香水の使用期限は何年?劣化の目安と正しい保管方法、活用術まで
香水の使用期限がふと気になったことはありませんか?購入から数年が経つと「肌につけても大丈夫なの?」「香りが変わっているかも……」と心配になりますよね。そこで今回は、香水の使用期限や劣化の目安を解説します。香水の正しい保管方法や期限切れの香水の活用術もあわせてチェックしてみてください。
2024年03月14日更新
記事の目次
香水の使用期限は「3年以内」が目安
香水の使用期限は何年なのでしょうか。答えは「3年以内」が目安です。
香水は、医薬品医療機器等法(薬機法)という法律で「化粧品」に分類されるもの。化粧品類は「製造後3年以内に変質する恐れのあるもの」を除き、使用期限を明記する義務がありません。
つまり使用期限が記載されていない香水は、製造から最低3年間は品質を維持できます。裏を返せば、”3年を超えた場合は品質の保証ができない”ということです。
すべての香水が3年で劣化してしまうわけではありませんが、使い切る時期の目安として覚えておきましょう。
未開封の香水は3年以内
香水には防腐作用のあるアルコール(エタノール)が含まれるため、未開封であれば3年間は品質を保てるといわれています。
ただし注意点として、使用期限の目安は「購入から」ではなく「製造年月日から」3年以内です。フリマアプリなどで香水を入手する際は、できるだけ製造年月日が明記されているものを選びましょう。
多くの場合、製造年月日は香水の外箱やボトルの底などに記載されています。わからないときは、ブランドや店舗に問い合わせると調べてもらえることもあるようです。
ブルガリやジョーマローンなど、有名なブランドの香水であれば、一度問い合わせてみるのもよいでしょう。
開封後の香水は1年以内
香水の開封後は「1年以内」を目安に使い切ることをおすすめします。
香水は、開封して空気に触れたときから紫外線や雑菌、アルコールの揮発などによる劣化がはじまります。劣化の進んだ香水を使用すると、シミや肌荒れなどのトラブルが起きる可能性も否定できません。
香水を購入する際は「1年以内に使い切れるかな?」と考えるクセをつけましょう。デイリー使いする香水はフルボトルを、特別なシーンのみ使う香水はミニボトルを選ぶのもひとつの手です。
中には10年以上使えるものも!
製品やブランドによっては、10年以上使える香水もあります。長く品質を保つには成分の質が高いことも重要ですが、香料やボトルの種類なども関係しています。
たとえば、合成香料は天然精油に比べて香りが飛びにくい特徴があります。ボトルにおいては、遮光性や密閉度の高いものほど品質を長くキープできます。
香料、ボトルともに高品質かつ劣化しにくい条件がそろえば、10年以上品質を維持できることも考えられるでしょう。もちろん、保管状態がよいことが第一条件です。
香水の劣化を確認する3つの方法
いつまでも使えるようにも見える香水ですが、「そもそも香水の劣化はどうやって判断するの?」と疑問に思っている方もいるはず。そこで、劣化を確認する3つの方法を解説します。
お気に入りの香水をベストな状態で使用するためにも、劣化の目安を知っておきましょう。
1.見た目の変化をチェック
香水は、アルコールが揮発するとともに色が濃くなっていく特徴があります。
このように色が変わっても、香りに問題がなければ使用できるという考え方もあります。しかし変色した香水を使うことで肌への悪影響が出るリスクもゼロとはいえません。
透明だった液体が黄色やアメ色に変化した場合は、念のため使用を控えることをおすすめします。色を確認する際は、ティッシュなどに吹きかけると分かりやすいですよ。
2.香りの変化をチェック
久しぶりに香水を使う際は、香りの変化を見逃さないようにしましょう。ツンとするニオイや油のようなニオイが目立つときは劣化が進んでいる恐れがあります。
アルコールの揮発とともに香りが濃くなっていくのは自然なことです。しかし、ニオイに明らかな違和感を感じるときは使用を中止してくださいね。
3.パッチテストをおこなう
肌トラブルを避けるため、劣化が心配なときはパッチテストしてください。化粧水や乳液などの化粧品でも用いられている方法をご紹介します。
<パッチテストのやり方>
1.香水を絆創膏に吹きかけ、肌に貼る。
2.1時間後に剥がして写真を撮る。撮り終わったら再度絆創膏を貼る。
3.絆創膏を貼って48時間後に絆創膏を剥がし、写真を撮る。1時間後と48時間後の肌の状態を確認する。
赤みや腫れなどが現れた場合は、肌トラブルを起こす危険性があるため、香水の使用は控えましょう。
香水の使用期限を確認する方法はあるの?
これから新たに香水を購入する場合は購入日や開封日をメモしておくことが有効です。見た目や香りに大きな変化が感じられなくても目安の使用期限を過ぎている場合は使用を避けることができます。
すでに購入している香水の使用期限について知りたい場合には、購入店に問い合わせて確認してもらえるかどうかを聞いてみましょう。
ハイブランドの香水は店頭に持って行くと、ラボなどに送り調べてもらえることもあるようです。このような確認方法が使えない場合には自分でチェックします。
まずはカビや変色など明らかに劣化しているかどうかを確認しましょう。
次に香りを嗅いで酸っぱい、埃っぽい、香り方が弱い、いつもと違う香りがするなどの変化を調べます。異常を感じた場合には使用は控えましょう。
香水の劣化を早める4大原因はコレ!
同じ香水でも、保存状態や環境によって劣化のスピードは変わるもの。いい状態で長く使うためには、劣化を早める原因をできるだけ取り除く必要があります。
ここからは、香水の劣化を早める4つの原因を解説します。
・光
直射日光は香水の劣化を早める大きな原因となります。紫外線は食品や香料を変質させる特徴を持っているからです。
実は蛍光灯にも微量の紫外線が含まれており、香水の劣化を早める原因になるといわれています。直射日光や蛍光灯の光はできるだけ避けて保管しましょう。
・温度変化
激しい温度変化は、香水に含まれる成分が変質する原因となります。特に夏場や冬場はエアコンなどによる温度変化が起こりやすいため、香水の保管場所には気をつけましょう。
香水の変質を防ぐには、温度を一定に保つことが大切です。温度は、低すぎず高すぎない10〜25度ほどが望ましいといわれています。
・空気(酸素)
香水の成分によっては空気に触れることで酸化が進み、変質してしまう場合があります。それだけでなく、空気に触れるとアルコールの揮発や雑菌の混入も起きやすくなります。
空気を完全に遮断することはほぼ不可能ですが、なるべく空気に触れないように保管しましょう。
・カビ、細菌
カビや細菌は、物質の腐敗を促す原因となります。香水には殺菌作用の高いアルコールが含まれるため、本来はカビや細菌が発生しにくいとされています。
しかし使い方や保管状態によっては香水もカビや細菌の影響を受けます。特に日本は湿気が多いため注意が必要です。
香水のベストな保管方法
香水をつける頻度が少なく、期限内に使い切る自信がない方もいるでしょう。「数回しか使っていないのに劣化してしまった」という事態になるともったいないですよね。
そこで、香水のベストな保管方法を解説します。今日からでも保管方法を見直せば、劣化を遅らせることができるはずです。
低温・高温・多湿を避ける
香水は冷蔵庫ではなく、高温多湿を避けられる冷暗所にて保管をしましょう。
極端に低温・高温の場所や湿度が高くじめじめした場所は、香水の保管場所に適していません。
冷蔵庫は2〜6℃と温度が低すぎるため、香水の保管には不向きです。取り出したときの温度変化で成分が結晶化してしまう可能性があるからです。
湿度の高い洗面所などは、雑菌が発生しカビの原因となるため注意しましょう。
香水そのものにカビが繁殖することは少ないですが、フタやスプレー部分にカビが生える例はめずらしくありません。
香水のベストな保管場所の例として、ワインセラーが挙げられます。
13〜15℃と低すぎない温度で保管が可能です。香水用にワインセラーを用意するフレングランスマニアもいるほどなんですよ。
日光の当たらない場所に置く
窓際など日光の当たりやすい場所には、香水を置かないようにしましょう。紫外線は、香水の変色や劣化の原因となるからです。
手軽な保管方法としておすすめなのが、香水を購入したときの箱に入れておくことです。
香水の箱はおしゃれなものが多いため、インテリアのひとつにもなりますよ。
箱を捨ててしまったという方は、遮光性のあるプラスチックケースなどを活用するのもいいですね。
茶色や黒といった濃い色のケースほど遮光性に優れています。
フタを締めて揮発を防ぐ
香水を使った後は、フタを閉めるのを忘れないようにしましょう。スプレー部分をむき出しにしておくと、アルコールの揮発が進んでしまいます。
アルコールが揮発すると香水が目減りしてしまうのはもちろん、香りや色の変化にもつながります。
しかし、そもそも香水ボトルは完全な密閉状態ではないため、揮発を100%防ぐことは不可能です。それでも、使うたびにフタを閉めるだけで目立った揮発は防げるでしょう。
なかには、フタの上から密封できるテープでさらに封をする方もいるのだそう。空気に触れにくい状態にしておけば、酸化や雑菌による劣化も防げます。
まだまだ使える♡期限切れの香水の活用術
香水の使用期限が切れているけれど「思い入れがあって捨てられない……」そんな方も多いのではないでしょうか?
実は期限切れの香水も、工夫すればまだまだ使い道があります♪今回は、そのなかでも手軽な活用方法を4つご紹介します。
ルームフレグランスにする
使用期限切れの香水は、ルームフレグランス(芳香剤)として使えます。
手軽に楽しみたい方は、ハンカチや厚紙に香水を吹きかけるだけでOK。部屋に置いておくだけで優しい香りが広がります。
見た目にもこだわりたい方は、おしゃれな雑貨屋さんで見かけるようなリードディフューザーを作ってみませんか?
作り方は簡単で、香水を入れたビンにラタンスティックや竹串を差すだけ。
スティックの量で香りの調節もできるので、自分好みの快適な空間が作れます。香りが強すぎると感じたら、無水エタノールで少しずつ薄めてみてください。
自宅でも外出先でも香りを楽しみたいなら、サシェ(香り袋)がおすすめ。バッグに入れたり靴箱やクローゼットに置いたりと、あらゆる使い方が楽しめますよ。
サシェの詳しい作り方は、こちらの記事を参考にしてくださいね♪
練り香水にする
穏やかな香りが魅力の練り香水。実は、手持ちの香水で簡単に作れるんです♪
さっそく、基本的な練り香水の作り方をご紹介します。
【材料】
・香水
・白色ワセリン
・清潔なスパチュラやスプーンなど
・クリームケース
【作り方】
1.スプーンなどで、ケースの8分目くらいまで白色ワセリンを入れます。
2.香水を3プッシュ程度入れて混ぜます。
手の甲などにつけて、香りを確かめながら量を調節すると完成です。
保湿力の高いワセリンが主成分なので、ハンドケアなどにも使えます。白色ワセリンやクリームケースはドラッグストアなどで購入できますよ。
小物にワンプッシュ
ハンカチなどの小物に、香水を吹きかけて持ち歩く方法もおすすめです。バッグやポケットからハンカチを取り出すたびにふわっといい香りが漂います。
名刺やお手紙にほんのり香り付けするのも◎。相手に素敵な印象を残せること間違いありません♪
肌につけるのとは違って体温や体臭の影響を受けにくいため、香水本来の上品な香りが楽しめる魅力もあります。
バスタイムにも◎
使わなくなった香水は、バスタイムにも活用できます。
お風呂に2〜3プッシュの香水を吹きかけるだけで、癒やしのアロマバスに。お気に入りの香りに包まれながら湯船につかると、1日の疲れも吹き飛びそうですね。
お風呂で香水を使う際は、余った香水を排水溝などに流さないようにしましょう。香水は油分やアルコールを含むため、排水溝が傷んでしまう恐れがあります。
香水の正しい捨て方が知りたい方は、こちらの記事をチェックしてみてくださいね。
香水の使用期限に関連するよくある質問
香水は1回の使用量が少ないため、期限内に使いきれなかったという方も多いではないでしょうか。ここでは、香水の使用期限に関連するよくある質問をまとめました。
古い香水がまだ眠っているという方は、ぜひ参考にしてください。
香水は古くても大丈夫?
結論としては、香水の状態によって判断する必要があります。
香水には防腐剤が含まれていますが、開封後は徐々に劣化していくのです。
一般的に、香水の使用期限は未開封で3年、開封後1年と言われています。
しかし、これはあくまで目安であり、保管状態によっては、もっと早く劣化することも。
香水は古くなると、香りや成分が変化し、本来の香りを楽しめなくなる可能性があります。
また、肌トラブルを引き起こすリスクも高くなるので、使用前にパッチテストをしましょう。
香水は何年で捨てるべき?
香水は、以下のいずれかに当てはまる場合は、捨てることを検討しましょう。
- 購入してから3年以上経過している
- 開封してから1年以上経過している
- 香りが弱くなっている
- 色が変色している
- 沈殿物が発生している
これらの変化は、香水の成分が劣化していることを示しています。
古くなった香水の匂いは?
古くなった香水は、以下のような匂いがすることがあります。
- アルコール臭が強くなる
- 香りが弱くなる
- 酸っぱい匂い
- 金属のような匂い
これらの匂いは、香水の成分が変質していることを示しています。このような変化を感じたら、使用を控えた方がよいでしょう。
使用期限に気をつけて、大切な香水を最後まで楽しもう♡
香水の使用期限は、明確に決められているものではありません。しかし目安として意識しておくだけで、色や香りの変化に気付きやすくなるでしょう。
香水を保管する環境にも気を配れば、フレッシュな状態の香りを長く楽しめるはず。
すでに期限切れの香水をお持ちの方は、練り香水やルームフレグランスへのリメイクにもぜひ挑戦してみてください♪
昔から持っている大切な香水を、ぜひ最後まで楽しんでくださいね。