チーズの種類ごとの特徴やカロリー・食べ方!含まれる栄養成分も紹介
チーズが好きな人は、味はもちろんその香りがたまらないと言います。中には独特な香りがするものもありますが、その個性的な香りがいいそうです。チーズはさまざまな種類があり、その種類ごとに口当たりや香りが異なります。今回はチーズの種類ごとに、その特徴やカロリー、そして栄養価をご紹介いたします。
2018年07月31日更新
チーズの基本である2つのチーズ 種類と特徴
ナチュラルチーズ
現在市販されているチーズは大きく分けて2つに分けられます。一つはナチュラルチーズです。ナチュラルチーズは、菌の発酵が進み続けているチーズのことを言います。
輸入チーズの多くはこのナチュラルチーズで、国産でもスーパーなどにカマンベールチーズなどが売られています。
プロセスチーズ
もう一つはプロセスチーズです。これはチーズを加熱して溶かし、再度固めたものを言います。よくスーパーなどで見かけるさけるチーズやキャンディチーズ、スライスチーズなどはこのプロセスチーズに当てはまります。
加工していろいろな形やさまざまな味付けができる特徴があります。
ナチュラルチーズとプロセスチーズの違いは、味の変化です。時間が経つと味が変化していくのがナチュラルチーズです。ナチュラルチーズは加熱処理をしていないので、発酵に必要な菌が存在しています。
冷蔵庫に入れているときでも発酵が進むので味が変わっていきます。プロセスチーズは時間が経っても賞味期限内であれば同じ味が保たれます。
種類によって違う食べ方
他の食材とお互いの良さを引き立てるナチュラルチーズ
ナチュラルチーズであるフレッシュチーズやモッツアレラチーズ、カッテージチーズは、そのまま食べると味が薄く物足りない感じがします。
しかし、他の食材と一緒に料理すると互いの味を引き立てておいしく食べることができます。脂肪分が少ない点も、食事制限がある人におすすめできるチーズです。
そのままの味を楽しむプロセスチーズ
一方、プロセスチーズはしっかりと味付けがしてあるチーズなので、そのままの味を楽しむことができます。子どものおやつやお酒のおつまみなど、手軽に食べることができます。
味付けをしているものもあり、スモーク風味などの味が楽しめます。また、形もさまざまな形のものがあるのも特徴のひとつです。
チーズの種類・名前一覧とカロリー
フレッシュタイプ モッツアレラチーズ
- フレッシュチーズの特徴
- モッツァレラチーズの特徴
乳に酵素や乳酸菌を加えて固め、水分を取り除くと白い塊ができますが、これがフレッシュチーズです。フレッシュタイプとは熟成させないタイプのチーズを指します。
フレッシュタイプのチーズは他のチーズと比べると、水分が多くてクセがない特徴を持っています。味はさっぱりしていて少し酸味を感じますが、クセがないため他の食材と組み合わせて食べることも多いチーズです。
チーズの起源はイタリアで、その中でもモッツァレラチーズはチーズの代表格とされています。「モッツァレラ」はイタリア語で「引きちぎる」という意味ですが、その名の通りモッツァレラチーズは作る時に引きちぎって成形します。
モッツァレラチーズは本来は水牛の乳で作るのですが、水牛の乳で作ったものは大変高価な値がつきます。そのため、現在市販されているモッツァレラチーズは牛の乳を使って作られるものがほとんどです。
モッツァレラチーズはクセがないため、ピザやパスタ、サラダなどさまざまな料理に使われることが多いです。
ウォッシュタイプ マロワル
- ウォッシュタイプの特徴
- マロワルの特徴
ウォッシュタイプのチーズは、匂いに特徴があるチーズで好き嫌いがはっきり分かれます。ウォッシュタイプとは、チーズの表面についている菌の量を調整するために塩水やワイン、ウイスキー、ビールなどで洗うため、チーズから強烈な匂いがします。匂いは表面から発せられるもので、中の匂いはそれほど強くありません。
マロワルは、7世紀頃フランスの修道院で作られたのが最初と言われているチーズです。フランスのティエラッシュ地方にあるマロワル村で作られているため、この名前がつきました。マロワルは、ウォッシュタイプチーズの中でも特に塩味が強く、クセがある個性的な味わいのチーズです。
ハードタイプ パルミジャーノ
- ハードタイプの特徴
- パルミジャーノの特徴
ハードタイプのチーズとは、水分含有量が38%以下のチーズのことを言います。ハードタイプのチーズは型に入れて重しをし、水分を抜きます。そのまま食べてもおいしく食べられますが、おすすめな食べ方は熱を加えて溶かして食べる方法です。
パルミジャーノチーズはイタリアの代表的なチーズで、チーズの王様と言われています。とても硬く、風味が豊かなのが特徴です。パルミジャーノチーズは、何年もかけて熟成させるので、料理に使うとその料理の味が格別に増します。
このことから、イタリアではパルミジャーノチーズのことを「台所のハズバンド(夫)」と呼んでいます。
セミハードタイプ チェダー
- セミハードタイプの特徴
- チェダーチーズの特徴
セミハードタイプは、ハードタイプよりも少し水分が多いのが特徴です。発酵のスピードがゆっくりで味が変わりにくいので、他の食材と一緒に食べるとよりおいしく食べることができます。
現在は世界中で作られているチェダーチーズですが、元々はイングランドのサマセット州チェダーで作られていたチーズです。第二次世界大戦中、チーズの生産は「官製チェダー」となっていました。
経済統制のためにこのような措置が取られていたのですが、この名残もあり現在っでもイギリスのチーズ市場はチェダーチーズが売上全体の51%を占めています。刺激が強いはっきりした味で、オムレツやグラタンの具材としてもおすすめのチーズです。
青カビ ゴルゴンゾーラ
- 青カビタイプの特徴
- ゴルゴンゾーラチーズの特徴
フランス最古のチーズとも言われている、古い歴史を持つチーズがこの青カビタイプのチーズです。塩辛くクセが強い匂いと味なので、好き嫌いがはっきり分かれますが、そのクセがたまらないという人もいます。
ゴルゴンゾーラチーズは、イタリアのロンバルディア州のゴルゴンゾーラ村で作られている三大ブルーチーズのうちの一つです。
ゴルゴンゾーラチーズは、青カビが強く、辛味が強い「ゴルゴンゾーラ・ピッカンテ」と、青カビが少なくクリーミーな口当たりの「ゴルゴンゾーラ・ドルチェ」があります。
ゴルゴンゾーラチーズは、塩味を生かしてピザやリゾットに使われることがあります。
白カビ カマンベール
- 白カビタイプの特徴
- カマンベールチーズの特徴
表面が白いカビで覆われているチーズのことを白カビタイプと言います。白カビチーズは、表面に白カビを繁殖させ熟成させるチーズです。
中身は白やクリーム色をしていますが、熟成が進むと表皮に赤茶色の斑点が出てきます。そして、ナイフを入れると中身がトロリと溶け出すように流れ出てきます。
カマンベールは表皮が白カビに覆われていて、中が柔らかいチーズです。丸い小木箱に入れて型崩れを防ぐほど柔らかいチーズです。熟成が進むと中身がトロリと溶け出すようになります。
上品な味わいでそのまま食べてもおいしいのですが、パン粉をつけてフライにすると中身がトロトロになってとてもおいしくなります。
プロセスチーズ 6ピースチーズ
- プロセスタイプの特徴
- 三角をした6ピースチーズ
プロセスチーズは日本でもお馴染みのチーズで、スーパーやコンビニでよく目にします。ナチュラルチーズを溶かして乳化したもので、加熱により味の変化がなく品質が一定しているため、保存性に優れている特徴を持っています。ナチュラルチーズに比べると、日本人にはプロセスチーズのほうが馴染みがあり、味も好まれる傾向があります。
プロセスチーズには、スライスしたものやさけるタイプのもの、四角く成形されたものなどさまざまな形があります。どれも時間が経っても味が変わらず、おいしく食べることができるので親しまれているのでしょう。
今回はよく目にする三角の形をした6個入のチーズについて紹介します。6ピースチーズは戦前から作られていました。1935年にスイスの機械を使って作り始めた6ピースチーズは、当時の機械が三角のチーズが6~8個ずつ作るつくりになっていました。
丸型の入れ物に三角のチーズを入れて売るようになったのは、ナチュラルチーズの形を残したからです。ナチュラルチーズをカットする時に、ケーキを切るように放射状にカットしますが、そのような形をプロセスチーズにも残したと言われています。
チーズの伝統的な形をそのまま残しつつ、カットされているため食べやすさも追求したのがあの形になったのでしょう。
チーズに含まれる栄養
タンパク質
チーズの成分の22~28%を占めるのはタンパク質です。チーズは良質のタンパク質を含むため「白い肉」と呼ばれています。
身体を作るためにはタンパク質は不可欠です。タンパク質は、臓器、筋肉、爪、髪の毛などを作るとともに、血管を強くする働きを持っています。
また、タンパク質を摂取すると免疫力アップが期待できます。免疫力とは、外から入ってくるウイルスや細菌を見つけて退治してくれる力のことです。チーズに豊富に含まれているタンパク質を摂ることで、身体を作るための栄養素を摂取し病気になりにくい身体を作ることが期待できます。
カルシウム
チーズはヤギの乳を原料にするものもありますが、多くのものは牛乳を原料としています。そのため、チーズには牛乳に含まれる栄養素であるカルシウムが豊富に含まれています。
カルシウムは、骨や歯を形成するために必要不可欠です。そして、カルシウムは常に骨の中に貯蔵され、カルシウムが足りないところがあると、骨に貯蔵されているカルシウムを溶かして血液に乗せ不足しているところまで届けられます。
このような仕組みがあるため、骨から溶けだした分のカルシウムを不足しないと骨がもろくなってしまいます。
骨は毎日のように作られたり壊されたりしています。こうしてバランスを取って骨の健康を保っています。
もしも骨のカルシウムが不足すると骨が作られる働きが弱くなってしまい骨がもろくなり、骨粗しょう症になりやすくなってしまいます。女性は閉経すると女性ホルモンの分泌が減ってしまい、骨密度が減ります。
不足しているカルシウムを補うためにはカルシウムを摂取する必要があります。
ビタミンA
チーズには皮膚や粘膜を正常に機能させ、健康に保つために必要なビタミンAが含まれています。外から体内に侵入しようとする病原菌から身体を守るために、粘膜は大きな役割を担っています。
この粘膜が正常の状態で働いていないと、病原菌が身体に侵入してしまい、病気にかかってしまうことがあります。そのため、ビタミンAを取って粘膜の状態を正常なものに保たなければなりません。
また、ビタミンAには抗酸化作用があるので、細胞の酸化を防ぐ働きを持っています。この働きは、動脈硬化やガンの予防につながります。
ビタミンB2
タンパク質は身体を作るために重要な役割をする栄養素です。そのタンパク質の合成に補酵素として関わるのがビタミンB2です。そのため、ビタミンB2は身体に大切な栄養素だと言えます。
また、ダイエットのためには糖や脂肪を身体にためないことが大切です。ビタミンB2には糖や脂肪の代謝を高める働きがあります。その働きがダイエットのサポートになります。
脂質
私たちの身体は運動するとエネルギーを消費することになります。エネルギーとして使われるのは糖質と脂質です。糖質は水に溶けてしまう性質がありますが、脂質は水には溶けないので身体の中に貯めておくことができる栄養素です。
そして、脂質は体脂肪となり体温を保つ役割をし、効率よい高エネルギー源になります。また、ビタミンEやビタミンAが身体に吸収しやすくなる手助けをするのが脂質です。
乳酸菌
チーズには乳酸菌が含まれています。乳酸菌には腸内環境をと整え、免疫力を高める働きがあります。腸内環境が悪くなってしまうと、生活習慣病を引き起こすことがあります。乳酸菌には悪玉菌が増えるのを防ぐ効果があるので、積極的に食べるといいでしょう。
いろいろな種類のチーズを楽しもう
チーズを大きく分けるとナチュラルチーズとプロセスチーズに分けられると紹介してきました。日本人にはナチュラルチーズはあまり馴染みがなかったのですが、だんだんレストランをはじめナチュラルチーズを味わえるところが増えてきて、最近ではチーズだけを取る扱う専門店もあるほど、チーズの人気が高くなってきています。
料理にも合うチーズはさまざまな種類があり、それぞれ味わいや香りが異なります。メニューによって違ったチーズを楽しんだり、お酒によってどのような種類のチーズが合うのか選ぶのもいいですね。
身体にも良い優れた栄養を含んでいるチーズを楽しみましょう。