虫歯で口臭が発生!?キスもできないニオイの原因と口臭対策
口のニオイが気になることはありませんか?日常生活のさまざまなシーンで至近距離で会話をする際に相手の口臭は気になるものです。同じように自分の口臭に対しても相手は敏感に感じているはず。歯磨きをていねいに行う、マウスウオッシュやスプレーを使う、ニオイ予防の飴やガムを口にするなど口臭ケアへの関心が高まり、多くの人たちは高い意識をもって毎日のニオイ対策に取り組んでいるようです。でも実は口臭がある場合に一番初めに疑うべき原因は虫歯なのです。虫歯によって口臭が発生する原因とその対策を詳しく紹介します。
2018年12月18日更新
記事の目次
[1]自覚がなくてもドブのようなニオイ!?虫歯になるとどんな口臭が出るの?
まずは自分の口臭を自覚するにはどうすればよいのでしょうか?他の人に口臭を直接嗅いでもらえばすぐにわかりますが、親しい間柄でもなかなかできることではありません。自分ではわからないけれども口臭が気になる方は2つの方法があります。
一つ目は口臭チェッカーを購入して調べる方法です。センサーがニオイを感知し、口臭レベルを判定するというものですが、その精度は完璧とは言えない物も多いようです。あくまでも目安として参考にしましょう。
タニタ ブレスチェッカー
息を吹きかけるだけでニオイの成分を半導体ガスセンサーが探知します。6段階のイラストが表示されるというわかりやすさが人気です。
二つ目は口臭外来を受診することです。大学病院などに併設されている口臭を専門に行う外来が口臭外来です。検査内容は主に5段階があります。まずは虫歯のチェックです。併せて被せ物、義歯などの適合、状態も調べます。次は歯周病をチェック。
さらに唾液の検査に進みます。唾液は分泌量や質などを詳しく調べます。この検査ではドライマウスの症状やシェーグレン症候群などの病気が見つかることもあります。
そして口臭測定が行われます。硫化水素など硫黄化合物の数値を測り口臭があるかどうか判定。また問診や人の感覚で口臭を感じるかどうかなども調べ総合的に判断します。治療としてはプラークコントロールや歯磨き指導、抗菌薬が処方されることもあります。
口臭外来を受診すれば口臭があるかどうか、その原因までもわかりますが、受診するほどでもないという方や、すぐには時間を取ることができない方は行きつけの歯科医に相談してみましょう。
虫歯による口臭の特徴としては一般的に腐敗臭がすると言われています。ドブ臭いと表す人も多いようですが、卵やチーズの腐ったニオイと表現されることもあるようです。また、歯周病の場合には膿のニオイがすると言われています。
軽い虫歯程度では口臭は発生しませんが、虫歯が進行してしまうと強烈なニオイを発することもあるので早めの対策が必要です。
[2]虫歯で口臭が発生する原因とは?
・虫歯に食べカスが詰まり腐敗臭を放つ
虫歯ができるとその部分に食べ物のカスが詰まりやすくなります。初期の虫歯のうちはほとんど口臭はなく、自覚症状もありませんが、虫歯が進行していくにつれて口臭は強くなっていきます。これは歯を磨いても取り除けない食べカスが歯垢などとして繁殖している菌により分解、発酵され腐ったようなニオイを発するためです。
虫歯が進行し、歯に穴が空くような状態になるとさらに食べカスが詰まりやすくなりなります。たとえ虫歯でなくても歯の間に詰まった食べカスが腐敗して悪臭を放つこともあるので日々の歯磨きがとても大切です。
・歯の神経が侵され、腐ると悪臭に
虫歯を治療せずに放置したままにしておくと歯の神経まで侵されてしまいます。こうなると神経はその働きを絶たれて腐敗してしまいます。腐った神経からは強いニオイが発生し、初期の虫歯程度では気づかなかった口臭もはっきりと感じるほどになります。周りの人に不快感を与えるほどの悪臭になることもあります。
神経が完全に機能を失うと痛みも感じなくなりますが、きちんと治療を施さないと全身に影響する疾患を招く恐れもあるので早めに歯科医を受診することが必要です。
・虫歯の進行から歯根が化膿する
虫歯が進行し、歯の神経にまで達すると菌が神経から入り込んで増殖することがあります。すると化膿して膿が溜まり強烈なニオイを発生させることがあるようなのです。
この段階にまでなると自分でニオイを除去することは難しくなり、歯科医での治療が必須になります。抜歯をしなければならないこともある重篤な症状になるので、できるだけ早く受診しましょう。
・歯周病による口臭
虫歯と歯周病は別の病気ではありますが、虫歯と同じくらい口臭の原因になりうる症状です。口腔内のケアが不十分であるために罹患する場合が多く、虫歯であるとともに歯周病にも罹ってしまうことが多くあります。
歯周病はきちんと治療をせずに放置しておくと歯が抜けてしまったり、心臓病などの全身に影響する疾患の原因にもなることがわかってきています。また妊娠中である場合は早産を招く恐れがあるので妊婦の方は検診を受けるようにしたいものです。
初期症状としては歯磨きの際に出血する、歯茎が腫れるということが多いようです。定期的に歯科医で検診を受けることによって早期発見、治療ができます。
・治療した歯が再度虫歯になる
一度治療が終わり詰め物などを施した歯が再度虫歯に罹る場合があります。これは成人の方の虫歯ではよくあるケースだと言われています。詰め物はしっかりと埋めてありますが、時間の経過とともに歯との間に隙間が生じてその隙間から虫歯菌が入り込み再び虫歯になってしまうのです。
詰め物の下に細菌が溜まってしまうことから、詰め物が臭うように感じることがあります。治療が終わっているから安心ではなく、再度虫歯になることもあるということを考えて定期検査を受けましょう。
・被せ物、詰め物(インレー)の寿命
被せ物や詰め物には寿命があります。しかしこの寿命に自分で気づくことは難しいようです。また、被せ物、詰め物の下に虫歯ができた場合は、通常の虫歯よりもさらに気づきにくくなってしまいますので定期的な検査が大切になってきます。詰め物などの材質は保険適用外にはなりますが、セラミック素材を選ぶことで長持ちすると言われています。
・虫歯になりやすい親知らずがある
親知らずとは第3大臼歯(だいさんだいきゅうし)とも呼ばれ、18歳頃から20代に生えてくる歯です。前歯から8番目の奥歯にあたり、上下合わせて4本生える人もいれば、親知らずが形成されず生えないままの方もいるようです。
この親知らずは虫歯や歯周病に罹りやすい歯で、また斜めに生えてくることが多く食べカスなどが溜まりやすく口臭の原因にもなりやすいと言われています。親知らずが生えてきたら歯科医を受診し、抜歯が必要かどうかを相談しましょう。
・差し歯(ブリッジ)、インプラントなどがある
歯を失ってしまった場合の治療として主にブリッジとインプラントがあります。ブリッジは失った歯の前後や両隣の歯を削り橋のように歯をつないで作る方法です。保険が適用されるプラスティック素材や自費のオールセラミック素材などがあります。個人差がありますが平均して8年ほどの耐用年数があるようです。
しかし治療後に支える歯も含めて歯茎の状態が悪くなり、口臭を発生させてしまうこともあります。
インプラントは失ってしまった歯のかわりとして顎の骨に打ち込み、それを土台として人工歯を被せていくというものです。保険が効かず高額の費用がかかりますが、メンテナンス次第で10年から30年ももつと言われています。
インプラントではブラッシングがしっかりとできていないと歯周病になりやすく、そのために口臭が気になることがあります。ブリッジ、インプラントともにこまめなケアと検診が大切になります。
[3]虫歯による口臭を徹底対策
虫歯を治せばニオイは消せる?虫歯治療
・歯科医院での虫歯治療
虫歯対策としてはまず最初に歯科医を受診して虫歯、歯周病のチェック、必要があれば治療することが大切です。虫歯とは虫歯菌により歯が溶けた状態です。しかし人の唾液には溶けた歯の部分を元に戻す”再石灰化”という仕組みが備わっているので、初期の虫歯の場合、歯磨きをしっかり行うことで自然治癒することもあると言われています。
歯科医で虫歯にミネラルを与えたり、虫歯菌を減少させるフッ素を塗ったり、菌を減らす錠剤を処方してもらうことで初期虫歯を治療することができ、口臭も防ぐことができることもあります。
しかし、虫歯が進行してしまうと自然治癒することはなく、歯科医の治療が必要になります。歯を削って虫歯を除去したり、ひどく進行している場合は神経を抜く処置が必要になることもあります。毎日の正しいケアと定期的な検査によって初期の段階で治せるようにすることが重要です。
・定期検診
かかりつけの歯科医院をもち、定期的に検診、歯のクリーニングを行うことで虫歯や歯周病を始めとした口腔内の疾患を予防、早期発見できます。治療後も再度虫歯になることや詰め物、被せ物に寿命があることも考えると気がかりなことや不調がある場合だけではなく、調子のよい状態でも定期的に受診することが肝心です。
普段の歯磨きで取り切れなかった汚れや歯垢を除去してもらい、自分に合ったケア方法を指導してもらうことで歯の寿命、さらに全身の健康を長く保てるはずです。
毎日のセルフケアが大切
根本的な対策としては歯科医での虫歯治療が必要ですが、すぐに口臭を防ぎたいとう場合には以下の対策を行いましょう。また、日頃の口臭対策としても取り入れたいものです。
・うがい
口のなかが乾燥した状態では口臭がきつくなるのでこまめにうがいをすることでニオイを抑えてくれます。食品重曹を水に溶かしてうがいすることで口臭対策になるようです。
・水分補給
自浄作用を高めるためにも唾液の分泌をよくする必要があります。このため水分補給は必須。カフェインは利尿作用があるので摂り過ぎは逆効果です。水を取るようにしましょう。
また、虫歯にはあまりよくありませんが、レモンや梅干しなどクエン酸が含まれる食べ物、飲み物は唾液の分泌を促すと言われています。しかし、甘味料が含まれていたり、酸性のためエナメル質を溶かすこともあるので摂り過ぎには注意しましょう。
・ガム
ガムを噛むことで唾液の分泌を促し、口臭を予防する効果が期待できます。
参考:口臭対策ネット
キシリトールガム ボトルタイプ 90粒 クリアミント
甘味料としてキシリトール100%配合。また歯の再石灰化を促すリン酸カルシウム、フノランを多く配しています。歯科専用のこだわりが詰まったアイテムです。
江崎グリコ ポスカ クリアミント エコパウチ 初期虫歯対策ガム
日本歯科医師会推薦の特定保健用食品。唾液のなかにリン酸化カルシウムのカルシウムイオンが溶け、初期の虫歯に浸透していき、再結晶化を促すガム。
◆デンタルリンス、マウスウォッシュやデンタルフロスによるケア
ハブラシだけでは取り除くことのできない歯と歯の間の汚れなどをケアするデンタルフロスや糸ようじはできるだけ毎日のケアに取り入れましょう。一日一回、夜の歯磨きの際だけでもこれらのアイテムを使いていねいに歯をクリーニングする習慣が大切です。
デンタルリンスは殺菌成分が含まれているので虫歯予防、口臭予防に効果的です。また外出時など歯磨きできないに口のなかをさっぱりとさせ、口臭を予防するマウスウォッシュも便利です。デンタルリンスは液体歯磨としてブラッシングが必要になるのが一般的です。これに対してマウスウオッシュは洗口液として口をすすぐだけという違いがあります。
ガム デンタルリンス 薬用ノンアルコールタイプ
適量を口に含み、20秒ほどおいたのちにブラッシングするデンタルリンス。歯周病や口臭に優れた効果が期待できるようです。
ウエルテック コンクールF
虫歯、歯周病予防に殺菌効果の高いマウスウォッシュ。濃縮タイプなので水に薄めて使用します。特に就寝前、ブラッシング後の仕上げに使うと効果的。強い刺激もなく口のなかがピリピリしないので、お子さんでも無理なく毎日のケアに取り入れられるはずです。
リーチデンタルフロスワックス
通常の歯磨きだけでは取り除くことのできない歯の間の汚れをケアするためにはフロスが必須です。糸が細く滑らかに歯間に入れることができるので、歯間の狭い方やフロス初心者にも使いやすくおすすめできます。
[4]口臭対策は虫歯の治療&予防からスタートしよう!
口臭を防いで爽やかな息を手に入れるためには虫歯のチェックと治療が大切な第一歩です。健康と美しさは切り離せないもの。虫歯や歯周病のない口腔内を保つことで、自信をもって毎日を過ごせるはずです。