ストレスが原因で口臭が強くなる!?改善方法やサプリメントの効果
ストレスが溜まりやすい現代。そのストレスをうまく解消しないと口臭の原因となっているかもしれません。実はストレスが溜まると口臭が強くなると言われています。ストレスが溜まると口臭が強くなるメカニズムや改善方法、サプリメントの効果についてみていくことにしましょう。
2019年01月18日更新
記事の目次
[1]ストレスが溜まるとなぜ口臭が強くなるの?
ストレスが溜まるとネバネバの唾液が分泌される
口臭は、唾液の分泌と深い関わりがあります。人は唾液の分泌が多い時には口臭はほとんど起こりません。しかしストレスなどが原因で唾液の分泌量が減ることで口臭が起こります。リラックス状態の時と比べると唾液の分泌量は3割も減るといわれています。
ストレスを感じている時、神経からリラックスしている時とは違う物質が放出され唾液を作る細胞にくっつきます。ストレス時は唾液を作る細胞の中に水分を取り込む働きが小さくなる為、唾液の分泌が少なくなり本来のサラサラした唾液ではなく、粘着のあるネバネバした唾液になります。
参考:日本臨床歯周病学会
唾液の分泌量が減る
私たちは毎日どのくらい唾液を分泌しているのでしょうか。健康な人は1日1ℓから1.5ℓもの唾液が分泌されるといわれています。唾液には、唾液の酵素であるでんぷんをマルトース(麦芽糖)に分解する消化作用や、味覚を促進させる溶解作用、食べ物のカスや汚れを洗い流す洗浄作用、会話や発音をスムーズにする円滑作用、病原微生物に抵抗する抗菌作用、PH(酸性かアルカリ性かを表す値)を一定に保ち細菌の繁殖を抑える緩衝作用、歯の表面に膜を作り虫歯を防ぐ保護作用など口の中の健康を保つために多くの役割を担っています。
緊張やストレスを感じたとき、喉がカラカラになった経験はありませんか。これは緊張やストレスによって唾液の分泌量が減るためです。唾液の分泌が減ると口の中が乾燥し口臭の原因となったり虫歯や歯周病などの症状を起こし、さらに口臭を悪化させることにもつながります。
参考:日本臨床歯周病学会
[2]ストレスが原因の口臭ってどんなニオイ?
ストレスや疲れが溜まると胃や肝臓、腸にダメージを受けます。疲労が溜まると肝臓の働きが弱まり上手くアンモニアを分解できなくなってしまいます。ストレスが溜まっている状態とは同時に疲労も蓄積されているケースが多く、アンモニア臭がしたり、胃や腸がうまく機能せず腸内環境が悪化したり消化できなくなり結果、腐敗臭がしたりします。
このようなアンモニア臭や腐敗臭のニオイが混ざり合うことでストレスが溜まっている時には人を不快にするニオイを発している場合があるのです。
参考:日本臨床歯周病学会
[3]ストレス口臭の改善方法とは
規則正しい生活
毎日の睡眠時間が短く、睡眠不足状態だったり、睡眠リズムが乱れていませんか?毎日同じ時間に寝て同じ時間に起きることを意識しましょう。ストレスがかかった状態は自律神経である交感神経と副交感神経のうち、交感神経が優位にたつことで唾液の分泌が抑制されます。ですが睡眠時間中は副交感神経が最も優位に立つといわれているためしっかり睡眠をとることが大切です。
またバランスのよい食事を3食きっちり摂ることも大切です。ジャンクフードや肉中心の生活から野菜中心の生活を心がけてください。食べた物が腸内へ進んでいくと副交感神経が優位にたちます。繊維質の多い食品は腸内をゆっくり進んでいくのでそれだけ副交感神経が優位にたつ時間が長くなります。食物繊維を多く含む食事を良く噛んで食べましょう。こんにゃくやリンゴ、キウイ、海藻類、干しシイタケなどが挙げられます。
さらにストレッチやウォーキングなど適度に体を動かすことも大切です。運動は交感神経が優位の状態になり、汗をかくことでストレスも発散されます。規則正しい生活を送ることは口臭だけでなく健康な身体も手に入れることができ心身ともに健康になります。
入浴や室温の調整
忙しいからとシャワーだけの生活を送っていませんか?湯船に浸かると副交感神経が刺激されます。また1日の疲れもとれリラックスすることができ気分転換にもなり毎日手軽にストレスを発散できます。この時、お湯の温度は38℃~40℃のぬるめのお湯が良いでしょう。熱めのお湯に浸かって疲れを取りたいという方も多いでしょうが、熱めのお湯は交感神経が刺激されてしまい逆効果になります。
また暑いから寒いからといって冷暖房に頼りすぎた生活もおすすめできません。すぐに冷暖房をつけるのではなく自分の体温で調整しながら生活するようにしましょう。冷暖房に頼り過ぎる生活をすると自律神経がうまく働かなくなるので適度な使用を心がけましょう。
禁煙
愛煙家であれば喫煙することでリラックスできると思われがちです。しかし喫煙すると自律神経のバランスを崩してしまうのでタバコは吸わない方が良いとされています。また、タバコによって口臭が強くなる場合もあります。すぐにタバコをやめるのは難しいことですが禁煙することで本来のバランスに整えられるので、まずは本数を減らすことから始めてみましょう。
水を飲む
水は唾液を作るためになくてはならないものです。不安や緊張が続くと唾液の分泌量が減り口臭が強くなります。また体内の水分量が低いと唾液の分泌量も減ってしまいます。喉が渇いていなくてもこまめに水分をとり口腔内を潤しておくことも重要です。1日1.2ℓ~1.5ℓほどの水を飲むのが効果的です。さらに起床時は口腔内が特に乾燥しやすいので歯磨き後300ml程水分を摂取するようにしましょう。
気分転換を図る
ストレスを溜めこんでしまう方は適度に気分転換を図りリラックスしましょう。当たり前ですがストレスが溜まっている状態が続けばストレスが原因で起こる口臭いは改善されません。日頃から趣味を見つけたり気分転換をしてストレスを発散させるよう心がけましょう。
歯科医や口臭外科を受診する
口臭が気になった時に歯科医を受診するケースが多いのですが、歯科医では、虫歯や歯周病などをみつけそれによって起こる口臭を治療していきます。虫歯や歯周病が口臭の原因ではなかった場合には口臭外科の受診がおすすめです。口臭外科では、唾液の検査や尿検査、測定器を使用した検査を行ってくれるので口臭の原因をつきとめてくれます。口臭の原因が口の中のトラブルではなく、ストレスや内科的な問題であればその後専門の科へ案内してくれます。
[4]抗不安薬、抗うつ薬を服用している人は要注意
ストレスで精神科を受診し、抗不安薬や抗うつ薬を服用している方もいらっしゃることでしょう。実はこういったお薬には唾液の分泌量を減少させる副作用があるものもあります。その他にも、睡眠薬や降圧剤、抗アレルギー剤なども同様に唾液の分泌を低下させ口の中が乾燥しやすい状況になります。副作用の中でも口の中の乾燥についてはあまり重要視されないことも多いのですが、口臭が気になる方は自分自身の内服しているお薬についても確認してみるようにしましょう。
参考:日本臨床歯周病学会
[5]ストレス口臭にサプリメントは効果的?
サプリメントは口臭を抑える効果はない!?
口臭をなんとかしようとその手軽さから口臭効果のあるサプリメントを服用している方も多くいるようです。しかし口臭対策として販売されているサプリメントは、成分の香りに含まれた消臭効果や新陳代謝機能、粘膜保護など部分的に補うものであって口臭の根本的な原因である細菌や酵素、さらには体内に起こるトラブルやニオイの成分に直接的に作用し効果のあるものではありません。サプリメントはあくまでも応急処置として使用して下さい。
参考:中城歯科医院
サプリメントの種類
・香り
バラやミントなどの香り成分が含まれたサプリメントは、その香りを体内に入れ込み、体内から良い香りを排出して口臭を和らげるタイプです。香りの成分にはオイルや香料などがあります。
・消臭効果
渋柿や炭、カテキンなど消臭に効果があるといわれている成分が含まれたサプリメントは人気がありますが、サプリメントを服用してすぐに口臭が消えるわけではありません。サプリメントが効果的というよりは日頃の口臭対策のように補助的な役割であると捉えましょう。
・体内環境を整える
体調が思わしくなかったりストレスが溜まると唾液の分泌量が減り口臭が強くなります。そこでビタミンBやミネラル、フコイダン(胃粘膜の保護やピロリ菌の排出)、腸内善玉菌を増やす乳酸菌、抗酸化作用のあるポリフェノールやカロテンなどを含んだサプリメントがあります。
・歯周病予防
歯茎の腫れや出血、口内炎などの症状がみられる歯周病には炎症を抑え修復する効果のある葉酸やコエンザイムQ10配合されたものやビタミンCやにんにくエキス、オル二チンなど疲れを和らげる効果のあるものが含まれています。ただしこれは歯周病を予防するものであってすでに歯周病になっている場合には効果は得られません。
サプリメントは上手に活用しよう
サプリメントは摂取することで効果があるものではありませんが、予防の役割や口臭の緩和、さらには、サプリメントを摂取することでストレスが解消され安心感が得られたのであればサプリメントを活用する方法も良いと言えるでしょう。しかしサプリメントに含まれている成分は身体にすべて吸収されるわけではありませんしその効果や副作用が保障されているわけではありません。サプリメントに頼りすぎたり、自己判断や過剰摂取はトラブルになる場合もありますので、口臭予防の1つとして使用するようにしましょう。
[6]ストレスと上手く付き合い口臭を抑えよう
ストレスは誰しもが抱えているもの。つまり、ちょっとしたきっかけさえあれば誰でも口臭が強くなる可能性があるということです。日頃からストレスを適度に発散させ規則正しい生活や入浴などリラックスできる時間を確保しましょう。