コーヒーは豆の種類で効果が違う?美味しい淹れ方と香りを楽しむ方法
コーヒーは香りを楽しみながら飲むことが出来る飲み物です。素敵な香りは、感じるだけで癒しの効果を得ることが出来ますが、他にも心や身体に作用することがあります。コーヒーの香りにはどんな効果があるのかを知り、美味しい淹れ方でコーヒータイムを楽しみましょう。
2020年03月17日更新
記事の目次
[1]コーヒーで感じることが出来る3つの香り
コーヒーは3つの香りを楽しむことが出来ます。まずは挽いた豆の香り、飲む直前に感じることが出来る香り、そして飲んだ時に感じる香りです。
これは、コーヒーが水や油を使用せずに加熱乾燥をさせる「焙煎」という方法で加熱されているからです。それでは3つの香りを詳しくご説明します。
コーヒーのフレグランス
フレグランスは焙煎された豆や、豆を挽いた粉の香りを指します。
コーヒーの袋を開けた瞬間に感じる香りや、コーヒー豆を売っているお店で感じる香りはフレグランスです。
とても香ばしい香りで、挽き立てのこの香りが1番好きな方も多いのではないでしょうか。
そのため、この香りが香水に使用されるほどなのです。日本でも、この香りを製品に取り入れているものもあり、その人気の高さが伺えます。
コーヒーのアロマ
淹れたてのカップから感じる香りはアロマと呼ばれます。コーヒーを抽出した時の香りです。
しかし、コーヒーの香り自体をアロマと呼ぶこともあるそうです。缶コーヒーなどを開けた瞬間に感じる香りも、よくアロマと呼ばれ、とても揮発性が高くなっています。
この香りはコーヒーオイルからくる香りで、様々な効能が期待できると、研究結果でもわかっています。
そもそもコーヒーオイルとは、コーヒーを抽出した時に上澄みに浮いている油分のことで、この油は豆を収穫した段階で成分に含まれている、天然のオイルなのです。
ごま油などを想像していただくと分かりやすいかもしれません。その天然の成分から出る香りで、私たちは癒されているのです。
コーヒーのフレーバー
最後に、コーヒーを口にした瞬間に感じるフレーバーです。口から鼻へ抜けていく香りを指し、最初の一口目に強く感じることが出来ます。
淹れてから時間が経ち、冷えてしまったコーヒーは酸化してしまい、そうなると香りは弱くなりあまり感じることが出来ません。
ちなみに、さらに細かく言うとコーヒーを飲み込んだ時に感じる香りを「アフターテイスト」と呼びます。
口にした時に感じることが出来るコーヒーフレーバーは、ナッツやチョコレート、フルーツなどに例えられています。
産地や品種、精製方法などで香りは変わり、今でも新しい品種の開発が行われているようです。
さらにコーヒーを楽しむために香りにアレンジを加えられたものも出ていて、フレーバーコーヒーとして楽しまれています。
[2]コーヒーの香りで得られる効果
コーヒーの香りには大きく分けると2つの効果が期待できます。面白いのが、この2つの効果とは「リラックス効果」と「覚醒効果」で、相反する効果なのです。
リラックスしている状態と、覚醒している状態のコントロールは、交感神経と副交感神経によって行われています。
コーヒーを飲んだ時この2つの神経に影響を与えていることが分かったのです。それではこの2つの効果について詳しく見ていきましょう。
コーヒーのリラックス効果
淹れたてのコーヒーの香りが好きと言う方は多く、その香りは心地良いと脳が覚えています。香りが脳の働きに変化を及ぼすという考え方は比較的最近のことでした。
コーヒーの香りは、右脳後部に「α派」という脳波を多く発生させ、それが気分をリラッスさせるということが研究でも明らかになったのです。
右脳には感情をコントロールする機能があり、そこに血液が集まると快感の機能が高まります。そして情緒面に働きかけ、リラックス効果をもたらすのです。
コーヒーで頭の回転を速くする
リラックス効果はα派で測定しましたが、集中力の指標は別の脳波で測定します。それが「P300」です。
これは物事を見極める時などに活発になる脳波でP300が現れる速度が早ければ情報処理能力アップしている状態となります。
低い音を流しているヘッドホンを付けて、たまに入る高温にどれだけ早く気づけるかと言う実験をしたことがあります。
これを、コーヒーを飲んでいる状態と飲んでいない状態で試したところ、飲んだ人の方が早く高音に気づくことが出来ました。
コーヒーを飲むことで集中力が高まり、頭の回転が速くなる効果が期待できます。
●参照元:全日本コーヒー協会
[3]コーヒー豆の種類で効果が違う!
コーヒーの香りに効果がある事が分かりましたが、実はすべてのコーヒーが同じようにあるわけではありません。豆の種類によって効果が違いますので、必要に応じて種類を変えるのがおすすめです。
リラックス効果を高めるコーヒー豆
・ブルーマウンテンコーヒー
ブルーマウンテンには「美しく輝く神秘的な山」という意味があります。場所はカリブ海の島国、ジャマイカです。
その中の標高800m~1200mという限定した地域でのみ取れたコーヒー豆こそが、最高級コーヒー豆となるブルーマウンテンです。
香りに始まり、苦みや甘み、酸味までもがバランスの取れたコーヒーの王様と言われる種類です。
・グァテマラコーヒー
中央アメリカ北部に位置する共和制国家グァテマラで作られているグァテマラコーヒー。
グァテマラはコーヒーを栽培するのに適した地域で、様々なコーヒーが作られていて高い品質を誇っています。
酸味と苦みが上品なバランスで、甘い香りが特徴の種類となっています。
頭の回転を早くするコーヒー豆
・マンデリン
マンデリンは酸味が弱く、苦みが柔らかいことからカフェオレなどにとても向いています。深いコクを感じられるコーヒーです。
豆の産地はインドネシア・スマトラ島で、名前の由来はこのコーヒー豆の栽培を始めた現地民族の名前だそうです。
・ブラジルサントス
ブラジル産の銘柄のコーヒー豆で、サントス港から出荷されたものをブラジルサントスと呼んでいます。
品質ごとにナンバーズ付けがされていて、良いものから順にNo.2~No.8となっています。癖のない味わいで、コーヒーらしさを感じることが出来ます。
・ハワイコナ
100年以上の歴史を持つ伝統あるコーヒー豆ハワイコナハは、その名の通りハワイ島のコナ地区のみで栽培されたものを指します。
政府によって厳しい品質管理がされていて、大事に丁寧に栽培されています。
ホワイトハウスでも御用達になるほどで、香りが豊かで口当たりがまろやかなのが特徴のコーヒーです。
[4]コーヒーの美味しい淹れ方
どのコーヒー豆を選ぶかで効果や味の変化を楽しむことが出来ますが、美味しいコーヒーを飲むためには、淹れ方が1番大切です。ちょっとの工夫で驚くほどおいしく淹れることが出来ますので、ぜひ試してみてくださいね。
ペーパードリップでの淹れ方
≪必要な道具≫
本格的に入れる場合の道具をご紹介します。代替可能ですので、家にあるもので試してみてください。
●ペーパーフィルター
●ドリッパー
●サーバー
●カップ&ソーサー
●細口ドリップポット
●メジャースプーン
≪淹れ方≫
1.必要な道具をそろえたらお湯を沸かす
コーヒーは温度が大事ですので、あらかじめ道具を温めておくことをおすすめします。お湯が沸騰したら火を止め、沸騰した時に出る表面の気泡が収まるのを待ちます。だいたい95℃くらいが理想の温度です。
2.ペーパーフィルターをセットする
ペーパーフィルターをドリッパーに軽く抑えるようにしてセットしておきます。抽出する量によってサイズは様々ですが、フィルターとドリッパーは形やサイズの合うものを使い、隙間ができないように注意してください。
3.コーヒー粉をフィルターに入れる
お湯は全体にムラなく注ぐことが大事なので、表面の粉が平らになるようドリッパーを軽く振ると良いでしょう。
4.コーヒーを蒸らす
美味しいコーヒーを入れる最大のポイントは蒸らすことです。最初にお湯を注ぐときは少量にして、粉の上に乗せるようにしましょう。全体的にゆっくりとお湯を含ませたら、20秒ほど置いて蒸らします。サーバーにぽたぽたと落ちてくる頃が目安です。
5.お湯をすべて注いでいく
蒸らしが終わったら中心から「の」の字を描くようにお湯を注いでいきますが、3回くらいに分けて注ぎます。水面が1/3程度減ったら次を注ぐと良いでしょう。
ポイントを押さえてコーヒーをもっとおいしく
・お湯は中心に90度の角度で注ぐ
お湯は真上から90度の角度を意識して注ぐと、コーヒー豆全体の成分をまんべんなく抽出することができます。
また、サーバーにコーヒーが落ちる量と、注ぐ量を同じにするとさらに成分の抽出がよくできます。
・水道水で淹れる時のちょっとした心がけ
日本の水道水は、世界的にも高い品質を誇っています。そしてほぼ硬水となっています。
そのため、水道水でもおいしいコーヒーを淹れることが出来ます。注意点としては、カルキのニオイを軽減するために、1度沸騰させると良いでしょう。
また、朝1番の蛇口は鉄分が多くなっていることがあり、コーヒーの味や香りに影響を与えてしまうので少し流してから使用しましょう。
・温度で変わる味
コーヒーは温度に左右される飲み物です。同じ品種のものを使用しても、お湯の温度の違いで抽出される成分がかわってきます。
抽出される成分は、粉の表面だけでなく中心からも抽出されます。「糖」や「酸」は粒子が軽く小さいので低い温度でも溶け出してきます。
しかし、「酸味」や「苦味」は重く大きい粒子なので高い温度でないと抽出しにくくなってしまいます。
注意が必要なのが、お湯を高温にしすぎると、「酸味」や「苦味」が強く出過ぎたり、雑味も出てしまうことがあるので、温度管理は重要となってきます。
そして口にするときは、少し冷めた60℃前後が味をしっかりと感じることが出来ます。
その温度をなるべく保つためには、カップを温めておくのがおすすめです。また、底の厚いカップにしておくと温度を保ちやすくなります。
また、飲まない時は蓋をしておくなどの工夫もしてみましょう。
[5]コーヒーの2面性を上手に使い分けよう!
朝食のお供に、ちょっと一息入れたい時に、コーヒーは活躍してくれます。自分が飲んでいなくても、香りを感じるだけでホッとする事もあるのではないでしょうか。なんとなく飲んでいたコーヒーを、これからは効能を理解して選ぶようにすると、もっと心強い味方になりますよ。素敵なコーヒーライフを過ごしてみてください。