女性に嬉しい成分が豊富!セロリの効果効能やおすすめの食べ合わせをご紹介
数ある野菜の中でもその独特の風味と香りで好き嫌いが分かれることが多いものの1つにセロリがあります。しかし、このセロリ実は私たちにとって嬉しい効能が得られる栄養素がいっぱいつまった野菜でもあるのです。苦手という方でもちょっと工夫するだけで美味しく食べられるという場合もあります。そこで今回はセロリの栄養素や効果効能とともに調理の工夫を詳しく紹介していきます。
2017年11月14日更新
記事の目次
[1]セロリとは
セロリはセリ科の1年草の植物に分類される野菜になります。他にもセルリー、セレティと呼ばれたり和名では「オランダ三葉」や「清正人参」と呼ばれたりしています。セロリというと日本では茎を食べるイメージが強い野菜であるため、葉は食べずに捨ててしまう人も多いのではないでしょうか?
しかし、葉もサラダや炒め物などに美味しく使用できるのです。また、セロリの種は「セロリシード」とも呼ばれて香辛料として使用されたりハーブティーにしたり精油(エッセンシャルオイル)の原料としたり様々な活用方法があるのです。
薬膳(万能薬)として使われていたセロリの歴史とは
セロリの原産地はヨーロッパ、西南アジア、インドというように言われています。今はセロリと言えば野菜ですが昔はそのような認識ではなかったようです。古代エジプトではミイラ用の防腐剤として使用したり、古代ローマやギリシヤでは薬(主に整腸・強壮剤)や防臭剤、香料として使用したりと現代とは異なる使われ方をしていたようです。
しかし、古代から中世にかけては整腸・強壮剤としての働きだけでなく風邪やインフルエンザ、痛みなど体のあらゆる症状に対して使われていたとの伝えもあり、その幅広い効能効果から「万能薬」というようにも呼ばれていたようです。
そんなセロリの日本伝来までには様々な諸説がありますが、10世紀頃シルクロードを通じてインドから中国に伝わり、文禄・慶長の役の際に加藤清正によって人参の種と騙されて持ち帰ったものがセロリであったというのが有力な説のようです。
セロリを食べるのにおすすめの人とは
このように昔から万能薬と呼ばれていたセロリですが、特に以下のような人には食べることをおすすめしたいです。
- ストレス(いつもイライラしているなど)、精神的疲労がたまっている方
- 寝つきが悪く、不眠の症状に悩まされている方
- 血行不良による肩こり・頭痛・冷え性にお悩みの方
- 食欲不振や日々の体のだるさ、疲労回復ができないことでお悩みの方
- むくみや便秘気味など老廃物の排出がしっかりできてないのでは?とお悩みの方
- 血圧が高く、ドロドロ血液の方
- 美肌はもちろんアンチエイジングしたい方
セロリの種類とその特徴とは
セロリと呼ばれる野菜にはさらに細かく分類すると3種類のタイプに分けられると言われています。
- セロリ(中間種)
- グリーンセロリ(緑色種)
- ホワイトセロリ(白色種)
このセロリは日本で最も多く食べられている種類であり「コーネル619」とも呼ばれる品種のものになります。長さは約40㎝程で、茎の色は薄緑色で厚みはありますがスジも比較的柔らかめになります。香りもソフトなので食べやすいものになります。
セロリの消費量が高いアメリカでもっとも好まれて使用されている種類のセロリになります。茎の色は緑色、肉厚でスジは少な目ですが、独特の香りが強めのものになります。そのため、セロリ初心者にとっては少しきついかもしれません。
一般的に販売されているものの大半は「ミニホワイト」と呼ばれる種のものになります。このセロリは水耕栽培によって育てられているので柔らかくてスジが少ないのが特徴になります。見た目が三つ葉に似ており、細くて白いセロリであり、あの独特の香りも少ないので食べやすいものになります。
[2]セロリの注目すべき5大栄養成分とは
セロリは全体の95%が水分というほぼ水分でできている野菜になります。そのため、カロリーも約15kcal/100gと低カロリーになり、ダイエット中の方には気になる食材の1つになっています。残り5%が水分以外の栄養素ということで量としては決して豊富に含まれているとは言えません。
しかし、様々な栄養素が含まれていることからバランス良くいろいろな栄養素を摂ることができるのです。ある特定の栄養素を十分摂取できるということは難しいですが、栄養バランスを整えてあげるということには期待が持てるのです。今回はセロリの注目すべき5大栄養素について詳しく説明していきます。
セロリに豊富に含まれるビタミン類とは?
- βカロテン(プロビタミンA)
- ビタミンB1
- ビタミンC
- ビタミンE
- ビタミンK
- ビタミンU
日本人の中では茎のみを使うという人が多いですが、このβカロテンは茎よりも葉の方に多く含まれており、その量は約2倍であると言われています。抗菌作用があり老化や癌の原因を抑えてくれる効果や夜間の視野の維持など様々な面において効果が期待できる栄養素になります。
そして、βカロテンは体内で必要に応じて不足している分だけビタミンAに変わる優れた栄養素でもあります。(足りない分だけ作られて過剰にビタミンAが作られることはないので安心して大丈夫です。)
ビタミンB1は糖質をエネルギーに変える時に使われる水溶性の栄養素になります。疲労回復効果を期待できるので、不足すると疲れやすくなります。頭のエネルギー補給は糖質からされるので勉強や仕事で頭を使う場合には不足しがちになってしまうのでしっかりと摂ってあげたい栄養素になります。また、乳酸分解にも関与するために疲労回復効果が期待できるのです。
抗酸化力の強い栄養素であり、特にシミやしわの防止で肌にツヤやハリを与えて美肌作りには欠かせません。しかし、ビタミンCは体内で合成することができないことに加えて貯めておくこともできないので毎日こまめに摂ってあげることが大事になる栄養素になります。
別名「若返りビタミン」とも呼ばれるほど抗酸化力のある栄養素になります。老化の原因になると言われている活性酸素を除去してくれたりドロドロの血液をサラサラにしてくれたりというような働きがあります。そして、ビタミンCと一緒に摂取することで相乗効果が得られるとも言われています。
いろいろな種類のビタミンが含まれているセロリですが、1番多く含まれているのが脂溶性のビタミンKになります。ビタミンKの含有量は他の野菜と比較しても多いと言われています。ビタミンKは出血の際に止血を促進したり骨を丈夫にしたり動脈の石灰化を防止したりといったことを期待できます。
キャベツから発見された栄養素であるため別名「キャベジン」とも呼ばれる栄養素ですが、セロリにも含まれています。胃の粘膜を保護・修復したり胃潰瘍や十二指腸潰瘍の予防をしたりできると言われています。
スイカよりも多い!?カリウム
体内の余計な塩分を出すことで、ナトリウムとともに体内の水分量を調整してくれるのがカリウムになります。そのため、むくみの防止や血圧を抑えてくれるという効果が期待できます。カリウムが多い食べ物というと夏に水分補給代わりに食べることも多いスイカをイメージする方も多いのではないでしょうか。
しかし、100gあたりのカリウムの含有量を比較すると、セロリ:410㎎、スイカ:120㎎とセロリの方が豊富に含まれているのです。
便秘解消・ダイエット効果の味方食物繊維
食物繊維には水溶性と不溶性の2種類ありますが、セロリに多く含まれるのは不溶性食物繊維になります。セロリに含まれる食物繊維の含有量は100gあたりで約1.5gです。そしてそのうちの1.2gが不溶性食物繊維になります。
野菜全体の中で比較するとセロリの食物繊維の量は多いとは言えません。しかし、カロリーが低い野菜であるので摂取カロリー数からみた食物繊維量であれば多い部類になり、便秘解消やダイエット効果を期待できるのです。
セロリの香り成分の代表選手アピイン
セロリの好き嫌いを分ける独特の香りを生み出している成分がアピインになります。アピインはフラボノイドの1種になり、頭痛等の痛みを和らげてくれたりイライラなどを落ち着かせてくれたりと精神を安定させる働きがあります。
セロリの苦みの正体フラボン
フラボンという野菜や果物に良く含まれているフラボノイドの1種である栄養素も含まれています。この栄養素は苦味や辛味の成分により強い抗酸化力を持っているので老化防止にも効果的です。また、インスリン抵抗性を改善してくれることから血糖値を下げてくれることも期待できます。
[3]セロリの香りも重要!?驚くべき7大効果・効能とは
セロリの香り成分が心を落ち着かせる!?ストレス緩和と精神安定
セロリの香り成分には代表的なアピインをはじめセネリンやテンペン、アビオイルがあります。合計で約40種類の香りの成分が含まれていると言われています。セロリの香りは強く、食べなくても香りを嗅いだだけで精神を落ち着けてくれる鎮静作用や安眠作用があります。
また、ストレスを緩和したり不安や緊張の緩和をしたりイライラを抑えたりも期待できます。他にもセロリの香りは肉の臭みを消したり食欲を増進したりというような働きもあると言われています。
セロリの血流促進効果で女性のお悩み上位の冷え性の改善
セロリの葉に多く含まれている香気成分にピラジンというものがあります。ピラジンには血小板の凝集を抑えて血流を良くしてくれる働きがあると言われています。セロリ自体に含まれるピラジンの量は決して豊富とは言えませんが、血行促進に効果的なビタミンEとの相乗効果で血流が良くなることは期待できます。
血流が良くなると体の隅々までしっかりと血液が運ばれるようになるので代謝が良くなるのをはじめ冷え性の改善も期待できるのです。
痛み止めの代わりになる!?セロリの鎮痛効果
気持ちを落ち着かせてくれるのに役立つと言われる香気成分であるピラジンやテンペンには鎮痛作用もあります。香り成分による鎮静作用で自律神経の乱れが改善されます。それに伴い頭痛や生理痛などの鎮痛作用も期待できるのです。また、二日酔いによる頭痛にも効果が期待できると言われています。
新陳代謝が高められて病気知らずの丈夫な体!セロリの免疫力向上効果
昔、ヨーロッパの中近東では精力増強効果が期待できると言ってセロリは食べられることがありました。セロリにはアルドステロンと呼ばれる男性ホルモンが含まれているとの見解もあり、フェロモン効果で精力がアップするということも言われてたりします。
また、セロリには体の調子を整えてくれるのに必要なビタミンやミネラルがバランス良く含まれています。特に、ビタミンB2には新陳代謝を高める効果が期待でき、新陳代謝が高まることで免疫力もアップして風邪をひきにくい丈夫な体作りに役立つと言えます。
腸内環境のお掃除で便秘解消
セロリが含んでいる食物繊維の大半は不溶性の食物繊維になります。水に溶けない食物繊維になるので老廃物や有害物質と引っ付いて外に排出することで腸内をお掃除してくれたりお腹の中で水分を吸収して膨らむので食べ過ぎを予防してくれたりします。
また、セロリは低カロリーな野菜でありシャキシャキした歯ごたえがあることで噛む回数が増えて、食べ過ぎを防いだりダイエットのかさ増しとして活用することもできます。
セロリで気になる高血圧とむくみとさようなら
セロリには利尿作用があります。カリウムが多いとイメージされるスイカよりも2倍近く豊富にカリウムが含まれています。そのため体内に蓄積してしまっている余分なナトリウムをしっかりと排出することで体内の水分量はしっかりと調整できて、むくみの解消や血圧の上昇を抑えることを期待できるのです。
また、カリウムよる利尿作用とセロリの香気成分による血流促進が合わさることで、朝や日中をは履けていた靴が夕方には履けないほど足がむくんでいるといった血液循環の不良により起こるむくみの改善も期待できるのです。
女性に嬉しいセロリに含まれるアンチエイジング効果と美肌効果
セロリに含まれている栄養素には何かが特出して高いというものはありませんが、セロリにはβカロチンをはじめビタミンB群・ビタミンC・ビタミンE等のビタミン類がバランス良く含まれています。抗酸化力の強いビタミンCとEは一緒に摂取すると相乗効果が発揮されると言われています。
また、美肌作りには欠かせないと言われるビタミンACE(エース)を一度に摂取することができるのもセロリの特徴になります。
[4]セロリの効果的な食べ方とは 生?加熱?葉?それとも茎?
ここまでの話でセロリにはいろいろな栄養素が含まれているということは分かったと思いますが、一体どのように食べるのがより効果的に栄養を摂れるのかが気になるところではないでしょうか。特に、香りが苦手な人は生では食べられないし、葉はどうやって食べるのがよいのか分からない方も多いかもしれませんね。
効果効能が高まるセロリの調理方法とは
セロリの食べ方には大きく分けて3つあります。生で食べる、加熱して食べる、ジュースにして飲むの3種類になります。
セロリに含まれている栄養成分は熱に強く加熱により壊されにくいと言われています。そのため、どの食べ方でも問題はないので、1番食べやすくて量も取れるやり方がおすすめになります。あえておすすめの食べ方に順位をつけるならば、1番がジュースにして飲む、2番が加熱して食べる、3番が生で食べるになります。
セロリの効果的な栄養成分は細胞の中に含まれているため、1番消化しにくい生の状態で食べる場合には栄養成分をしっかりと吸収するためにも、よく噛んで食べてあげることが大事になります。
またセロリに含まれるβカロテンやビタミンEは良質な油と一緒に摂ることで吸収力がアップしたり、香り成分も良質な油に溶けだしやすいという特徴があります。生で食べる場合はオリーブオイルやマヨネーズと炒める際にも油やバターを少し使ってあげることをおすすめします。スープにする時にも魚や肉と一緒に煮込むことも、臭みけしにもなるためおすすめです。
セロリの葉と茎ではどちらを食べる方が効果的?
セロリは茎のみ食べるという人も多いかもしれませんが葉も食べることができます。葉は茎と比べるとセロリ独特の香りが強いということもあり苦手な方も多いですがビタミンやミネラルは葉の方に豊富に含まれています。特にβカロテンに関していうと葉には茎の約2倍の量含まれています。
そのため、セロリを食べる時にはぜひ葉は捨てずにまるごと全部食べてみてください。普段食べ慣れていない葉も炒めたりスープに入れたりと加熱することで食べやすくなるのでぜひ試してみてください。
セロリとおすすめの食べ合わせとは
セロリとおすすめの食材の組み合わせがいくつかあるのでご紹介します。
- セロリ+鶏肉や卵・牡蠣⇒疲労回復
- セロリ+生姜や味噌⇒血行促進で冷え性解消
- セロリ+ごぼうや春菊・わかめ⇒便秘解消
- セロリ(すりおろし)+蜂蜜(お湯に溶く)⇒不眠やめまい、高血圧
- セロリ+きゅうりや唐辛子⇒むくみ解消に効果的
[5]セロリを選ぶ時・食べる時に注意すべきこととは
セロリを購入する時に見ていただきたいポイントが3つあります。
- 葉の緑色が濃くてハリやツヤがしっかりあるもの
- 茎が太くて肉厚がしっかりあり、ハリがあるもの
- 縦のスジがしっかりと入っているもの
また、セロリをお家で保存する時には、葉と茎をまず切り離します。それぞれを新聞紙で包みます。それから何か箱のでもそのままでもいいですが立てて冷蔵庫に入れてあげることで1週間ほどは保存可能です。
そして、セロリは食べ物なので基本的に薬のような副作用はありませんが食べすぎには注意が必要です。セロリには体を冷やす働きがあります。生の状態で大量に食べ過ぎてしまうと体を冷やしすぎてしまい様々な不調(胃腸の冷え過ぎで働きが低下して消化不良や便秘など)を引き起こしてしまう可能性があるのです。
そのため、特に多めに食べる時には加熱したりスープにしたり鍋に入れたりと温かい状態で食べられるように調理してあげることがおすすめです。また体を温めてくれる作用のある生姜や味噌などと一緒に摂ることもおすすめです。
[6]いろんな効能が期待できるセロリを生活に取り入れてみよう
どの野菜にも共通できることですが、いろいろな栄養素がバランスよく含まれているセロリですがセロリばかり摂りすぎてもよいというわけではありません。しかし、セロリにはいろいろな栄養素がバランスよく含まれていることで栄養バランスを整えてくれるという特徴があります。
今まではあの独特の香りが苦手と避けていた方や茎だけしか食べていなかったという方もこれからはぜひセロリをまるごとしっかり食べてみてください。意外とはまり美味しく食べることができるかもしれませんよ。
ぜひ、これを機会に食卓にセロリメニューを、料理に取り入れるのは難しいという方は外食の際にセロリメニューを選んでみてください。