春を感じる『よもぎ』の香り!その効能と万能な5つの使い方
春の訪れとともに漂ってくるよもぎの香りはどこか懐かしく、心が落ち着きますよね。実はよもぎには驚くほどの嬉しい効果が詰まっていたのです。今回は、よもぎの香りや効能を中心に、今日からできるよもぎの使い方もご紹介します。
2018年03月02日更新
記事の目次
[1]よもぎについて
よもぎとは?
よもぎとは、キク科ヨモギ属の植物です。「和製のハーブ」とも呼ばれ、東洋では代表的な薬草です。日本では、約30種類分布しており、葉の裏に灰白色のくも毛が密に生えているのが特徴です。
また、漢方でも使用され漢方名は「艾葉(がいよう)」といいます。よもぎは、栄養価の高さや効能から“万能薬”とも言われています。
よもぎってどんな香り?
春の訪れを知らせてくれるよもぎの香りは、品のある独特な香りです。よもぎには、シネオールやβ-カリオフィレン、リヨンなどの香り成分が含まれています。シオネールはローズマリーにも含まれている成分で、β-カリオフィレンはイランイランや黒コショウ、芳香シクラメンにも含まれています。
[2]よもぎの効能
身体を温める
「ハーブの女王」とも呼ばれるよもぎは、昔から薬草や入浴剤としても親しまれてきました。よもぎ風呂には、血行を促進する作用があります。全身に血液が流れることで身体の芯から温まることができ、冷え性や腰痛、肩こりにも効果があります。
ホルモンバランスを整える
よもぎに含まれているβ-カリオフィレンには、女性ホルモンを整える効果があるとされています。β-カリオフィレンが女性ホルモンや女性機能に働きかけ、月経前症候群や更年期障害などの症状を緩和し、マタニティーブルーも和らげる効果があります。
女性ホルモンのバランスを整えることで、肌が綺麗になったりと嬉しい相乗効果もあります。
止血する
「止血のビタミン」とも言われるビタミンKを多く含んでいるよもぎは、怪我をしたときなど止血を促す効果があると言われています。
昔の知恵の1つで、「よもぎの葉を揉んで、血が出た部分に当てると血が止まる」と言われているのは、このビタミンKの働きです。また、ビタミンKにはカルシウムやビタミンD同様に骨を丈夫にする効果もあります。
便秘解消・ダイエット効果
ほうれんそうの約3倍の食物繊維を含むよもぎには、便秘解消やダイエット効果も期待できます。豊富に含まれている食物繊維が、体内に蓄えられた老廃物や有害な物質を体外へ排出してくれるので、身体がスッキリします。
むくみ改善
よもぎに含まれているカリウムには、身体の中の余分な塩分を排出する効果があります。それによってむくみの改善や予防も期待できます。日頃から塩分量を気にしていたり、むくみが気になっている人には、よもぎをおすすめします。
がんを予防する
よもぎの効能の1つに、がん予防があります。よもぎに多く含まれている緑色の色素成分クロロフィルは、がん予防やコレステロール値を下げる効果が期待できます。また、β-カロテンにも抗ガン作用があります。
β-カロテンは、身体に取り込むことでビタミンAに変換されます。変換されたビタミンAには、免疫力の向上や粘膜・皮膚の健康を維持したり、視力維持、また美髪維持などにも効果があります。
貧血防止
よもぎに含まれている鉄分やクロロフィルには、血液中のヘモグロビンの生成を助ける効果や血液や酸素を運ぶ役割があると言われています。立ち上がっただけでもクラクラしてしまうという貧血の方には、特にオススメで貧血の予防や改善が期待できます。他にも、鉄分が不足しがちな成長期の子どもや女性も、積極的によもぎを摂取するといいでしょう。
リラックス効果
よもぎの香りには、心を落ち着かせてリラックスできる効果があります。よもぎの香り成分の1つであるシオネールには、脳神経を鎮静化させる働きがあり、質の良い深い睡眠を促すリラックス効果があります。よもぎの香りのする入浴剤などを使用すると、よもぎの香りでリラックスできて気持ちよく眠ることができます。
[3]よもぎの使い方
飲んでよし
よもぎを飲むといえば、よもぎ茶です。緑茶を淹れる時と同様に、乾燥したよもぎを急須に入れて、お湯を注ぐだけで完成です。よもぎに含まれている多くの成分を飲んで吸収することができます。
付けてよし
止血効果やアトピーの改善にも効果があるとされるよもぎは、肌につけるという使用方法があります。また保湿効果も高いことから、よもぎを使用した化粧水なども市販されています。
浸かってよし
よもぎに浸かるというと、よもぎ風呂です。乾燥させたよもぎを入れた「よもぎ風呂」には、多くの効果が期待できます。使い方は簡単で、乾燥させたよもぎの茶葉をネットに入れて湯船に入れたり、煮だしたよもぎのお茶を湯船に入れる方法でも問題ありません。よもぎの香りの入浴剤も多く販売されているので、ぜひ探してみてください。
嗅いでよし
嗅ぐよもぎというと、よもぎ蒸しが当てはまります。よもぎ蒸しは600年ほど前から韓国で伝わる民間療法で、自宅で行うことは難しくサロンなどで行うことができます。全身でよもぎの香りや成分を吸収できるというものです。
燃やしてよし
昔からお灸のもぐさとして使用されてきたよもぎです。お灸としてツボを刺激し、リンパの流れを改善したり、免疫力を高めたり、身体を温めたりと効果があります。
[4]よもぎを乾燥させる方法
野原や土手などに生えているよもぎを自分で摘んでくる場合、乾燥させておくとさまざまな使い方ができるのでおすすめです。摘んできたよもぎを乾燥させる方法をご紹介します。
- よもぎを綺麗に洗い、ゴミや汚れを取り除いて水気を切ります。
- 蒸し器を使用して、5~10分ほどよもぎを蒸します。蒸したよもぎは冷水にさらし、ざるにあげて水気をきります。
- ざるなどに広げたよもぎを、風通しの良い場所に置いて天日干しし、乾燥されます。だいたい2~3日乾燥させると完成です。
[5]よもぎを食べる際の注意点
食べ過ぎには注意しよう
身体にとって良い影響をたくさん与えるよもぎですが、食べ過ぎてしまうとたまに下痢の症状が出ることがあります。ほとんど副作用はありませんが、食べ過ぎには気を付けてくださいね。
野草のよもぎは見分け方に気を付けよう
スーパーで売られているよもぎを購入する場合は何も心配はありませんが、野草のよもぎを取ってくるときには、他の野草とよもぎを見分けることが大切です。
よもぎとよく似た野草には「ブタクサ」と「ムラサキケマン」の2種類あります。特にムラサキケマンは毒を持っているので細心の注意が必要です。
・ブタクサ
よもぎとよく似た見た目のブタクサは、香りの違いで見分けます。葉を揉んだときに草餅の香りがするほうが、よもぎです。また、よもぎの葉には産毛が生えています。ブタクサには産毛がないので、そこで見分けてもいいでしょう。人によってはブタクサを食べると、アレルギー症状が出ますので、注意しましょう。
・ムラサキケマン
ムラサキケマンは毒を持つ野草なので、より見分け方が大切です。よもぎとムラサキケマンを見分けるときには、葉の裏を確認します。葉の裏筋が白いのがよもぎで、ムラサキケマンは裏側が白くないのです。野草のよもぎを採取する際は、必ず覚えておいてくださいね。
[6]春の訪れにはよもぎの香りを楽しもう
万能薬といわれるよもぎは、さまざまな効能を持っています。女性には嬉しい効能ばかりですよね。販売されているよもぎの入浴剤や化粧品、茶葉などを使用してもいいですし、自分でよもぎを採取することもできるのでお財布にも優しいのも嬉しいポイントです。その際には、他の野草と間違わないように気を付けてくださいね。
※アロマオイル(精油/エッセンシャルオイル)を使う際の注意点
アロマオイルは医薬品ではないため、「治療」できるものではありません。ここに掲載されている内容は精油の効果効能、心身の不調改善を保証するものではありません。予めご了承ください。症状がひどい場合は医療機関を受診することをおすすめいたします。実際にアロマの香りに癒されるという方はたくさんいます。自分の体の状態や気分に合わせて上手に取り入れてくださいね。