『セントジョンズワート』の精油の効果や特徴は?イライラする気持ちを静めてリラックスしよう
欧米を中心に「ハッピーハーブ」という別名でも呼び親しまれている「セントジョンズワート」。近年の研究で、抗うつ作用があることが報告されており、ハーブ療法の先進国ドイツでは抗うつ薬よりも効果があるとして軽度のうつ病患者に医師から処方されるほど注目を浴びております。
2018年01月10日更新
記事の目次
[1]セントジョンズワートの精油の効果
「セントジョンズワート」は、ヨーロッパから中央アジアに自生する高さ1mほどに生長する多年草で、葉や花に黒い斑点(油点)があり、この油点からは赤い色素が出ることから洗礼者ヨハネの斬首で流れた血の象徴とされました。
聖ヨハネ(セントジョン)の日である6月24日頃に、黄色い花が咲き収穫されていたため「聖ヨハネの草」セントジョンズワートと命名されました。
古くから痛み止めや傷・火傷などに良い薬草として知られており、治療として利用されてきました。中世ヨーロッパでは魔除けのお守りとして玄関や窓に吊るしたりして用いられたりもしていました。
一時期は根拠のない民間療法・咒いの類と考えられていましたが、近年の研究で、セントジョンズワートに含まれているヒペリシンやヒペルフォリンという成分がセロトニン分泌量の正常化に有効で、抗うつ作用があることが報告されています。
ハーブ療法の先進国ドイツでは抗うつ薬よりも効果があるとして軽度のうつ病患者に医師から処方されるほど注目を浴びております。
- 通称:セントジョンズワート(St John’s wort)
- 別名:西洋弟切草、ハイペリカム、ヒプレカム
- 学名:Hypericum Perforatum
- 科名/種類:オトギリソウ科オトギリソウ属/多年草
- 主産地:フランス、イギリス
- 抽出部位:花(葉を含むものもあり)
- 公開抽出方法:水蒸気蒸留法
- 色:淡黄色~淡オレンジ(インフューズドオイルは琥珀色~赤色)
- 揮発度:ミドルノート
- 香りの強さ:中~強め
- 香りのグループ:ハーブ系
- 代表成分:α-ピネン、ゲルマクレンD、β-カリオフィレン、β-ピネン、カジネン、ミルセン
心への効果
●気持ちを立て直す
●不眠症・寝つきの悪い時
●うつ病のサポート
●緊張・神経性疲労
●女性特有の不安定さに
●ダイエットのイライラに
他のハーブには無いセントジョンズワート特有の「ヒペリシン」「α-ピネン」「ゲルマクレンD」という成分により、うつ症状や不眠症の改善に効果があるとされていて、他にも不安やストレス、憂鬱改善や鎮静作用といった症状に対しても有効とされています。
更に「β-カリオフィレン」という成分は、女性ホルモンの血中濃度変動期における不安症状の緩和にも有効と考えられているため、PMS(月経前症候群)にも効果が期待できます。
体への効果
●筋肉痛や関節痛、神経痛や肩こりなど
●深刻な生理痛
●緊張性の頭痛
●月経不順、更年期障害
●外傷・火傷の回復促進
ハイペリシンに鎮痛作用があり、緊張から起こる頭痛などの緩和にも用いられています。ゲルマクレウDには生理周期を安定させたり、月経を促す通経作用があることから更年期障害の緩和にも効果が期待できます。
肌への効果
●肌荒れやニキビ
●切り傷や火傷
●紫外線対策
●オイリー肌、乾燥肌に
皮脂分泌を調整する作用に優れているとされています。更に治癒力を高める働きもあるとされるため、切り傷などにも有効です。また、含有成分から抗炎症作用も期待できるという説もあり、免疫力の治療薬としても研究が進められている注目のハーブです。
[2]セントジョンズワートの精油の使い方
アロマテラピー(芳香浴)
セントジョンズワートの精油には憂鬱な精神状態を和らげる作用があり、実際にうつ病の治療サポートにも利用されています。
ボディオイル・マッサージ
セントジョンズワートの精油に含まれる「ハイペリシン」は、先述の通り、鎮痛作用があるため関節の痛みや生理痛などの痛みによる症状を緩和させてくれるます。キャリアオイルやクリームに混ぜて、痛みの気になる箇所に塗布してあげると良いでしょう。
スキンケア・化粧水
治癒力の向上効果が期待できるため、皮膚のトラブルや損傷による治りを促す効果があり、さらにはニキビなどの肌トラブルを改善する効果も期待できます。
※ 精油を肌に使用する時は必ずキャリアオイルなどに希釈してください。また、お肌の敏感な方は使用前にパッチテストを行ってください。化粧水または精製水に配合させた場合、2週間以内に使い切るようにしてください。
ブレンドする際は、フローラル系・柑橘系と相性が良いと言われています。
●柑橘系:レモン
●フローラル系:ゼラニウム
●オリエンタル系:イランイラン
アロマの香りには色々な効果が発見されていますので、他にも、自分ならではのこだわりの香りでオリジナルブレンドをして楽しむのも良いかもしれませんね。
[3]セントジョンズワートの精油の注意
精油には子宮を収縮する作用があるため、妊娠中にアロマテラピーを利用することで、胎児に影響を及ぼす可能性もゼロではないと言われています。
色々な効能があるからこそ、特定の医薬品と併用した場合の副作用も報告されているため、過剰な利用は極力控えた方が良いです。ハーブティーとして利用する際は、かかりつけの医師に相談してください。
- 妊娠中・授乳中の方は使用を避けましょう。
- 光毒性を起こす可能性があるため、肌に付く使用をした後は紫外線を避けるようにしましょう。
- 血液凝固阻止薬(ワルファリン)・免疫抑制薬(シクロスポリン)・抗HIV薬(インジナビル)・強心薬(ジゴキシン)・気管支拡張薬(テオフィリン)・経口避妊薬などを使用されている方・持病がある方は、同時に接種する事により薬の効果が減少するなどの様々な医薬品との相互作用が報告されています。
[4]セントジョンズワートのその他の楽しみ方
ハーブティー
1日2杯を目安に、免疫力を高めるためやリラックスなど、現状維持や健康維持管理の健康茶として普段から飲んで楽しむ事もできます。淡い黄色のキレイな色をしていて、スッキリとした香りで、少し感じる苦味と甘味が特徴的で、後味にはスパイシーを感じることができます。
ほんのりとした甘味とサッパリ感があるので飲みやすいハーブティーとなっています。更年期障害はブラックコホシュ、PMSはチェストベリーなどとブレンドして飲むのも良いかもしれません。自分にあったブレンドを楽しむこともできますよ。
少し飲みにくい方は、甘味のあるカモミールとブレンドするのも良いかもしれませんね。寝つきを良くする効果がある上にノンカフェインなので、就寝前に飲むのも良いかもしれません。
※ 使用されているハーブにアレルギーなどがないか確かめてから飲用してください。
サプリメント
ドイツでは医薬品として扱われていますが、アメリカなどはサプリメントを販売していて、700万人が利用しているそうです。忙しい現代人だからこそ、手軽に摂取できるのが魅力の一つですね。
日本でも売られていますので、ハーブティーは苦手、という方もサプリメントで接種するのもおすすめです。
[4]セントジョンズワートでイライラをなくして楽しい毎日を
「うつ病」は年々増加していると言われていて、病院に通っていない隠れうつ病の方も予測に入れると日本にも300万人以上いると推定されています。誰にでもかかりうる身近な病気とも捉えられている程です。
精神的に気分がすぐれない時、気持ちを立て直し、ストレスを軽減させ、楽しく毎日を送りたいですよね。そんな時はセントジョンズワートのアロマを使用してみてはいかがだえしょうか?、リラックスしながら香りを楽しむことができますよ。
※アロマオイル(精油/エッセンシャルオイル)を使う際の注意点
アロマオイルは医薬品ではないため、「治療」できるものではありません。ここに掲載されている内容は精油の効果効能、心身の不調改善を保証するものではありません。予めご了承ください。症状がひどい場合は医療機関を受診することをおすすめいたします。実際にアロマの香りに癒されるという方はたくさんいます。自分の体の状態や気分に合わせて上手に取り入れてくださいね。