香水マニアが語る『フレデリック マル』と『キリアン』の日本上陸について!
香水マニアをザワつかせた「フレデリック マル」と「キリアン」日本上陸。 なぜそんなにマニア達をザワつかせたのか?また今回の日本上陸がどれだけ衝撃的なのかをその魅力を交えつつ、レポートします。これを読めば、この2つのブランドを知る人も知らない人も、きっとお店に行って香りを試したくなるはず……。
2018年11月12日更新
記事の目次
[1]『フレデリック マル』とは?
『フレデリック マル』?えっ?知らないよっ。て方も多いと思いますので、まずは『フレデリック マル』のバックグラウンドから簡単にご紹介いたします。
『フレデリック マル』は、パルファム・クリスチャン・ディオールの創設者を祖父に持つフレグランス界のプリンス、フレデリック・マルが立ち上げたブランドです。
彼は、マーケティング戦略や時間・原料やコスト等の一切の制限を取り払い、彼自身が信頼した調香師にのみ香水を依頼する。という驚くべき手法で、高品質で芸術性の高い香水を発表してきました。
そんな自由な発想から生まれた香りだからこそ、アーティスティックであり、斬新でもあり、結果的にファッション業界の人々や、香りに対する感度の高い人々の心を掴んでいったのだと思います。
香水マニアたちをザワつかせたその訳とは?
これまで、『フレデリック マル』は伊勢丹新宿店かトゥモローランド渋谷本店にしか入っていませんでしたし、香水のみで、ボディケアラインは一切ありませんでした。
しかし、今回の日本上陸で、ボディケアが登場!!そして11月からはキャンドルも扱われるということで、香水マニアたちはザワつかずにいられなかったのです!
私たちマニアにとっては、香水のみならずボディケアアイテムもお気に入りの香りで揃えたい♪というのが心情ですから……
ちなみに『キリアン』は、日本初上陸です!!
これまでネットで購入するしかなかったキリアン。試したくても試せなかったその香りを、気軽に試せる日がくるなんて嬉しい限りです。
今回、『フレデリック マル』だけでも衝撃的なのに『キリアン』も入る、しかも隣に……という点がビッグニュースなのです。『キリアン』についてはのちほどじっくりレポートします。
まずは、『フレデリック マル』から……
実際にカウンターに足を運んでみて
赤と黒のディスプレイは、一際目立っていてスタイリッシュ!
胸高鳴らせながら近づくと、壁のディスプレイにはフレデリックマルと調香師たちの写真が……コレ、他のブランドではほとんど見られない光景です。調香師がこんなふうに表に出るシーンなんてないですから。
みなさん、お手持ちの香水がどの「ブランド」であるかはご存知でも、調香師が誰であるか?なんて知りませんよね。
でもこういう細かいところに調香師へのリスペクトが表れているのが素敵ですし、マルが愛される所以でもあるような気がします。
コンパクトなショーケースに美しく整列したボトル達にも思わず目が釘付けに。これは香水マニアでなくとも、わぁっ!っと思わず引き寄せられてしまうボトル数。
前列に『フレデリック マル』の中でもメジャーな香り9点が並んでいますが、なかでも人気なのは、オバマ大統領やジョージ・クルーニーが愛用しているということで話題になった「ムスク ラバジュール(破滅のムスク)」や、「ポートレイト オブ ア レディ(ある貴婦人の肖像」)。
「ムスク ラバジュール」は、セクシーなアンバーオリエンタル。
ベルガモット、ラベンダー、の爽やかなトップから野性味のあるアンバー、バニラ、ムスクへ変化を遂げ、サンダルウッドとムスクのラストへ。洗練された大人なセクシーさを感じる香りです。
「ポートレイト オブ ア レディ」は、スパイシーなターキッシュローズから、徐々にパチュリやフランキンセンス、サンダルウッドが顔を出し、ミステリアスでセンシュアルな香り。
こちらはファーやコートについた残り香も素敵でこれからの季節にもオススメです。
代表的な香りをセットにしたこんなアイテムも……
気になる香りがあって1つに絞りきれない!という方にぴったりなのが、こちらのセット。5種類の香りが7mlサイズでボックスに収められています。
LES ESSENTIELS POUR ELLE(レゼッソンシエル プール エル)
左から
■CARNAL FLOWER(カーナルフラワー)
■EAU DE MAGNOLIA(オー ドゥ マグノリア)
■IRIS POUDRE(イリス プードゥル)
■MUSC RAVAGEUR(ムスク ラバジュール)
■PORTRAIT OF A LADY(ポートレイト オブ ア レディ)
ボディケアライン
今まで日本未入荷だったボディミルク・ボディオイル・ヘアフレグランス・ハンドクリームを試してみました。
名前は同じでも香水とボディミルクやオイル、ヘアフレグランスとではだいぶ雰囲気が変わります。
ボディミルクになるとすこし柔らかい印象に……でも決して香りが薄いというわけではなく、肌に馴染みつつしっかりと定着します。香水よりも自然な香り立ちを好む方にはこちらのボディケアラインはとても重宝するかと思います。
私は、4つ試したうち、とても気に入った「オー ドゥ マグノリア」を購入しました(下写真)。
マグノリアはフローラルに入るのでしょうが、フローラルといっても柑橘系の爽やかさもあるため嫌味のないスッキリとした香り。そしてどことなく品のある香りでもありました。
肌に乗せた感触も、スーッと馴染んでしっかり保湿してくれる感触があり、これからの季節にかなり活躍しそう!と思えました。
香りは自分の気持ちをあげてくれるアイテムでもあると共に、「こうなりたい」という憧れに近づけてくれるというか、理想に一歩踏み出せた気分にさせてくれるものだと思いますが、マルには特にその力があるように思えてなりません。
[2]『キリアン』とは?
さて、いよいよもうひとつの……日本初上陸のブランド『キリアン』をご紹介いたします。
『キリアン』はLVMHグループの創始者の孫であるキリアン・ヘネシー(Kilian Hennessy)が2007年に立ち上げたブランドです。
世界的コニャック メゾンとして名高いヘネシー家のキリアン・ヘネシーが手掛けるキリアンは、自身が経験した世界中の文化やアート、文学などからインスピレーションを得て作り上げられています。
独特の世界観を感じるボックスのデザインなども特徴的。
まだ上陸したばかりで謎多き『キリアン』。
私が『キリアン』に興味を持ったきっかけは、香水マニアの友人がいち早く持っていたウードの香りでした。今まで試したどの香りにもない深みのあるウードの香りに衝撃を受けたと共に、その真っ黒なボトル、ゴールドのプレート……と、デザインも好みで、自分も欲しいと思ったのです。
しかし、香りを試さずにwebで購入する勇気が出ず、二の足を踏んでいました。やっと念願の現物を見られるということで、気になるアイテムをチェックしてきました。
VOULEZ-VOUS COUCHER AVEC MOI(ヴレ ヴ クシェ アヴェク モワ)
以前から気になっていたこちらの「VOULEZ-VOUS COUCHER AVEC MOI(ヴレ ヴ クシェ アヴェク モワ)」を真っ先に試香。
そのボトルイメージから一筋縄でいかない濃厚な香りかなと思いきや、意外にもとても上品で官能的で女性らしい香り。きっとこれは香水ビギナーの方にもすんなり受け入れられる香りなのではないかと思いました。
Vodka on the Rocks (ウォッカ オン ザ ロックス)
コニャック メゾン出身という背景ならではの「ウォッカ オン ザ ロックス」という氷で冷えたウォッカの香りを連想させるボトルもあり、お酒好きの私としては、個人的に非常に興味そそられました。
試香しましたが、確かにお酒感を全面に感じるクールな香り。ロックウォッカの、ひんやりとした感覚を再現するため、コリアンダーとカルダモンのコールドスパイスにアルデヒドを掛け合わせているのだとか。
目を閉じると、barでウォッカのカクテルを手にしている自分が思い浮かぶよう・・・。ボトルもシルバーでとてもかっこいいです。男性に人気があるのも頷けますね。
GoodGirl Gone Bad(グッドガール ゴーン バッド)
世界的に1番人気なのは、こちらの「グッドガール ゴーンバッド」だそう。フレッシュなジャスミンにアプリコットのようなフルーティなオスマンサス。
フローラルフルーティというと可愛らしい印象ですが、そこで終わらず、ナルシソの官能的なムードや、チュベローズのミルキーさ、シダーやアンバーが複雑に絡み合いどこか退廃的で大人な雰囲気に……
それはまるで純粋無垢なお嬢様が自身で意図しないのに最高の悪女になってしまうような、そんな感じに似ています。
そしてなんと!『キリアン』にもボディミルクが並んでいました(下写真)。
白ボトルが「グッドガール ゴーンバッド」、黒ボトルが「ストレート トゥ ヘブン」の香り。
白ボトルは、ボディミルクになると少し香水の濃厚さが消え、フルーティーさが勝るように思えました。黒ボトルも同じくです。
『キリアン』はこんな感じで店頭に並んでいます。
プレートに香水のタイトルがそれぞれ入っていますが、パッと見てどの香りなのかはわかりにくいため、スタッフさんにお声がけして好みの香りのボトルをいくつか出してもらって選ぶのが間違いないかと思いますよ♪
ぜひ!みなさんも、日本本格上陸した新しい香りを試しにいってみてくださいませ。
今までにない新しい発見があるはずです……