ベンゾイン(安息香)とはどんな匂い?ベンゾインの香りの特徴や使い方を解説!
バニラのような甘い香りのベンゾイン。別名「安息香」と呼ばれ、リラックス効果に優れていると言われています。香水やエッセンシャルオイルに配合されています。今回はベンゾインの香りの特徴や精油の使い方をご紹介!ベンゾインをブレンドした香水もご紹介します。
2023年12月11日更新
記事の目次
ベンゾイン(安息香)ってどんな香り?
ベンゾインと聞いてどんな香りか、まったくわからないという方も多いのではないでしょうか。
ベンゾインはバニラやカラメルのような、まろやかな甘い香りです。
別名「安息香」と呼ばれ、リラックス効果に優れていると言われています。 甘く、どこか懐かしさを感じるような優しい香りが特徴です。
香水やエッセンシャルオイルに配合されていて、香りに奥行きを与えてくれます。 今回はベンゾインの香りの特徴や精油の使い方をご紹介!
ぜひ、ベンゾインの魅力に触れてくださいね♪
ベンゾイン(安息香)を知ろう!
バニラのような甘い香りのベンゾイン。
ベンゾインとはどのようなものなのでしょうか?
古くから人々に愛されているベンゾインの魅力をご紹介します!
ベンゾインの香りの特徴、効果についても解説していきます。
ベンゾイン(安息香)とはどんな植物?
エゴノキ科に属するベンゾインは、ジャワやスマトラ、タイを中心とする東南アジアに多く生息しています。
熱帯の樹木で、20mほどまでに成長し、硬い殻をもつ果実を実らせる植物です。
植林後7年後に樹液が抽出できると言われており、この樹木の樹皮に切り込みを入れ、にじみ出た樹液を採取します。
その樹液が固形化すると灰褐色の樹脂となり、その樹脂から溶剤抽出法でエッセンシャルオイル(精油)を抽出することができるのです。
このベンゾインは、古代エジプトの時代から香料として使われていたようです。
また、邪気を払う宗教的儀式においても薫香として用いられていたという、長い歴史をもつ香りで、古くから人々に愛されています。
ベンゾイン(安息香)の匂いの特徴は?
ベンゾインの香りはバニラのようなまろやかな甘さが特徴。
特に、不安や孤独感を癒し、心の中を温め、安らぎを与える効果が高いとして注目されてきたようです。
また、ベンゾインを含む樹脂系の多くはベース(ラスト)ノートの香りとして香水などに配合されます。
ベンゾインは特に粘性が強く、揮発速度も遅く、6時間以上経過しても香りが持続。
このことから、ベンゾインのブレンドオイルや香水などが作られるときには、揮発速度の速いトップノートやミドルノートの精油、香料成分と組み合わされることが多くなります。
ベンゾインの香りが香水のベースになると、より官能的になったり、香りに奥行きが出て、落ち着きを感じられるノートになるのが特徴です。
ベンゾイン(安息香)の効果・効能
ベンゾインは、別名「安息香」とも呼ばれます。
ベンゾインの香りには、緊張・不安・孤独感・喪失感などを和らげて心を穏やかに落ち着かせる働きがあります。
心を鎮め、集中させる香りなので瞑想時にもピッタリです。
特に気分の落ち込みが激しいときなどは、ベンゾインの精油を使ったアロマバスやアロママッサージによって幸福感をよみがえらせると効果的。
身体への効果効能としては、喉の痛みを和らげ、呼吸器系の不調を整える効果も期待できます。
アロマディフューザーなどを利用して蒸気を吸入するという使い方がオススメです。
また、喘息など気管支の炎症に対しては、キャリアオイルで希釈したものを背中や胸に塗布するのも良いでしょう。
さらに肌への効能として、あかぎれやひび割れなどの乾燥による傷を和らげる効果もあります。
キャリアオイルなどと合わせ十分薄めた上でマッサージするのがおすすめですが、妊娠・授乳中は、使用を控えるなど注意が必要です。
ベンゾイン(安息香)のおすすめの使い方!
甘くまろやかな香りのベンゾインの魅力はいかがでしたでしょうか。
ベンゾインの香りは、リラックス効果が期待できるので、日常の生活に取り入れたいですよね。
では、ベンゾインの香りをどのように取り入れたら良いのでしょうか。
ここでは、ベンゾインのアロマオイルの使い方について解説していきます。
おうちで気軽に試してみてくださいね♪
芳香浴
ベンゾインの香りを簡単に香りを楽しめる方法が芳香浴です。
芳香浴とは、アロマの精油の香りを空気中に拡散させて香りを嗅ぐことをいいます。
芳香浴は、おうちにあるものを使って簡単に始めることができるのでベンゾインの香りを好きな時に楽しむことができるのです◎
ベンゾインの香りを嗅ぐだけで、リラックスやリフレッシュなどの気分を変えたりして、心や体にやさしく働きかけ、心地よさを感じるはず!
ここでは、芳香浴が初めての方でも簡単に楽しめる方法をご紹介します!
ティッシュに垂らす
最も簡単な方法が、ティッシュに垂らして香りを楽しむ方法です。
ティッシュペーパーにベンゾイン精油を1~2滴垂らすだけ。
近くに置いて香りを楽しんだり、かばんに忍ばせて外出先で気分を変えたい時にもおすすめです。
ティッシュ以外にハンカチでもできますが、精油が付着すると素材によっては色が落ちないこともあるので注意しましょう。
アロマストーン
ご自宅にアロマストーンがあれば、ベンゾインの精油を垂らすだけで楽しめます。
精油の量は2〜3滴ほど。
精油の香りは自然に揮発して消えるので、特別なお手入れも必要なく手軽に楽しむことができます。
繰り返し使えるのが嬉しいポイントですね!
リモートワークで、デスクにアロマストーンを置いておくだけで仕事中も甘い香りを楽しむことができますよ◎
また、瞑想時に使ってリラックスしたり、寝る前の枕元に置いてゆっくり眠りにつけばより安らぎを感じるでしょう。
アロマディフューザー
精油をセットし、空間に香らせるタイプのディフューザーもおすすめです。
上記で説明した方法より、広い範囲で香らせることができます。
お部屋全体をベンゾインの甘く落ち着く香りにしたいときにぴったりです。
来客時に使うのもおすすめ♪
照明がついているディフューザーも多いので、視覚的にも楽しむことができますよ◎
※ベンゾインは非常に粘度が高く、気温の低い冬場などは固まってしまうこともあるようなので、希釈されたものを使いましょう。
マグカップとお湯で
もっとお手軽に楽しむにはマグカップなどに熱いお湯を注ぎ、ベンゾインの精油を1〜3滴垂らすことでも同様の効果があります。
お湯の温度は60℃~70℃くらいがベスト。
立ち上がる蒸気に顔を近づけ、ゆっくり深呼吸すればリラックスできること間違いなし!
ベンゾインのまろやかな甘い香りを、温かい蒸気で感じれば一瞬で至福の時間になりますよ。
アロマバス
ベンゾインのキャリアオイルをバスタブに1、2滴入れてアロマバスにする方法も手軽にできます。
ベンゾインの含まれた蒸気を吸入することで、喉の痛みなどの気管支系の不調を整えてくれる効果も期待できます。
入浴だけでもリラックスできますが、さらにベンゾインの香りがすることでより安らぎを感じるはずです。
また、湯船に入らないという時は、お風呂の床の隅に精油を1、2滴垂らしてシャワーを浴びるといいでしょう。
浴室内の温度と湿度が上がると、心地よい香りが広がります。
直接入れると肌の刺激に✖️
ベンゾインに限らず、精油を原液のまま肌につけると、皮膚への刺激が強く、乾燥や肌荒れを引き起こしてしまう可能性があります。
精油は100%天然植物由来の製品なので、低刺激で肌に優しいと思いがちですが、植物の芳香成分が高濃度で凝縮されていて刺激が強いのです。
精油の分子はかなり細かく、皮膚から吸収された後に体内に浸透し、血管内にまで成分が入っていってしまうことがあります。
そのため、直接肌に塗布すると皮膚への刺激が強く、トラブルの原因にもなりかねません。
肌トラブルにならないように、注意して使用しましょう。
保湿クリーム
ベンゾインは、肌を保湿し、乾燥によるダメージを和らげる作用もあることから、クリームなどのクラフトに利用することもおすすめです。
市販の無香料クリームや、キャリアオイル、蜜蠟などに数滴混ぜて、ボディクリーム、ハンドクリーム、リップバームを作ることもできますよ。
ボディクリーム、ハンドクリームをクラフトすることで、ベンゾインの甘く魅惑的な香りを気軽に身に纏えます。
お風呂上がりや、外出先でもバニラのような甘い香りを楽しめますね♪
ボディに使うものには、精油は全体の1%以下の割合に、フェイシャルに使うものには0.5%以下になるようにしましょう。
肌に使うものはキャリアオイルを使おう
上記でもお話ししたように、肌に精油を原液のまま使うのはNG。 肌に塗布する場合は「キャリアオイル」で希釈する必要があります。
キャリアオイルとは、精油を希釈するときのベースとなるオイルのことです。ホホバオイルなど天然植物から抽出された植物油です。
ルームスプレー
精油を使って、オリジナルのルームスプレーを作ることもできます。
無水エタノールを小さじ1杯程度に、ベンゾインの精油を10滴ほど入れましょう。 そこに、水道水を40〜50ml入れてよく振ったら完成です。
お部屋を簡単に好きな香りで満たせるのでおすすめですよ♪
使うときの注意点
精油を使う時には下記の注意点を確認しましょう。
- 原液を皮膚につけない
- 飲むことや、うがいに使わない
- 目に入れない
- 妊娠中(特に妊娠初期)の使用は控える
ベンゾインはアロマオイルの中でも香りが強く香りやすいです。 1度に使う量には気をつけましょう。
また、粘度が高いため気温が低いと固まってしまいます。保存には注意が必要です。
もし固まってしまった時は、ビンを手で温めてから使用しましょう。
ベンゾイン(安息香)のブレンドオイルを作るのに相性のいい組み合わせは?
ベンゾインは粘度が高く香りの持続性があることから、他の香りの保留剤としての役割を果たすこともあります。
香りの相性としては、基本的にどんな香りにも合わせやすく、ブレンドしやすい精油の一つと言えるようです。
ベースノートで香るため、香り立ちの早いトップノートで香るアロマと合わせるとぴったりかもしれません。
揮発スピードの違う香りをバランスよくブレンドすることで、豊かな香りのブレンドアロマになりますよ。
ここでは、ベンゾインと相性の良い組み合わせをご紹介します。
オリエンタル系
イランイランやサンダルウッドなどのオリエンタル系の香りとブレンドは、濃厚な香りが好きな方に特におすすめです。
イランイランは、濃厚でエキゾチックな花の香りで、まろやかな甘さのベンゾインとも相性はバツグン◎
お香のような深く甘いウッディーな香りのサンダルウッドも、深くリラックスできるような落ち着きを感じます。
柑橘系
ベンゾインのイメージとはまるで違う、オレンジやベルガモットとの相性も良いです。
ベンゾインは濃厚で重さを感じられる香りですが、オレンジやベルガモットといった柑橘系と合わさることで、爽やかな印象になります。
ベンゾインの香りが少し重たいな、と感じる方におすすめのブレンドです!
スパイス系
ブラックペッパーやジンジャーなどのスパイス系の香りとも、相性がいいようです。
ブラックペッパー精油の香りは、スパイシーさを感じますが、その中に温かみも感じる香りでベンゾインのまったりとした甘さとよく合います。
甘みと辛味両方を感じられる独特な香りを持つジンジャーとのブレンドは魅惑的に感じられるでしょう。
フローラル系
ベンゾイン自体が甘く濃厚な香りを持っていますので、フローラル系の香りである、ジャスミンやローズなども相性が良いです。
ベンゾインに限らず、ベースノートで香る精油は香り立ちの早いフローラル系との相性が抜群◎
ローズとなら肌の保湿効果と、女性として優雅な気分を堪能できるといった精神的な効果も期待できるでしょう。
ベンゾインに関するよくある質問
ベンゾインはアロマオイルでも香水でもよく使われる人気の香りです。
奥行きがあり、なんだか心が落ち着くような香りに夢中になる方も!
ここでは、そんな魅力的な香りのベンゾインについてのよくある質問をご紹介します。
ベンゾインの精油が気になる方も、ベンゾインの香水を使ってみたいという方も、ぜひ参考にしてくださいね!
ベンゾインとはどんな香り?
ベンゾインの香りはバニラのような甘い香りです。
ベンゾインは香りの持続性が高く、香水に配合されるときはラストノート(ベースノート)として香りに深い印象を与えます。
心を落ち着かせて集中力を高める香りは、古くから儀式で使われてきました。
どこか懐かしく、心安らぐまったりとした甘い香りです。
ベンゾインとバニラの違いは?
ベンゾインは甘くてバニラのような香りと説明しました。
バニラとの違いは、原料です。
バニラの精油は、蔓(つる)性のラン科植物バニラの果実を成熟させて得られます。
ベンゾインは、熱帯雨林で育つ東南アジア原産のエゴノキ科「アンソクコウノキ」から抽出される樹脂です。
両方とも甘く深い香りを楽しめます。
ベンゾインの精油での注意点は?
妊娠中の使用は避けましょう。
また、血圧降下、鎮静などの作用があるため低血圧の方の使用は避けることをおすすめします。
ベンゾインは粘度が高いので、気温が低い場合に精油が固まることがあります。
固まった状態の場合は、使用する前にビンを手で温めてから使用しましょう。
ベンゾインの精油はどこで買える?
ベンゾインをはじめ、精油はAmazonや楽天市場などの大手ECモールでも購入できます。
「信頼のおけるお店で買いたい」と考えているなら、精油やナチュラルケアアイテムの専門店で購入するのもおすすめです。
アロマセラピーやナチュラルケア製品を取り扱っている「生活の木」は、一般の方々だけでなく、専門家も利用しているお店。
全国の百貨店などに店舗がある他、通販でもベンゾインの精油を購入できますよ。
日本生まれの「フレーバーライフ」は、精油を中心とした自然由来のフレグランス製品やキャリアオイルなどを取りそろえているアロマ専門店。
アロマセラピー愛好家や健康に関心のある女性の人気を集めているお店です。
ベンゾインの精油を始め、さまざまな精油を選べます。
甘いベンゾインの香りに包まれて、心穏やかに至福のひとときを!
心地の良い香りを感じられるベンゾインの魅力はいかがでしたでしょうか?
ベンゾインの香りがもたらす幸福感や穏やかさによって、さまざまな効果が期待できることがわかりましたね!
多くの人に愛用されている人気香水のベースノートとしても使用されているベンゾイン。
毎日の生活に取り入れることで、心も身体もより健やかに、ハッピーに過ごせるはずです。
甘い香りが好きな人はもちろん、リラックスやホッと落ち着くような香りを求めている方は使ってみてはいかがでしょうか。
※アロマオイル(精油/エッセンシャルオイル)を使う際の注意点
アロマオイルは医薬品ではなため、「治療」できるものではありません。ここに掲載されている内容は精油の効果効能、心身の不調改善を保証するものではありません。予めご了承ください。症状がひどい場合は医療機関を受診することをおすすめいたします。実際にアロマの香りに癒されるという方はたくさんいます。自分の体の状態や気分に合わせて上手に取り入れてくださいね。