加湿器の嫌なニオイの原因とは?フィルターやタンクのお手入れなどご紹介
加湿器から嫌なニオイがしませんか?アロマや消臭スプレーなどでごまかしている方もいるかもしれません。その嫌な臭い、実は放っておくと危険です。今すぐお手入れしましょう!今回は加湿器のニオイの原因やお手入れ方法、ニオイ対策についてご紹介していきます。
2024年09月17日更新
記事の目次
加湿器のニオイの原因とは
加湿器のニオイの原因は様々です。
ニオイが気になっている方はチェックしてみてください。
雑菌やカビの繁殖
加湿器のフィルターのお手入れはしていますか?
加湿器は大きく分けて下記の4種類があります。
・ヒーターによる加熱でお湯を沸かし温かい蒸気を送るスチーム色
・水に空気を送って部屋の湿度を上げる気化式
・水を超音波によって微細な粒子にし、噴出する超音波式
・スチーム式と気化式の二つのタイプを合わせたハイブリット式
中でも気化式、ハイブリット式、超音波式の加湿器はお手入れをしっかり行わないとカビやレジオネラ菌などの雑菌が発生しやすくなってしまいます。
カビや雑菌が繁殖すると嫌なニオイだけでなく、蒸気までカビや雑菌に汚染されてしまいます。
気化式、ハイブリット式、超音波式の加湿器はこまめなフィルター掃除や交換がおすすめです。
タンク内の水
加湿器の水、何日も同じ物を使用していませんか?
給水タンクに何日も同じ水をためておくとタンク内で雑菌が繁殖し、タンクの中にはカビが発生することもあります。
この雑菌やカビがニオイの原因となるのです。
加湿器のニオイを放っておくと大変
ニオイの原因を放っておくと大変なことに。
健康に害を及ぼす可能性もあるため注意しましょう。
知らない内に空気中のカビ菌を吸い込んでしまう
加湿器のニオイの原因は雑菌やカビ。
ニオイがするということは雑菌やカビが繁殖しているということ。
さらに知らない間に加湿器によってまき散らされた空気中の雑菌やカビを吸いこんでしまっているということになります。
特別養護老人ホームの入所者が、きちんとお手入れされていなかった加湿器が原因でレジオネラ菌に集団感染し死者がでたニュースはご存知でしょうか。
レジオネラ菌に感染するのは稀なことですが、カビを定期的に吸い込み続けることで、アレルギー症状や気管支炎を引き起こすこともあります。
カビは私たちの生活の中でどこにでもいる菌です。
加湿器内で増殖し放出されるとカビ菌の量も増え、花粉などのように散布量が増えればアレルギー症状などもでやすくなります。
赤ちゃんや小さいお子さん、高齢者がいる家庭では特に注意が必要
カビは感染力は弱いため健康な人であれば問題になることはほとんどありません。
しかし赤ちゃんや小さいお子さん、高齢者がいるご家庭は気をつける必要があります。
赤ちゃんや高齢者がいるからこそ加湿器を使用していることと思いますが、抵抗力の弱い赤ちゃんや高齢者はカビ菌に対して耐性も低いため日々のお手入れが十分に必要です。
また、普段は健康体でも疲労や免疫力が下がっている場合にも注意するようにしましょう。
病気を発症することも
・肺アスペルギルス症
アスペルギルスとは私たちの生活に広く存在しているカビ(真菌)の一種です。
このアスぺルギルスに感染し肺の中で増殖することで、咳や胸の痛み、発熱を引き起こします。
症状が進行すると息切れを起こし最悪の場合は呼吸困難を起こすことも。
喘息を持っている方は発症しやすい傾向にあります。
・夏型過敏性肺炎
トリコスポロンというカビが、肺に入ることで咳や、息切れ、微熱、倦怠感を引き起こします。
湿気の多い環境を好むため、加湿器以外にも台所などの水回りの腐った木材、上にじゅうたんなどを敷いた畳などにも注意が必要です。
トリコスポロンの胞子は非常に小さく、エアコンなどの風で部屋中を浮遊します。そのため
長時間家にいることの多い女性がかかりやすく、男性のおよそ2倍といわれています。
また家から離れると症状が軽くなるなどの特徴があります。
・気管支炎喘息
気管支炎喘息はカビだけが原因ではありませんが、湿気のある場所に多くいるアルテルナリアという黒カビが原因となることも。
咳が出て呼吸がしにくくなり座らないと息ができない状態になることもあります。
加湿器のニオイを消す方法
加湿器からする嫌なニオイは、きちんとお手入れすることで取り除くことができます。
ここからは、正しいお手入れ方法をご紹介します。
フィルターのお手入れ
フィルターのお手入れはつけおき洗いをしましょう。
一時間ほどが目安ですが、汚れがひどい場合はつけおき時間を延ばしてください。
落ちにくい汚れはスポンジや歯ブラシなどで軽くこすり、できる範囲で落とします。破損の原因とならないよう軽くこするのがポイントです。
つけおき洗いが終わったら水でよくすすぎ乾燥させてから加湿器に戻しましょう。
タンクのお手入れ
給水タンクは水をすべて流しましょう。
タンクの中の水が汚くてニオイが出ている場合とタンクが汚れていてニオイを発生させている場合の2種類があります。
タンクが汚れていない場合には600mlくらいの水に食器用洗剤1、2適を入れタンクをよく振ってください。
泡立たなくなるまですすぎを繰り返し乾燥させます。この時キャップも同様にお手入れするようにしましょう。
タンクの中が汚れている場合には下記のお手入れ方法を参考にしてください。
加湿器内部の汚れ
基本的にはパーツごとにお手入れが必要ですがパーツごとにお手入れしたうえでさらに内部を消臭、抗菌目的でお手入れするならクエン酸がおすすめです。
水の量に対して1割くらいのクエン酸を溶かして、加湿器のタンクの中に入れます。
加湿器を30~60分間作動させたらタンクや加湿器の底に残ったクエン酸水を捨て、水でよくすすぎましょう。
クエン酸は体への影響がないので多少残っていても気にせず使用して大丈夫ですよ。
カビ掃除
・クエン酸
クエン酸はお酢や梅干しなどに含まれる成分です。ドラッグストアなどで購入することができます。
消臭や抗菌の効果もあり、水道水などに含まれているカルシウムなどのミネラルである白い塊を溶かしてくれる効果があります。
フィルター全体がつけおき出来るサイズのバケツなどを用意し水1ℓに対しクエン酸大さじ1/3を入れよくかき混ぜます。
給水タンクも同じ要領で行います。給水タンクに水を入れその中にクエン酸を入れます。(水1ℓに対しクエン酸大さじ1/3)
つけおき後も汚れがある場合にはスポンジや歯ブラシでこすります。つけおき後なので汚れは落ちやすくなっていますよ。
汚れが落ちたら給水タンクを水ですすぎしっかり乾燥させてから加湿器本体に戻しましょう。
・重曹
ピンク色の汚れ、赤カビには重曹がおすすめです。
赤カビはクエン酸では落ちにくいため重曹を使用しましょう。
水1ℓあたり重曹大さじ2を入れクエン酸の時と同じ要領でお手入れしてください。
・オキシクリーン
インスタなどでもよく見かけるオキシ漬け。
オキシクリーンは酸素系漂白剤で、キッチンハイターなどの塩素系より弱いため部品の痛みも気になりません。
オキシクリーンには計量スプーンがついているので説明書を参考に40℃~60℃のお湯に溶かし20分以上つけおきしてください。
こちらもクエン酸、重曹と同じ要領でお手入れしましょう。
・消毒用エタノール
カビが残る場合には消毒用エタノールで拭き掃除をするのもおすすめです。
しかし消毒用エタノールはプラスチックを溶かしてしまう可能性もあるため取扱い説明書を確認するようにして下さい。
消毒用エタノールもドラッグストアなどで購入可能です。
・逆性石鹸
カビが残る場合にもう1つ有効なのが、オスバンSなどが有名な殺菌目的で使用される陽イオン界面活性剤。
消毒や殺菌ができる石鹸で、ニオイも強くないのでカビキラーやキッチンハイターなどが使えない場合に使用される消毒薬です。
200倍に薄めて拭き掃除に使用してください。
加湿器のニオイ防止対策
加湿器の嫌なニオイを取り除いたあとは、しっかりとニオイ防止対策も忘れずに。
毎日できる簡単な対策をご紹介します。
タンクの水は毎日交換
タンク内の水は毎日交換してください。
同じものを何日も使用すると雑菌やカビの繁殖の元となったりニオイがつきやすくなります。
1日使用したら継ぎ足したりせずすべて交換するようにしましょう。
また使用しないときはタンクを空にして乾燥させるようにしてください。
水道水を使用する
加湿器に使用する水はきれいな方がいいのかとミネラルウォーターや浄水器を通した水を使用する方もいるかもしれませんが、加湿器には水道水を使用してください。
飲み水としては良いのですが、カルキなどの殺菌成分が除去されて水が腐るスピードが速くなる場合があります。
乾燥させる
カビができないようにする方法、それは乾燥です。
カビは湿度80%、25~30℃の室温、酸素が豊富な場所に発生します。
加湿器はカビを発生させる好条件がととのっているわけです。
なので使用しないときには定期的に乾燥させてカビの発生を防ぎましょう。
ぬめりを予防する
タンク内のぬめりを予防することでニオイを防止することができます。ですが、タンク内は洗いずらく困っている方も多いはず。
そこでおすすめなのが銅線をタンク内に入れるという方法。銅線は編み状に伸ばしてタンクに入れてください。これだけでぬめりが解消されます。
ただ銅線がないというご家庭も多いはず。
そこでタンクの中に入れておくだけでぬめりやニオイを防止してくれるという商品も販売されています。
さらには加湿器用除菌液などタンクの中に水と一緒に規定量入れるものもあります。
チェックしてみてください。
加湿器の嫌なニオイに関連するよくある質問
乾燥対策に欠かせない加湿器ですが、使っていると嫌なニオイが気になってしまうことがありますよね。
せっかくの加湿器もニオイが気になってしまうと快適に使えません。
ここからは、加湿器の嫌なニオイに関連するよくある質問にお答えしていきます。
加湿器にアロマオイルを入れたらダメなのはなぜ?
アロマオイルは油分を含んでいるため、加湿器の内部部品に付着し、故障の原因となることがあります。
特に超音波式の加湿器では振動板に油が付着すると振動が阻害され、性能が低下したり、最悪の場合、故障してしまうことが。
またアロマオイルは水に溶けにくい成分を含んでいるため、加湿器の水タンク内に油膜を作り、そこに雑菌が繁殖しやすくなります。
これにより室内の空気を汚染し、アレルギーや呼吸器系のトラブルを引き起こす可能性があるのです。
アロマの香りを楽しみながら加湿したい場合は、アロマ対応の加湿器を使用するか、アロマディフューザーを併用することをおすすめします。
加湿器の水は毎日捨てるべき?
加湿器の水は毎日交換するようにしましょう。
加湿器の水は温度が高く湿度が高い状態のため、雑菌が繁殖しやすい状態です。
毎日交換し、雑菌の増殖を抑えて清潔な状態を保つようにしてください。
水道水にはミネラル成分が含まれており、これが加湿器内部に付着して水垢となることがあります。
水垢は加湿器の性能低下や二次的な汚染の原因となるため、これを防ぐためにもこまめな水換えが重要です。
加湿器に使ってはいけない水は?
ミネラルウォーターや井戸水、汚れた水、熱湯などは加湿器に使用しないようにしましょう。
ミネラルウォーターには水道水よりも多くのミネラル成分が含まれているため、水垢が付きやすく、加湿器の寿命を縮める可能性があります。
井戸水には、水道水に比べて多くの雑菌やミネラル成分が含まれている可能性があり、健康に悪影響を及ぼす恐れが。
熱湯は加湿器を破損させる恐れがあるため、絶対に使用しないでください。
一般的に加湿器には水道水を使用するのがおすすめです。
こまめなお手入れを心がけよう
加湿器は便利な電化製品ですが定期的なお手入れが必要です。
嫌なニオイを放っておくことは雑菌やカビを繁殖させているということになります。健康のために使用している加湿器が体に悪影響を及ぼさないよう注意して過ごしましょう。
どうしても日々のお手入れができないという方は加湿器を選ぶ際にスチーム式を選ぶとよいでしょう。
スチーム式は水を加熱して蒸気を噴出し加湿する方法なので内部は煮沸消毒されています。よって雑菌やカビの繁殖も抑えることができます。
とはいってもまったくお手入れをしないのは厳禁。
どんなタイプの加湿器であっても購入した加湿器の取扱い説明書を参考に汚れのチェックはこまめに行うようにしてくださいね。