湿布の香り「ウィンターグリーン」のアロマ効果とは?特徴や精油の使用方法をご紹介
ウィンターグリーンの香りを嗅いだ時、ほとんどの方が連想するのが湿布のニオイです。あの刺激的に鼻を通り、スッとリフレッシュする香りを持っているウィンターグリーンとは、一体どんな植物なのでしょうか。見かけることも少ないのですが、どんな効能を持った植物なのか、徹底調査をしてみましょう!
2017年11月22日更新
記事の目次
[1]ウィンターグリーンってどんな植物?
ウィンターグリーンと聞いても、ピンとこない方も多いかもしれません。アロマの世界でも、使用される頻度はそれほど多いものではない精油(エッセンシャルオイル)です。いつどのように使用するのが良いのか知っておくことで、活躍の場面も増えますので、まずはウィンターグリーンがどんな植物なのか調べてみましょう。
産地と歴史が知りたい
ウィンターグリーン別名「チェッカーベリー」や、日本では「姫柑子(ヒメコウジ)」とも呼ばれるツツジ科の低木です。冬に真っ赤な可愛らしい実をつけることで有名ですが、クリスマスのリースなどの装飾に使用されているのを、見かけたことがあるのではないでしょうか。
原産は北アメリカの北東部で、中国やベトナムなどでも生産されています。日本に渡ってきたのは大正の末期で、盆栽を育てていた人たちによって作られ、広められたと言われています。ウィンターグリーンは古くからエスキモーやネイティブアメリカンの間で、解熱剤や鎮痛薬として使用されていました。
痛みが出た時にこの葉を口の中で噛み潰したり、お湯に漬けて煎じて飲んだりして使用していたようです。そして、独立戦争時代には紅茶の代用として使われ始めました。「カナディアンティー」と言うとお分かりになる方もいるかもしれませんが、現在でも飲まれている飲み物なんです。
成分と特徴が知りたい
ウィンターグリーンの成分を見ていくと、「サリチル酸メチル」という成分が95%~99%含まれているということが分かります。そのため、精油(エッセンシャルオイル)を抽出した時もその非常に強い成分の効果を得ることが出来ます。精油の種類は数多くありますが、ほぼ一つの成分で出来ている精油と言うのはとても珍しく、貴重なものなのです。
サリチル酸メチルと言うのは、湿布に使用されている成分と同じです。ガムや歯磨き粉などにも入っていますので、意外と身近な成分ですね。効能としては、抗炎症や解熱鎮痛があり、様々な痛みに使用することが出来ます。
しかし、毒性や刺激性も強いことから、取り扱いが難しいという面もあります。適切に使用することが出来れば、合成物質と比べて副作用がなく、効果も高いためセルフケアもおすすめです。
また、イギリスの薬草薬局方ではリウマチ性関節炎の治療薬として使われている例もあるほど効果が信頼されています。そしてウィンターグリーンの香りは一瞬で眠気を覚ましてくれる爽快感のある香りですが、すっきり系の香りの中でもかなり特殊で、ペパーミントなどとは異なりかなり刺激が強くなります。まさに湿布薬の香りがするので、懐かしさを感じる人もいるようです。
[2]ウィンターグリーンのアロマでの効能は?
やはり1番知りたいのは、香りにどんな効果があるかですよね。精油(エッセンシャルオイル)は心と身体に働きかけてくれるオイルです。精油ごとに効能が様々ですので、ウィンターグリーンの効能を見ていきましょう。
頭をすっきりさせてリフレッシュ
ウィンターグリーンの香りは、先ほどお話ししたように爽やかで刺激的です。その刺激には、頭も心もすっきりとリフレッシュさせてくれる効果が期待できます。眠気がある時や、ぼんやりしてしまっている時などにちょっとだけ香りを嗅ぐだけで覚醒させてくれます
。感性を研ぎ澄ましたい時もおすすめです。しかし、ウィンターグリーンは長時間香りを楽しむ芳香浴には適していません。アロマポットやディフューザーなどで楽しむのではなく、短時間で使用する気付け薬のように使用してください。
咳を抑えて痰を切ってくれる
サリチル酸メチルには消毒作用が期待できます。そのため、風邪の予防や、なんだかだるいなというひき始めの対策に効果的です。呼吸器系の症状に効果を発揮しやすいので、咳を抑えたり、淡を切る手助けをしてくれます。
筋肉、関節の痛みに
湿布と同じ成分であることから分かるように、筋肉痛や関節炎、肩こりやリウマチのケアをすることが出来ます。サリチル酸メチルには鎮痛作用があるので、痛みが出ている部分に使用すると短時間で痛みが取れた事例もたくさんあります。市販の湿布や鎮痛薬にも工業薬品として科学的に合成されたサリチル酸メチルが含まれているので、同じ作用を天然の成分から取れるのはすごいことですよね。
筋肉の痛みに効くことから、スポーツをする人から愛用されている精油でもあります。リンパの流れをよくする効果もあるので、むくみを取ってくれることもあります。マッサージと合わせるとさらに効果的です。ただ、使用する時は必ずキャリアオイなどで希釈して使用するようにしましょう。
[3]ウィンターグリーンのおすすめの使い方は?
上級者向けな精油(エッセンシャルオイル)であることからなかなか使用する機会が少ないウィンターグリーンですが、意外と簡単に使用でき、もっと積極的に使用することで心と身体を癒す手助けにすることが出来ます。どんな使い方がおすすめなのか見ていきましょう。
ボディマッサージとして
スポーツ後など、筋肉疲労がひどいと感じた時はキャリアオイルで希釈したウィンターグリーンで、ボディマッサージをするのがおすすめです。湿布を貼った時のように、筋肉を落ち着かせてクールダウンさせてくれます。
まさに、スポーツ後に向いていると言えます。使用の仕方としては、お好きなキャリアオイル10mlに1滴のウィンターグリーンをよく混ぜ合わせます。1%で希釈することを目安にしてみてください。運動後のマッサージは筋肉を掴んでもみほぐす方法が効果的です。手のひらと指で、老廃物を流すようにリンパに沿ってマッサージしてみましょう。
スポーツとアロマの関係について詳しく知りたい方は、新しいケアの形「スポーツアロマ」とは?おすすめの精油(エッセンシャルオイル)と実践方法の記事をご覧ください。
のんびりと過ごせるバスタイムで、香りも楽しみながら身体も癒せるのがアロマバスです。ウィンターグリーンはリフレッシュさせてくれる香りですので、夏の暑い日や汗を流してさっぱりしたい時におすすめです。
精油は湯に溶けないので、原液のまま入れると表面に浮いてそれが直接肌に触れてしまう恐れがあります。肌への刺激が懸念されるので、天然塩やキャリアオイルに混ぜて希釈してから入れることをおすすめします。
リラックスしたい気分の時はお湯の温度を38度くらいのぬるめに。よりリフレッシュしたい時は40〜42度くらいの熱めのお湯にすると良いでしょう。肩や腰の痛みに効くバスタイムとなります。
ブレンドして相乗効果を期待!
ウィンターグリーンの精油だけでも効果は期待できますが、精油の良い所はブレンドが自由にできることです。違う効果があるものをブレンドすることで、新しい効果が期待できたり、同じ効果をプラスしてさらに強力な効果にしたりすることが出来ます。
また、香りも複雑になるので、ウィンターグリーンも嗅ぎやすい香りへと変わりますよ。それではウィンターグリーンと相性の良い精油をご紹介します。
- ユーカリレモン
- イランイラン
- ラベンダー
ユーカリレモンには抗炎症作用がありますので関節炎などの症状に効果が期待できます。鎮痛作用もありますので、ウィンターグリーンと同じく肩こりや筋肉痛などにおすすめです。また、柑橘系の香りはとても相性がいいので、グレープフルーツやオレンジなどと組み合わせてもよいですね。
イランイランと言えばフィリピンが原産で、催淫作用があることから新婚夫婦のベッドサイドに飾る習慣がある程です。ロマンチックな気分になれると有名ですが、実は神経系に優れた鎮静作用があるのです。その効果は、海外ではモルヒネの量を減らし一部代用することもある程効果が期待できるのだとか。こちらも筋肉痛などの痛みに作用しますので、ボディオイルやジェルを作る際に使用してもよいですね。
ウィンターグリーンの香りはちょっと苦手、と言う方にはラベンダーがおすすめです。万能精油として有名ですが、リラックス効果がある事で有名なラベンダーですが、実は筋肉に働きかける力も持っています。バスタイムや、お風呂上がりのリラックスしたいタイミングに使用するのが良いでしょう。また、 フローラル香りが女性から支持を得ていて人気ですので、ウィンターグリーンと混ぜると好みの香りにブレンドしやすくなります。
[4]ウィンターグリーンの禁忌
現在投薬中の方
薬による治療中の方は医薬品との相互作用を考え、医師への相談をおすすめします。
妊娠中、アスピリンアレルギーの方は禁止
精油(エッセンシャルオイル)は、妊娠中に使用できないものもが多いですか、ウィンターグリーンも使用できませんので気を付けてください。また、医薬品のアスピリンと同じ働きがある為、呼吸困難などになる恐れがあるのでアレルギーをお持ちの方は使用できません。
皮膚への使用は注意
ニキビのケアなども期待は出来る精油ですが、刺激が強いので、原液を直接皮膚へ使用することはやめましょう。特に肌が弱い方などは0.5%程度の希釈から始めて、皮膚に異常が出ないかパッチテストなどを行うことをおすすめします。
スポーツ選手の方は注意
ウィンターグリーンがドーピング違反になると言われていた時期もありますが、現在は指定されていないようです。しかし今後対象になる可能性がありますので、スポーツ選手の方は使用する場合は確認をするようにしましょう。
[5]使用方法を守ってウィンターグリーンを生活に取り入れよう!
精油(エッセンシャルオイル)を使うアロマの世界の中で、ラベンダーやローズマリーは使いやすく人気です。その中ではウィンターグリーンは上級者向けで少し癖のある精油ではありますが、効果が明確で使用法を守れば気軽に使用することが出来るものです。スポーツ後の身体の痛みや、年齢からくる関節の痛みなどがある時は、心強い味方となりますので、家庭に1つ持っていてほしい精油です。ぜひ1度試してみてください。
※アロマオイル(精油/エッセンシャルオイル)を使う際の注意点
アロマオイルは医薬品ではないため、「治療」できるものではありません。ここに掲載されている内容は精油の効果効能、心身の不調改善を保証するものではありません。予めご了承ください。症状がひどい場合は医療機関を受診することをおすすめいたします。実際にアロマの香りに癒されるという方はたくさんいます。自分の体の状態や気分に合わせて上手に取り入れてくださいね。