ターメリックはスパイスの他にも使える万能食材!その効果とおすすめの食べ合わせ

ターメリックというと、カレーを作る時に使う香辛料をイメージする人が多いと思います。カレーに使う他にターメリックはどのような使い方があるのでしょうか。また、ターメリックにはどんな栄養を含んでいるのでしょうか。今回はターメリックについて詳しく解説していきます。

2018年07月31日更新

スパイス/ハーブ

Kaede (フェリーチェ編集部)

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[1]ターメリックとは

ターメリックの原産はインドで、紀元前から医療用として使われていました。ショウガ科ウコン属の多年草ウコンの根茎を乾燥させ、パウダー状にしたものがターメリックで、料理用としてだけでなく、健康食品や薬用としても使われています。

また、ヒンドゥー教ではターメリックは神聖なものとして扱われていて、今でもヒンドゥー教の結婚式では新郎新婦がお互いの手や顔にターメリックを塗って祝う習わしがあります。

ターメリックの使い方

・香辛料として

ターメリックの代表的な使い方は、香辛料としてです。インド料理には欠かせないもので、ピリッとスパイシーな香りを放ちますが、味はほろ苦くジンジャーのような後味がします。その風味はまろやかでどんな量にも合わせやすい特徴があります。

・天然の着色料として

ターメリックといえば、カレーの香辛料というイメージが強いですが、実はその黄色い色を利用してマーガリンやマスタードなどの着色料としても使われています。

そして、意外なところでは日本ではたくあんの着色料として使われています。人工的ではなく、自然な天然の色素なので身体に安心の素材です。

・健康と美容に

沖縄では昔から健康食品としてウコンを生活の中に取り入れていました。ターメリックはウコンと同じ成分を持つので、美容効果や健康効果が認められています。ターメリックに含まれているクルクミンには、生活習慣病予防、肝機能向上、美肌効果などの効果が期待できると注目されています。

ターメリックの歴史

インドをはじめ、東南アジアが原産のターメリックは古来より幅広く利用されてきました。インドの伝統医学ではハーブとしてターメリックを使っています。そして、日本では江戸時代、沖縄で盛んに栽培された歴史があります。
ターメリックの花言葉は「乙女の香り・あなたの姿に酔いしれる」です。

[2]ターメリックとウコンは同じもの?

ウコンと同じ成分を持つターメリックは同じものなのでしょうか。基本的にはターメリックはウコンと同じですが、違う場合もあります。

ウコンから作られるターメリックですが、ウコンにはたくさんの種類があって、その種類によって含まれている成分や効能が異なります。健康食品として用いるウコンとターメリックは違う種類が使われることが多いので、含まれている成分と効果・効能が違ってくることがあります。

ウコンの種類

・春ウコン

春ウコンは精油成分とクルクミンがバランスよく含まれています。薬効効果が高く、刺激が強いので食用には向きません。多くは健康食品として使われます。

・秋ウコン

秋ウコンは、他のウコンと比べるとクルクミンの含有量が多いのが特徴です。風味が良いため、ターメリックなどの食用として使われることが多いです。

・紫ウコン

紫ウコンは精油成分が多く、クルクミンの含有量は少ないのが特徴です。苦味が強いので食用には向かず、薬効効果がとても高いので中国漢方などに使われます。

ターメリックに用いられるウコンは?

ターメリックとして用いられるのは秋ウコンがほとんどで、その風味を生かして食用に使われます。健康効果を期待して用いられるのは、秋ウコンよりも春ウコンや紫ウコンがほとんどです。

[3]ターメリックの成分と効果・効能

ターメリックの成分

・クルクミン

クルクミンはポリフェノールの一種です。正式名をクルクミノイドと言います。ターメリックは千種類以上の成分を含んでいますが、その中でもクルクミンは一番多く含まれている成分です。

その含有量は春ウコンの5~10倍で、効能は肝機能向上、胆汁分泌促進、解毒、胃の健康維持などの多くの優れた効能が期待できます。また、ターメリックの黄色い色素はこのクルクミンによるものです。

・ビサクロン

このビサクロンという成分は、二日酔いの低減効果を研究していたときに新たに発見された成分です。

ビサクロンは、二日酔いの予防・改善、肝障害の抑制作用、炎症を抑える作用、抗酸化作用が期待できます。

・フラボノイド

フラボノイドとは、ポリフェノールの一種で植物に含まれている成分です。色素、辛味、苦味成分で、強力な抗酸化作用を持っています。

抗酸化作用は、生活習慣病の予防やガン予防に役立ちます。生活習慣病とは心筋梗塞や動脈硬化などで、その病気の発症は生活習慣が関わっていると考えられています。主な原因は活性酸素の増加です。

活性酸素はウイルスや細菌が体内に侵入してこうようとしたときに、それを撃退してくれる力を持ったものです。

しかし、ストレスや紫外線などの要因により増えた活性酸素は、体内の脂質やタンパク質、DNAを破壊してしまいます。そして、血液中の悪玉コレステロールと結びつき、血栓を作ることがあります。

フラボノイドに含まれる抗酸化作用は、活性酸素を抑制する働きを持っているので生活習慣病を予防することにつながります。

・ミネラル

ミネラル類は身体の組織をつくる原料となり、体の働きを維持して調整する働きを持っています。5大栄養素の一つで人間にとっては必要不可欠な成分です。ミネラル類は体内で作り出すことができないので、食品から摂取する必要があります。

ミネラル類には、以下の4つの役割があります。

・骨や血液などの体をつくる成分になる
・酵素の働きをサポートする
・神経・筋肉機能を正常に保つ
・体液の浸透圧・PHを調整する

・ビタミンB1・B2・B6

ビタミンB群は、それぞれが助け合いながら神経や脳、皮膚などを健康に維持するビタミンです。

また、エネルギーを作り出す代謝をサポートする働きがあるので、人間には欠かせない栄養素です。

しかし、身体に貯めておくことができないので食事から摂る必要があります。

ビタミンB1には疲労回復効果が、ビタミンB2には成長促進効果が期待できます。そして、ビタミンB6はタンパク質の代謝をサポートする働きを持っているので、身体の成長に欠かせない栄養素です。

・精油成分

ターメリックには、ターメロン・シネオール・エレメン・クルクメン・パラメチトルイルカピノールなどの精油成分が豊富に含まれています。精油成分の働きで腸に適度な刺激を与えて便秘解消に役立ちます。

・食物繊維

食物繊維は、クアだものや野菜、キノコ、海藻などに多く含まれる栄養素です。腸内で老廃物などの不要な物質を体外へ排出する働きをします。また、糖質の吸収抑制やコレステロール値を抑える作用も期待できます。

ターメリックの効果・効能

・二日酔い対策

ウコンは二日酔いに効くと言われますが、これはクルクミンの肝機能向上の働きによるものです。このクルクミンはターメリックにも含まれている成分で、二日酔い予防と改善に効果が期待できるものです。

・美肌効果とアンチエイジング

クルクミンには抗酸化作用がありますが、これは老化の原因となる活性酸素を抑制してくれる働きを持っています。クルクミンが細胞の錆びつきを抑えてくれることで、肌の潤いを保持してくれるので、アンチエイジング効果が期待できます。

また、抗酸化作用で免疫機能が改善されるため、肌だけでなく身体の健康が維持できます。肌のシミやしわ、くすみを改善し、美肌効果に効果が期待できる成分であるクルクミンは女性に嬉しい成分です。

・生活習慣病予防

クルクミンは生活習慣病の予防効果が期待できます。高血圧の改善をしてくれるため、動脈硬化、脳卒中、糖尿病などの生活習慣病予防、そして免疫機能をアップさせてくれるため、私たちの健康維持に役立ちます。

・美容効果のあるフェイスパックとして

ターメリックの原産地であるインドでは、古くからターメリックを肌のお手入れに使用しています。ターメリックには美肌効果が期待できることを述べましたが、食べて中からキレイになる以外に、インドではターメリックを肌に塗ってパックとして使っていました。

そのパックの作り方は簡単で、ターメリックとヨーグルト、はちみつを同量混ぜます。そしてペースト状にして顔に塗り、10分ほど置いてから洗い流すだけです。

●参考元:VegewelEsquireHospitaCrip

[4]ターメリックの注意すべき点

ターメリックやウコンは摂りすぎると、肝機能に負担をかけてしまう恐れがあります。また、女性の場合は妊娠中や授乳中に摂りすぎないよう注意が必要です。

[5]ターメリックを効果的に摂る方法

ターメリックの1日の摂取目安量は、小さじ1~1.5杯程度です。大量に摂取すると肝機能や消化器官に不調を及ぼすことがあるので注意が必要です。妊娠中や持病を持っている人は医師に相談してから摂取するようにしましょう。

ターメリックの持っている成分を効率よく摂取するためには、パンや乳酸菌と組み合わせて食べる方法です。

パンの場合は、イースト菌がターメリックと合わさることでクルクミンの効果がアップします。また、乳酸菌の場合も同様で、クルクミンの効果が高まります。

カレーを食べる時に、ナンと一緒に食べたり、カレーと一緒にラッシーというヨーグルトをベースにした乳酸菌飲料を飲むのは、ターメリックをより効果的に摂取するという意味では理に叶っているといえます。

[6]ターメリックの保存方法

ターメリックを保管する場合、生のものの場合は冷凍で保存するのがおすすめです。ターメリックをきれいに洗って、すりおろして冷凍します。その場合、密封できる袋に入れてしっかり空気を抜いて冷凍しましょう。冷凍保存しておくと、使いやすいだけでなく有効成分の効果を損なうことがありません。

ターメリックは普段はあまり口にすることがないでしょうが、私たちの身体によい成分を含んだ食材です。スパイスとしても健康食品としても優れていますので、意識して取り入れてみてはいかがでしょうか。

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