【管理栄養士監修】口臭を悪化させる食べ物とは?口臭予防・改善食品12選
多くの方が抱える悩みの1つに口臭があるのではないでしょうか?「今日の夜は大事な予定があるから今日は絶対に口臭には気をつけたい」という日もありますよね。口臭を予防するにはまず口臭が発生するメカニズムをしっかり理解することが大事です。しっかりとメカニズムを理解することは口臭を予防することはもちろん、より早く改善することも可能になります。そこで、今回は口臭のメカニズムと関与している食べ物について詳しく解説していきます。
2018年11月20日更新
記事の目次
[1] 口臭とは?
口臭とは口の中の細菌により作られているガス、肺から出て気管を通る呼気ガス、唾液そのもの臭気の3つが吐く息の時に発せられる悪臭の総称になります。この私たちの口から発せられる息は誰でもにおいを持っています。そのにおいが悪臭かどうか判断できるかどうかで、悪臭であるのかどうか判断するのです。
口臭の原因は1つではありません。口の中で細菌がたんぱく質を分解する際に発生したり、虫歯や歯周病、内臓、精神的なトラブルを元に発生したり、食べ物により発生したりとさまざまな理由が考えられるのです。
[2] 口臭の4大原因とは?
口臭の原因は大きく分けると、生理的原因・病的原因・外的要因・内的要因の4つに分類することができます。この4つの原因をしっかり理解することがより効果的に予防対策をしたり改善をしたりする上で大事であるので詳しく解説していきます。
生理的原因
生理的な口臭は主に「起床時」「空腹時」「緊張時」「疲労時」「加齢時」に発生します。通常私たちの口の中で分泌される唾液は口内の洗浄作用や殺菌作用を持っているので、細菌の活動が抑制されます。
しかし、口臭の原因となるような状態の時には、唾液の分泌量が減少したり唾液の質が低下したりしてしまいます。その結果、口の中の細菌の活動を抑えることができなくなってしまい、細菌が食べカスを分解する時に発生する悪臭の素である悪臭物質である揮発性硫黄化合物(VSC)によって生理的な口臭は起こるのです。
病的原因
病的な口臭の原因には、虫歯や歯周病、副鼻腔炎、糖尿病、胃のトラブルなどさまざまなものがあります。病的な口臭の原因は複数存在することが多く、生理的な口臭に比べるとより複雑になっています。そして、病気を原因とする場合は、原因や治療法は複雑化する傾向にあると言われています。具体的な病的口臭の原因は下記になります。
・舌苔(ぜったい)
舌の上に細胞の剥がれ落ちたものや食べ物のカスに細菌が繁殖してしまい、舌に白い苔のようなものが生えた状態になります。これが悪臭の原因になります。
・虫歯
虫歯が進行してしまうと痛みが生じるだけでなく、悪臭も発生させてしまうのです。
・歯周病
歯と歯茎の間で細菌が悪さをして、揮発性硫黄化合物(VSC)を発生させることで悪臭が発生します。病的原因の中で最も多い理由が歯周病になります。
・歯垢(プラーク)、歯石
歯の表面に付着しているネバネバした細菌や代謝物のかたまりがプラークであり、それが固まってしまったものが歯石になります。これが口の中に増えることで悪臭が発生してしまうのです。
・唾液分泌の減少
口の中の洗浄作用や殺菌作用がある唾液の分泌が減少してしまうと、細菌が口の中で繁殖しやすくなってしまいます。そのため、口臭が発生してしまうのです。話したり食事をしたりすることが唾液分泌を促すことに繋がりますが、他の病気が原因で唾液の分泌量が減る場合もあります。
・副鼻腔炎
鼻の副鼻腔で炎症が発生し、悪化すると膿がたまってしまうことや鼻呼吸ではなく口呼吸になってしまうことが悪臭の原因になってしまうことがあります。
このように他の病気でも病気そのものにより悪臭が発生したり病気により鼻呼吸が口呼吸に変わってしまうことで悪臭の原因になってしまうことがあるのです。
外的要因
外的要因の主なものは食べ物やたばこ、お酒になります。
・においの強い食べ物
においの強い食べ物の中でも特ににんにくはアリルメチルスルフィド(AMS)という悪臭の成分が含まれているので、悪臭の大きな要因になることが多いのです。その他にも、ブロッコリーやキャベツ、小松菜なども口臭の原因になってしまうことがあると言われています。
・たばこ
たばこに含まれているニコチンが血流を悪くすることで唾液の分泌量を減らしたり、タールが口の中の舌や歯、歯垢などに付着したりすることが悪臭を発生させる原因になることがあります。
・お酒
アルコール自体が口の中を乾燥させることで、唾液の分泌量が減少して口臭が発生して酒臭いという状態になることがあります。また、アルコールを飲むことで肝臓の働きで発生する悪臭の成分でもあるアセトアルデヒドが吐く息に混ざってしまって悪臭の原因になってしまいます。
内的要因
精神的なストレスや不安感、緊張感が強い時には、実際は口臭を発生していなかったり検査結果でも異状が見られなかったりしても、本人が自分が悪臭を発していると思い込んでしまうことがあります。この状態が続くと自臭症という病気を引き起こしてしまう可能性もあるので、あまりに気になる場合には病院を受診することをおすすめします。
[3] 口臭を悪化させる食べ物とは?
口臭を悪化させる食べ物は誰もが知っている定番のものから意外なものまでいろいろあります。知っておくことで、口臭を避けたい時にはその食べ物を避けることが口臭予防につながるのでぜひ知っておいてもらいたいです。
口臭の原因は酸性食品
ここの場合の酸性食品とは健康のために言われるアルカリ食品と酸性食品ではありません。口臭の原因となるのは口の中に入れた時に、口の中が酸性になってしまう食品になります。代表的なものは砂糖になります。砂糖そのものは酸性食品ではありませんが、口の中に入ることで細菌が糖を分解する時に強い酸性が作られることが口臭の原因になりうるのです。
避けるべき口臭の原因となる食べ物
口臭の原因となる食べ物にはいろいろな物があります。その種類は食べ物成分そのものが口臭の原因となるものや食べ物自体が臭いもの、薬の服用が原因となるものがあります。
1.食べ物の成分が原因となるもの
にんにく・ニラ・らっきょう・ねぎ・玉ねぎ・キムチ・アルコール・コーヒー・ブロッコリー・キャベツ・小松菜など
2.食べ物そのものが臭いもの
納豆・チーズなど
3.薬の服用が原因となるもの
栄養ドリンク・薬・漢方薬など
[4] 口臭予防・改善に効果的な食べ物と飲み物とは?
口臭予防・改善に効果的な食べものや飲み物を知っておくことは素早く対応できることに繋がります。そのためには、あらかじめ把握しておくことがとても大事になります。
口臭の予防にはアルカリ性食品
口臭を悪化させる原因が酸性食品であるのに対して、口臭の予防にはアルカリ性食品が有効であると言われています。昆布や煮干し、わかめなどの海産物は口の中で噛むと口の中がアルカリ性になります。そのため、舌苔(ぜったい)や口臭が気になるという方は昆布や煮干し、わかめを噛んで口の中に転がすということをするだけでも口臭の予防に繋がります。
口臭予防のある食べ物と飲み物12選
1.生野菜
生野菜に含まれる食物繊維や酵素などは私たちの腸に環境を整えてくれます。腸内環境が整うことで、便通も改善されるのでお腹の中の老廃物がしっかりと排出されます。そのため、腸から胃や食道を通る際に発生する悪臭を抑えることができるのです。また、生野菜はしっかりと噛む必要があります。しっかりと噛むことは唾液の分泌を促すので口臭予防に効果があります。
2.りんご
りんごは食物繊維が豊富に含まれているので腸内環境を整えてくれるのはもちろん、リンゴ酸やポリフェノールなどの消臭効果のある成分が含まれています。また、しっかり噛んで食べることで口の中をキレイにしてくれる効果もあります。
3.レモン
レモンには食物繊維が豊富に含まれているだけでなく、クエン酸が含まれているため口の中の細菌を退治する働きも期待できます。また、クエン酸には唾液の分泌を促進したり悪臭の原因になるたんぱく質の分解を促がしたりする作用があるので悪臭を抑えることができます。
4.パイナップル・パパイヤ・キウイ
これらのフルーツにはたんぱく質分解酵素が含まれています。そのため、悪臭の原因になる食べ物のたんぱく質が舌の上で固まって作られた舌苔(ぜったい)を取り除く効果があると言われています。
5.オレンジ
オレンジは酵素が多く含まれているフルーツになります。その酵素が悪臭の原因となる胃の中の未消化物がたまらないように促し、胃をキレイな状態に保つ働きがあります。そのため、悪臭を抑えることを期待できるのです。
6.梅干し
梅干しもレモン同様クエン酸が豊富に含まれているので口の中の殺菌作用がるとともに、唾液の分泌を促し、悪臭の原因となるたんぱく質を分解してくれることが期待できます。
7.緑茶
緑茶にはカテキンやフラボノイドといったたくさんのポリフェノールを含んでいます。カテキンには口の中の細菌を殺菌する作用があります。口の中の細菌の量を減らすことで口臭を抑えることが可能になります。また、フラボノイドには強力な抗酸化作用があります。
通常、中性に保たれている口の中ですが、酸性状態になることで口臭の悪化につながります。何らかの原因で唾液分泌の減少などで生じる口内の酸性化を防ぐのにフラボノイドが効果があると言われています。
8.味噌汁
発酵食品である味噌にはさまざまな栄養素が豊富に含まれています。その中でも特に乳酸菌や酵素、イソフラボンなどが口臭予防に効果的であると言われています。発酵食品である味噌は口内環境を整えるのではなく、腸内環境を整えることで口臭予防に効果を発揮します。
腸の環境悪化による口臭の原因の1つには悪玉菌の増加があります。この悪玉菌を減らして善玉菌を増やすことで腸内環境を整えることが腸を原因とする悪臭を改善することに繋がるのです。
9.山芋やさつまいも
このいも類は強力な抗酸化作用を持つポリフェノールを豊富に含んでいます。抗酸化作用は細菌の活動を抑えたり虫歯や歯周病を発生を抑えたりと口腔内の環境を整えることで口臭の改善に効果が期待できます。また、山芋のネバネバは腸内にたまっている悪臭の原因物質を包み込んで排出してくれると言われてるので、腸内環境を整えて口臭を改善することも期待できます。
10.ハーブ類
ハーブ類もまた口臭の予防に効果が期待できます。ローズマリーやミントは口内に直接作用することで口臭を抑えてくれる働きがあります。また、パセリやバジル、ローズマリーには胃や腸に働きかけることで口臭を抑えてくれる働きがあると言われています。
11.海藻類
わかめや昆布などの海藻類は食物繊維を豊富に含んでいるので、腸内環境をキレイにすることで腸を原因とする口臭を抑えるのに効果を期待できます。
12.唾液の分泌を促す食品
おかきやするめ、ガムなどの食べる際に噛むことがたくさん必要な食べ物は唾液の分泌を促がしてくれます。唾液の分泌を促がすことは口臭予防に繋がるので、よく噛む必要がある食べ物を積極的に摂ることもおすすめです。ただし、よく噛む食べ物でも甘いものの食べすぎは虫歯を引き起こす原因にもなるので注意が必要です。
[5] 口臭予防や抑えるために気をつけたい食べ方とは?
口臭予防の対策としては食べる物に気をつけることはよく知られていますが、他にも食べ方でちょっと気をつけることで口臭予防対策になる場合もあります。
口臭ケアに最適な時間帯とは?
私たちの口臭の強さというので1日でいてみるとずーっと一定ではなくて時間帯で変化します。口臭が1番きつくなるので、起床時になります。また、空腹時や食後2~3時間後は口臭がきつくなります。これらの時間帯は唾液の分泌量が減少してしまうので、口の中で細菌が増えてしまい口臭が生じてしまう可能性が高くなるのです。
そのため、空腹を感じる前に食べることがより効率的な口臭対策と言えるのです。そのため以下の時間帯に間食として口臭予防に効果的な食べ物や飲み物を口にすることはより効果的であるのでおすすめです。
- 午前10時頃(朝食後2~3時間後)
- 午後3時前後(昼食後2~3時間後)
よく噛むような食材を選んだり調理方法を工夫する
唾液の分泌量を増やしてあげることは口の中での細菌の働きを抑えることになります。そのため、食材を大きく切ることで咀嚼回数を増やしたり根菜などの咀嚼が必要な食材を料理に取り入れることで唾液の分泌量を増やしてあげることは口臭対策に役立ちます。
コーヒーや牛乳を飲んだ後にはお水を飲む
コーヒーを飲んだ後は、コーヒー豆の粒子や砂糖やミルクなどが舌に残り悪臭を発生させる原因になります。また、カフェインに含まれる利尿作用により体の水分が排出されて、唾液分泌の低下を引き起こす可能性もあります。
牛乳を飲んだ後も舌に牛乳に含まれる硫黄成分が残ってしまい悪臭の原因になる場合があります。そのため、コーヒーや牛乳を飲んだ後には水を飲んだりうがいしたりで口の中を洗い流してあげることで口臭対策になります。
[6] 口臭予防の方法を上手に活用して、口臭とさよならしよう
口臭予防の方法としては大きく分けて、口内環境を整えてあげることと胃や腸の環境を整えてあげることがあります。今回、ご紹介した食べものや飲みもの、そして食べ方などちょっと舌ことに気をつけることで悪臭を予防することは可能です。口臭に悩まされることなく過ごせるように効率的に口臭対策を生活の中に取り入れてみてください。