。
そして、煙がいく方向には悪い気が溜まっているので、お香を焚いた際は煙の流れにも目を向けてみても面白いかと思います。負のエネルギーが浄化されることで、開運効果も得られるかもしれません。
お香文化が現代まで廃れずに注目されているのは、やはりリラックス要素が高いからではないでしょうか。仕事や家事に追われ、ほっとする時間がない現代人です。テレビやスマホから解放されて何もせず、お香の香りやゆらゆらした煙を見ることで心が落ち着き穏やかな気持ちになれそうですね。
また、蚊取り線香もお香の一つです。どのお香にも防虫効果があるので、蚊取り線香に限らず、好きなお香を焚いてもかまいません。赤ちゃんがいる家庭では、呼吸器官に刺激を与えてしまいアレルギーを引き起こす可能性があるので十分に注意しましょう。
一般的な香木
- 伽羅
英名では、サンダルウッドの名で知られています。沈香の一種なのですが、数千年以上も酸素に触れずベトナムの湿地帯に埋まり発酵したもので、希少価値が大変高く高価だとされています。沈香と比べて、はるかに香り高く一流の調香師でも伽羅の香りを再現するのは困難だといわれています。
純粋な伽羅の香りを楽しみたい人は、香木を購入することをおすすめします。上質な伽羅が配合されているお香は、一束1万円以上するものも多くあります。
- 沈香
東南アジアに生息する樹木が虫に食われたり老木となってできた傷にバクテリアが作用し長い年月をかけて、特有の香りを発する樹木へと変化していきます。高品質なものだと100年~150年の年月がかかるといわれています。産地によって香りの特徴が変わり、タイやベトナム産では甘い香りが特徴で、インドネシア島産では、香りの苦みが特徴的なのだそうです。
通常の木よりも重さがあり、水に沈むために沈香といわれています。人口的にドリルで穴をあけて化学薬品を用いた沈香栽培もありますが、天然のものとは全く質が違います。おそらく値段の比例してその香りの質が違うのでしょう。
- 白檀
インドでは昔から高貴な木として扱われてきました。近年では、伐採制限や輸出規制がかけられており、最高級のインドのマイソールさんのものはとくに手に入りにくい傾向となっています。白檀は少し甘みを感じる落ち着いた香りです。お線香にも使われているので、一番日本人に親しみやすいのではないでしょうか。
[2]日本発祥のおすすめお香ブランド4選
スティックタイプ
始めから終わりまでほぼ均一に香りが広がり、約30分から1時間の持続性があります。スティックを折ることで時間の調節ができます。ゆっくり香りを楽しみたい方には、スティックタイプがおすすめです。
東京香堂
■出典:東京香堂
日本と西洋の伝統技術を融合させたブランドです。香水の歴史が深い南フランスで、自然が与えてくれる心の癒しとエネルギーを暮らしの中で感じてきた夫婦が立ち上げ一期一会の香りを作るブランドです。香りを見えないアートのひとつと捉え、ファーストコレクションは西洋と和の融合を感じさせるデザイン性の高いパッケージです。
5種類の香りがすべて楽しめるトライアルセットがおすすめ!ガラスの試験官にそれぞれ入れられたカラフルなお香はプレゼントにも喜ばれそうなデザインです。
淡路梅薫堂
■出典:淡路梅薫堂
日本の線香製造の7割を占める淡路島、なかでもお香の町・江井は偏西風を利用できる西海岸にあり線香作りにより適した条件の立地にあるブランドです。明治38年創業というふるい歴史を持ち、「甘茶香」という神仏好みのお香の唯一の製造元です。そこで作られる「精油のしずく」は高品質の天然精油を用いています。
ローズのような香りが幸せな気分にしてくれるゼラニウム、イライラ解消には癒しのラベンダー、甘くエキゾチックな香りで女性の魅力を高めてくれるイランイラン、心にエネルギーを与えてくれるレモングラスカラフルな色のお香で見た目にも楽しませてくれるアイテムです。
juttoku
■出典:juttoku
お香の香りは、身体へ吸い込むものであるため優しくなければならない、という信念を持って、合成香料は一切使わず、信頼できるルートから手に入れた貴重な天然香料にこだわったお香作りをしています。香の原料の特徴を知り尽くした、香りマイスターである「香司」が製造を担っており、その日の環境変化にも対応した細かい配合調整を熟練された技法で、商品コンセプトにあった世界観の香りを調合しているのです。
ワークショップも開催されており、日本の文化に興味がある海外の方からも人気のイベントのようです。
- 自然の叡智シリーズ「蓮凛」「木春」「雅月」
自然と一体になり和やかな気持ちで自分と向き合い成長・安定できる時間へと導いてくれるような香りです。
- 月の満ち欠けシリーズ「満月」「新月」
自然のリズムとの調和をコンセプトに作られています。女性の身体も月の満ち欠けに例えられますが、この自然のリズムと共鳴した時間ができたら素敵ですね。
- 和の精神シリーズ「閑寂」「清廉」「幽玄」
時代は変われども、昔から変わらない和の精神は日本人として持ち続けたいものです。この香りをつうじて立ち還ってほしいという願いが込められた香りです。
コーンタイプ
コーン型は、燃焼時間はスティックの約半分ほど。しかし、香りの広がりが早いので短時間で香りを楽しみたい人や急な来客前にはとてもおすすめです。燃焼部分もスティックタイプよりも面積が大きい分、煙の量も増えます。スティックタイプよりも強く匂いを感じたい人にもおすすめです。
薫寿堂
■出典:薫寿堂
こちらも淡路島に工場を持つお香のブランド企業です。和の香りの「天寳(てんぽう)」は伽羅・沈香・白檀の3種類の香りがあります。100%天然原料にこだわり抜くことで、本物の天然香木の香りを再現し、奥深い香りを味わうことができますが大変高価。普段使いには、トロイメライシリーズがおすすめです。天然消臭成分のフラボノイドが配合されており8種類のフローラルな香りから選ぶことができます。
新ジャンル!?和菓子のような置香
■出典:招福香 七福神
スティック香でおすすめしたブランドの「Juntoku」から和菓子のような美しく細かい細工が施された印香が発売されています。職人が、丹念に彫った木型と、天然の原料にこだわってすべ手仕事でひとつひとつ仕上げられています。季節によってモチーフが変わるようです。
お月見を題材にした印香はすでに完売ですが、現在は七福神と宝船がセットになった招福香が販売されています。職人の心のこもったお香は、さらに縁起が良くなりそうです。今年お世話になった方へのお歳暮に、福薫る贈り物はいかがでしょうか?
[3]メンズにもおすすめ!海外系のお香はインドのHEMが断トツ人気
カジュアルにお香を楽しみたいなら、HEMがおすすめです。種類の豊富さは他ブランドの群を抜いています!その数なんと200種類!HEMの特徴である、6角形のパッケージを見かけたことがある人はとても多いかと思います。
チャンダン
ヒンドゥー語で、白檀のことですが、日本の白檀の香りに比べて少しスパイシーでエキゾチックな香りです。HEMの1番人気で、万人に心地よさを感じさせる安定の香りです。
プレシャスフレグランス
男性でも取り入れやすいムスクベースの香りです。ムスクと聞くと、オリエンタルなイメージを抱きやすいですが、フローラルな香りも混ざっており爽やかさもある香りです。
ホワイトセージ
HEMのお香の中で、爽やかさが感じられるお香ランキングのトップに入るアイテムです。少しメントールが香るフレッシュな香りです。セージは浄化力が高いので、お部屋の空気がなんだか重たいなと感じる方はぜひ使用してみてください。
ココナッツ
夏を感じる香りのココナッツですがHEMでは年中を通して人気の定番商品です。バニラほど重たくないココナッツの香りは暑い夏にもストレスなく楽しむことができ、焼き菓子のような香りが部屋に充満すると幸せな気分に慣れそうです。
HEMのお香はどこで購入がおすすめ?
実際にお香を手に取り香りをチェックしてみたい、というときはやはり実店舗へ足を運ぶのがベター。「ドン・キホーテ」や「ビレッジバンガード」には数多くのHEMのお香が揃っていますので、気になる方はぜひチェックしてみましょう!
一箱に20本も入っているにも関わらず、お値段なんと約100円という優秀なコスパです!日本のブランドに比べて圧倒的にカジュアルに楽しめるHEMのお香で、ぜひ色々な種類の香りをコレクションしてみてくださいね
[4]一度は訪れたい!日本の伝統文化を引き継ぐ老舗のお香専門店
京都編
鳩居堂
■出典:鳩居堂
鳩居堂は、今から約350年前、京都寺町で薬の原材料を扱うお店として始まりました。薬の原材料の中にお香が共通して多くあり、それから40年ほどしてお香の製造から販売を手掛けるようになりました。明治10年には、宮中から秘伝の調香法を授けられ。いまも一子秘相の秘技として受け継がれているのです。
平安時代には、梅や蜂蜜と香料の粉末を練り合わせオリジナルの「薫物(たきもの)」を創作しそのセンスを競い合ったといわれています。そのなかでも優れた6選を「六種の薫物(むくさのたきもの)」と呼び、それぞれ春夏秋冬の季節を表現しているようです。その再現された香りが購入できる鳩居堂のスティック香。お値段も20本入りで2,000円前後と、やはり老舗の価格です。
林龍昇堂
■出典:林龍昇堂
京都三条通で、薫香の小売りから始まった創業180年のお店です。二代目当主が基礎となる調香技術を学び、のちに香水線香を開発しアメリカ貿易を始めました。歴史と伝統の継承をしている「京の老舗」として京都府から表彰を受けており、店舗建物も京都市の定める歴史的広告物として指定されており、江戸時代にトリップしたような感覚になれる刻まれた歴史を感じられる店内です。
商品は、灯篭をモチーフとした江の島香。神奈川県の江の島神社は日本三大弁財天のひとつで、江戸時代に弁財天信仰が流行し多くの東国武士たちが参拝した影響からこの江の島香が作られました。また京都らしい大文字のレトロな箱のデザインが目を引く梅や桜型の大文字香などユニークな商品のラインナップも取り揃われています。
日本香堂
■出典:日本香堂
創業400年を超える日本の老舗店です。お線香といえば!毎日香を思い浮かべる人も多いかと思います。明治・大正と文明が大きく動いた日本で、西洋の香水を和の香で再現できないか試行錯誤を重ね時代の最先端を作るモノづくりをしてきました。日本人なら誰もが愛する和花をモチーフにした「かゆらぎ」は、香りと揺らぎで私たちに心地よい空間を与えてくれます。なかでも一番人気の香りは、白檀の香りです。
古代インドのアーユルヴェーダでは、自然治癒力を高める香として医療にも用いられてきました。呼吸器系の不調の改善におすすめです。香りも食べ物と同じように体内に取り入れることでその効果が得られるというのは、とても興味深いですよね。白檀は、瞑想の時にも用いられる香りで、集中力を高める効果もあります。勉強や仕事をはかどらせたい時にぜひ取り入れてみてください。
[5]お香のリラックス効果で心を鎮める香りを見つけよう
和の香りは心を静めてくれますよね。緊張や不眠、興奮、精神疲労など、現代人は自律神経がなかなか休まりません。香りによるリラックス効果といえばアロマエッセンスと一緒ですが、違う匂いの楽しみ方があるかと思います。
香りだけでなく、炎や煙をみて楽しむことで自分の心の気付きがでてくるのではないでしょうか。カジュアルに香を楽しむもよし、香道を学びたい人はその所作を身に付けるのもよし香を聞く体験をぜひしてみてください。