万能スパイス「クローブ」!美容と健康、虫除けにも効くアロマの効能とは?
「クローブ」というスパイスをご存知でしょうか。カレーやチャイ等によく入っているスパイスですが、実は美容にも健康にも更には虫除けにも効果あり!という万能スパイスだったんです!クローブには精油もあり、スパイスでも精油でも一家に1つあれば必ず役に立てる優れものですよ。そんなクローブの魅力をお伝えします!
2017年12月08日更新
記事の目次
[1]「クローブ」とは
クローブ(丁子)はインドネシアのモルッカ諸島が原産のスパイスで、つぼみを乾燥させたものは丁香(チョウコウ)と呼ばれ、中国では漢方薬としても使用されています。現在ではタンザニア(ザンジバル島)、マダガスカル、ブラジル、インドネシアで栽培され、料理のスパイスを筆頭に様々な使われ方をされています。
クローブの香り
クローブはバニラのような甘い香りの中に独特なスパイシーな強い香りがするスパイスで、チャイ等の飲み物やインドのカレーのスパイスであるガラムマサラにも含まれ利用されています。その魅力的で特徴ある香りは料理だけでなく、ポプリ、香水、お香などにも利用されています。
クローブは紀元前から使用されており、その抗菌・鎮痛効果から当時は歯痛や歯肉炎のケアとしてそのまま噛んだり、媚薬としても使用されていたそうです。ヨーロッパでは金と同等の価値として扱われていた時代もあり、日本に伝来してからは刀のさび止めとしても利用されていました。
≪クローブの香りの効能≫
クローブの香りの元となる成分は「オイゲノール」というファイトケミカル※で、クローブ自体はもちろん、つぼみから抽出されたクローブのエッセンシャルオイル(精油)の中にも含まれています。
※ファイトケミカルとは第七の栄養素とも呼ばれる健康と美容にとても効果のある抗酸化成分の総称で、ブルーベリーのアントシアニンやトマトのリコピン等もこのファイトケミカルの仲間です。
クローブに含まれているオイゲノールはクローブの甘くスパイシーな香りの魅力もさることながら、他にも様々な効能があります。
- とても強い殺菌・抗菌効果
- 加温効果
- 細菌・ウイルスの繁殖予防効果
- 呼吸器系に対する症状緩和効果
- 香りによる精神的・肉体的疲労の緩和効果
- 鎮痛効果
以上のように効能がとても多岐に渡るため、クローブは昔から様々な症状のケアに使われてきました。
≪クローブが有効な症状≫
- オーラルケアとして歯や歯肉の痛みの緩和や虫歯の治療、口臭の予防
- 感染症や虫刺され等の予防
- ニキビや老化肌の改善
- ストレスの緩和、不安障害の改善
- 弱った胃や腸の消化器官の改善
- 咳や喉の痛みなどの緩和
いかがでしょうか。1つのスパイスからこれだけの効果があるなんて驚きですね!長年重宝されてきたクローブですが、ストレスやうつ等の現代病にも効果があり、生活の中でとても役に立ちそうです。そんなクローブの使い方をご紹介します。
[2]クローブの使い方
クローブはつぼみを乾燥させたものを使用しますが、スーパー等の調味料売り場に置かれており、気軽に購入することができる身近なスパイスです。
料理のスパイス
クローブの香りはとても強いため、料理のスパイスとして主に肉の臭み消しなどに使われています。お肉にまぶす時にクローブに切り込みを入れて使用すると、香り成分がよりでやすくなるのでおすすめです。その他にもインドカレーのスパイスや、アイリッシュウイスキー等のお酒のにおい付けにも使われています。
口腔ケア・歯痛・風邪
クローブには強力な殺菌、抗炎症効果があるため、口腔内のケアや喉のケアにも効果的です。喉のケアや風邪の予防にはクローブのうがい薬がおすすめです。
- うがい薬のつくり方
鍋に水を入れて、その中にクローブを数個入れます。それから2分間沸騰させて、その後冷やしたら完成です。
虫除け・ゴキブリ対策
人間にとっては良い効果がたくさんあるクローブですが、実は虫やゴキブリはとても苦手な香りのようで、天然の虫除け、ゴキブリ除けになります。やり方は簡単で、クローブをそのままゴキブリが出やすい通路に置いておくだけです。
また少しお洒落なものでは、アメリカでは「オレンジポマンダー」という天然の芳香剤のようなものがあり、これを吊るしておくだけで部屋中に良い香りが広がるとともに虫除けにも効果があります。
- オレンジポマンダーの作り方
- オレンジに竹串等でプスプス穴を開ける
- 開けた穴にクローブを刺し込む(つぼみ部分がちょっと出ている位までしっかりと奥まで入れる)
- シナモンやカルダモンパウダーを袋に入れ、その中にクローブを刺したオレンジを入れ全体にまぶす
- 紙袋に入れて風通しの良い場所で3~4週間程度置き完全に乾かす
- リボンやひもを付けて部屋に吊るす
アメリカではクリスマスシーズンの飾りとして親しまれており、クローブの刺し方やリボンの付け方でとてもかわいいポマンダーができるので、お洒落に虫やゴキブリ対策ができます!
ハーブティ-
クローブが使われている日本人に親しみのある飲み物といえばインドのチャイです。あの甘くスパイシーな香りはまさにクローブによる香りです。
その他にもクローブはシナモンやオレンジとの相性が良く、紅茶やハーブティーとしても楽しまれています。飲み物に入れると香りの広がりや成分が直接体内に入るため効果を感じやすいでしょう。
アロマ
クローブの蕾を乾燥させたものから抽出されたエッセンシャルオイル(精油)があります。こちらを使うと手軽に様々な場面でクローブの効果が使用できます。
[3]クローブのエッセンシャルオイル(精油)
クローブのエッセンシャルオイルは乾燥したクローブのつぼみから水蒸気蒸留法という方法で抽出されたオイルで、その80%が前述したオイゲールという有効成分で構成されています。
クローブのエッセンシャルオイルの使い方
- 芳香浴・ルームスプレー
- 虫除け
- 皮膚にオイルトリートメントする場合
- 妊娠中に使用する場合
クローブには気分を高揚させる効果があるため、ルームフレグランスとしてアロマディフーザー等で香らせると気力がなく気分が落ちている時や、うつっぽい状態の時に前向きになれます。ただし、効果が高く香りも強いので入れすぎには注意が必要です。クローブ1滴に対してオレンジやレモンなど柑橘系の精油を5滴ほどブレンドすると心地よい香りを楽しめます。
その他にはルームスプレーも手軽に利用できます。
作り方は、精製水45mlと無水エタノール5mlに対してエッセンシャルオイル10滴を混ぜるだけで完成です。ただしこちらもクローブは香りや効果が強いため少なめのエッセンシャルオイルで香り等試してから好みでブレンドしてください。
クローブのエッセンシャルオイルは非常に強い抗菌・防虫効果があるためゴキブリや小さな虫などの発生を予防できます。前述したルームスプレーで気になる場所に吹きかけておくだけでOKです。細い隙間等にはエッセンシャルオイルを含ませたコットン等を置いておくだけで予防できます。クローブは虫が嫌う香りのようでゴキブリ対策にとても効果的です。
また、カビ対策にも使えるので、梅雨等じめじめした気候の時や布団をしまっているクローゼットの中など先程のオイルを含ませたコットンを置いておくだけでカビ予防になります。
使用上の注意
クローブのエッセンシャルオイルは様々な効果がありますが、香りも強く刺激も強いため、使用する際には注意が必要です。
通常スキンケア用のブレンドオイルの濃度は、ベースのキャリアオイルに対してボディ1%のエッセンシャルオイルで作るのが一般的ですが、クローブの場合は効果と刺激が強いためこれの半分程度から試し様子をみて利用しましょう。敏感肌の方など心配な場合はパッチテストをお勧めします。皮膚に刺激がないことを確認してから使用するようにしてください。なお、刺激が強いためフェイシャルケアには向いていません。
オイゲノールには分娩促進作用があるため、無月経や生理不順などなかなか来ない生理、出産時の陣痛促進や痛みの軽減などに役立地ますが、妊娠中は使用を控えます。
[4]万能スパイス「クローブ」
クローブの魅力をお伝えしてきましたがいかがでしたでしょうか。スパイスとして有名なクローブですが、その優れた鎮痛・抗菌効果で口腔内や喉のケアになったり様々な健康の維持に使えるなんて驚きでしたね。更に困ったゴキブリや、虫、カビの予防対策までできるなんてまさに万能のスパイスであるクローブ…精油もつぼみを乾燥させたスパイスも値段も安く手軽に手に入るので、家に1つ用意して色んな所で活用してみてはいかがでしょうか!
※アロマオイル(精油/エッセンシャルオイル)を使う際の注意点
アロマオイルは医薬品ではないため、「治療」できるものではありません。ここに掲載されている内容は精油の効果効能、心身の不調改善を保証するものではありません。予めご了承ください。症状がひどい場合は医療機関を受診することをおすすめいたします。実際にアロマの香りに癒されるという方はたくさんいます。自分の体の状態や気分に合わせて上手に取り入れてくださいね。